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秘密裏に制作された鎧
しおりを挟む「胸糞スキーは処分したが、あとの鎧はどこにいる?」
『共和国の残存鎧はあと一つ。王国側に向けて逃亡を図っている鎧です』
デマキが残りの鎧について報告をすると、命令を出さずとも転移を発動し、戦闘機形態で空を飛んでいく共和国の鎧の姿をみつけた。
通常攻撃で真っ二つにすると、頭と手足が斜めに断ち切られた状態で野に墜落した。
『ま、待って!! 私はランズインダストリクスの会長サム・ランズだ! 私は金も研究資料も全て持っている! 投降するから命だけは勘弁してくれ!」
墜落しても無事だったようで、中の会長が自ら見逃すように命乞いをしてきた。
投降するというのならわざわざ殺す必要もないだろう。
これで共和国の侵略は完了だ。
「残った問題は後から来る皇国の鎧が来た際に俺の乗ってる鎧か。このままデマキを晒して、悠々と奴らと交流するのはマズいし、生身では相手の勢力を無力化したというにはあまりにも説得力がないしな」
基本的に鎧でも生身の戦いでもそうだが同士討ちというのは存在しない。
必ずどちらかが滅ぼされ、どちらかが生き残る。
おおよそ同士討ちとなり鎧を失ったなどと申告すれば疑いを掛けられた、大破したスピアの戦闘記録を閲覧された挙句、嘘をついていることがすぐにバレるだろう。
『マスター、私のパーツを少しずつ切り離して制作した見た目だけはスピアに瓜二つの鎧があります。そちらを使われてはどうでしょうか?』
「よくやったと言いたいどころだが、なぜそんなものを作っていたんだ?」
『私のパーツで作成された鎧ということは、それはもはや私同義のものであり、後々はあのポンコツと入れ替えて、マスターに私しか操縦できない環境を提供するために作成しました』
「これが終わったら捨てて来い。今のを聞いた瞬間乗る気が失せた」
『マスター、それは私を捨てることと同義です。断固拒否します』
デマキが抗議の姿勢を見せると、王国側から大量のスピアがやってきた。
とりあえず誤魔化すためにデマキからデマキの邪念の宿った偽スピアに乗り換え、その場はことなきを得た。
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