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②分からせてあげる

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 乱暴にベッドに寝かされた私は、服を脱がされネクタイで手首を胸の前に拘束されていた。普段は縛られたことがないせいで、恐怖に身を固くしてしまう。そんな私の様子に雄紀がクスリと笑う。

「だいじょーぶだよ、ひな」

 雄紀がベッドに腰かける。ぎしり、とベッドが悲鳴を上げた。見下ろす瞳は冷え冷えとしているのに、声色だけは優しくて。そのアンバランスさが怖くて、目を逸らすことが出来なかった。

「俺がどれだけひなを愛してるのか知ってもらうだけ。気持ちよくなるだけだから、ね♡」

 雄紀は縛られた両腕を頭の上に押し付けて、唇を奪う。雄紀の舌が私の唇をこじ開けて入ってきた。酸素までも奪い去ってしまうような、容赦のない口付け。足をばたつかせても、彼は私の太腿の間に身体を入れているため全く動じない。それどころか固くなった陰茎を太腿に当ててくるので、私は再び固まってしまった。

「っぷは、はあ、は……」
「はあ……ねえ、わかる?俺、ひなとキスしただけでこんなになっちゃうの」
「!やだ……ッ!」

 固く太い凶器を私の太腿に擦り付けてくる雄紀。アレの凶暴さを、私は身をもって知っていた。逃げるように身体を捩るが、徒労に終わる。

「ふふ、まだ入れないから安心して」
「ひゃあっ!あ、やん……ッ!」

 雄紀が耳元で囁いたかと思えば、ぬるりと舌が耳介を嬲る。熱い息が耳にかかり、ゾクゾクと背筋に快感が走る。

「俺ねえ、ひなの耳も、首も、胸も、アソコも、全部全部だあいすき……♡だーかーら、今日はたくさん舐めちゃうね」

 耳の穴に容赦なく舌が入って来る。執拗に這う舌は、脳まで犯そうとしているようで、怖くなる。私はしがみつくように、雄紀の腕を掴んだ。

「みみ、やだあっ……!おかしくなる……!」
「もうおかしくなっちゃうの?いいよ、おかしくなっても。俺がずうっと面倒見てあげるから」

 世話焼きの雄紀なら、やりかねない。彼の言葉が本気に思えて、ゾッとする。堪らず頭を動かして抵抗すると、雄紀が私の顎を掴んだ。

「耳じゃ満足できずにキスしたくなった?ふふ、わがままな奥さんだねえ」
「ちがっ!んむ、っはあ、んんんっ!」

 雄紀の舌が私の舌を絡め取って、じゅるじゅる吸い上げる。今朝までセックスしていた身体は、キスだけで容易く反応してしまう。
 快感に抗おうとする私を嘲笑うかのように、雄紀は空いた手で胸を揉み始めた。けれどそれは、胸の形を確かめるような軽いもので、乳首には決して触れない。優しい手つきがかえってもどかしくて、脚の付け根にじわりじわりと熱が集まる。

「ぷは、っは、はあ……はあ、あっ……や、んんっ……」
「はあ、は……ふふ。ひな、ほしいって顔してる」

 悪戯に笑う雄紀に、私は恥ずかしくなって首を振る。

「ち、ちが……!」
「うんうん、違うよね。だって俺とのセックス減らしてほしいんでしょ?そんなひなが、俺のちんこ欲しがるわけないもんね?」
「ッ……!」

 雄紀が私のお腹、正確には子宮の辺りを撫でる。目を細めて笑うその姿は、捕食者のようで。私は喉が震えた。雄紀は、分かって言っているんだ。私が雄紀の性器を自ら欲しがって、堕ちちゃうのが見たいんだ。どうしよう、まだ胸だけなのに。この先、あそこまで触れられたら……。想像するだけで、秘部が疼いてしまう。逃げられないと分かっていても、抵抗せずにはいられなかった。

「う、うん……減らして、ほしいから……もうやめて……!」
「ええ?これはセックスじゃなくて、俺がどれくらいひなを愛してるか分かってもらってるだけだから」
「もう、もう分かったから……!」
「ううん。分かってない。分かってないよひなは」

 雄紀は固く尖った乳首を摘み上げた。随分焦らされてきたせいで、快感が身体を駆け抜ける。

「ッ!あぁああぁっ!!」
「こーんなにえっちな身体して。他の男に取られちゃわないか心配」

 グリグリと乳首を指で弄り回される。拘束されているせいで満足に抵抗できず、喘ぐことしか出来ない私に、雄紀が目を細めて見つめる。

「誰にも渡さないけどね」
「うううっ!いやあ……っ!」
「ずっとずっと、俺だけのひなでいてね」
「いや、あ、あぁあ―――ッ!」

 ぎゅう、と乳首を強く摘まれ、呪詛のように耳元で囁かれた私は呆気なく果ててしまった。

つづく
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