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共和国褒賞フラグ発生

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 王城に向かうと、付人を侍らせた浅黒い肌の白髪の女が出迎えてきた。
 外見的特徴からどう見ても皇国にいる人種ではないし、こいつが俺に面会を求めてきてた共和国のリーダーとやらか。

「ヴィラン辺境伯、お初にお目にかかります。私はカスタ共和国第一統領ハイザ・カスタと申します」

 共和国のリーダーということで、自分がこの国では皇帝と同格の立場であるとわかっているはずだが、辺境伯である俺にも礼を払って挨拶をしてきた。
 血統ではなく能力によって選ばれているので、挨拶一つでも卒がないらしい。

「こちらこそお初にお目にかかるカスタ殿。して、ここに俺を呼び出したのは如何様で?」

「ヴィラン殿、あなたに我が国を盗賊団から救って頂いたお礼をしたかったのです」

 そういえばATM盗賊団に落とされた国があるとか、ないとかあったな。
 主人公たちがクリアした時はこうして直接礼を言いに来ることがなかったはずだが、わざわざ今回は足を運んできたようだ。
 本来はATM盗賊団が退治されるのは七年後のことだから、盗賊団の被害の蓄積が軽かったため余力があったというところか。
 礼と言っても今は有り余るほど持っている金をもらえるだけな上、基本的に褒賞授与をされる場合は相手の国に向かわなければならないので俺にとっては面倒でしかないな。

「礼は不要です。領地に侵攻しようとしたゴミを始末しただけのことですので」

「そう言うわけには……」

「ヴィラン辺境伯、貴君には申し訳ないがここは儂の顔を立ててはくれぬか」

 俺が断ろうとすると、裾から皇帝が現れ、ハイザの肩入れし始めた。
 弱小国の皇帝なのでできるだけ他の国にはいい顔をしておきたいのだろう。
 まあいい、護衛を兼ねてこいつらの送迎をしながら授与式に向かうことになるが、デマキで転移させてしまえば、一瞬で共和国までついて授与式まで直行できる。
 授与式の用意次第ではあるが、すぐに始めることができれば半日もかからずに領地に戻れるはずだ。

「御意」

「では後顧の憂いも断てたことだ。貴君にサンイーター討伐の褒美を出すことにしよう。貴君のことだ。もうすでに金については飽きたりておろう。金では代えられぬ皇族由来のアーティファクトを与えることにしよう」


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