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逆襲のメスガキCEO
しおりを挟む「意外に慌ててないんだな」
先ほどオフィスでエルメスCEOから宣戦布告があったと聞き、社長室に飛んでいくとアリサは呑気に茶を啜っていた。
「エルメスCEOがSNSで騒いでるだけでエクスプレイの方からはこちらに何も連絡が来てないからね。ウチが一大イベントをやって便乗がてらお気持ち表明したかっただけでしょ」
「そう言うもんか? あの人はやりかねないような気がするんだが」
「たとえやってきたとしてもエクスプレイの日本支社程度なら調子が出てきた今のうちで充分圧倒できるわ。エクスプレイ側が恥をかくだけで終わるでしょ」
「エクスプレイに対してそこまで有利にか。にわかに信じられないが、確かにここ最近のウチは話題になることを色々とやったからな」
「そう、あんたのおかげで日本ではNo1と言っても過言じゃないわ」
アリサは茶飲みを置くと、仰々しい感じでそう言ってくる。
流石に俺のおかげというのは基本サポートしてただけなので、日本一になれたのは一重に配信者さんたちの積み重ねのおかげだと思うのだが。
否定するのも思いを無碍にするようで悪いし、誇張気味の労いとして受け取っておこう。
---
社長との話のあと、しばらく仕事に一区切りできるまでオールスター配信の報告書やアスカさんに商品の宣伝を打診していきている企業に返答メールなどの諸事に一区切りつけた後、夕食を買いにコンビニ向けてダンプロのオフィスから出て行くと、道端で白いワンピースを着た身長の低い金髪の女の子と項垂れながら話す望月さんの姿が見えた。
もしやリスナーの女の子と何らかのトラブルで修羅場になってるのかと思い聞き耳を立てると想像だにしない会話が聞こえてきた。
「ざあこ♡ ざあこ♡」
「フフフ、好きなだけ言えよ。僕は屈しないぞ」
ウチの配信者がメスガキに絡まれている。
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