16 / 79
異世界と少年と私
ステータス
しおりを挟む
とりあえず愛人部屋に戻った。魔法の練習は、明日以降に時間のある誰かが教えてくれるという。ありがたい。
愛人部屋については、今日は他の天幕はとても騎士以外の人が泊まれる環境ではないらしい。正直、寝れるなら愛人部屋でも大丈夫だと伝えた。レズリーは笑っていたが、ロワーズは苦虫を噛み潰した顔をしていた。私は本当に気にしてない。寒さをしのげる場所があるだけでありがたいのだから。でも結局、渡り廊下部分を取り払うことで落ち着き、北の砦に行くまでの二週間は愛人部屋で過ごすことになった。
頭の中で流れた和太鼓音とアナウンスは、ゲーム的なステータスなのかもしれない。二人は何も言ってなかったので、そのことについては黙っていた。固有スキルとユニークスキルが解放されたって……一体何が解放されたのだろう。
「アンさん、シオンの面倒を見ていただきありがとうございます」
「お坊ちゃま、よく眠られております」
シオンの寝顔はとても可愛かった。アンは、シオンはとても良い子にしていたと言った。身近に子供がいなかったので、接し方が今ひとつ分からない。今夜だけでも、アンがいてよかった。アンは十七歳ぐらいだろうか? そう考えてるとヴォンと音がして、頭の中にアンの情報が流れてきた。
アン
年齢:十六
種族:人族
職業: ウエストリア王国黒騎士団メイド
魔力2 体力3
スキル:掃除、子守、農業、料理、 酪農、短剣
魔法属性: 水
魔法:生活魔法、水魔法
これ、アンのステータスだ。流行りの小説はいくつか読んだことあった。これは鑑定だ。ここは、本当ファンタジーな世界なんだ。アンは十六歳なのね、若い。
アンが天幕を去るのを見送り、自分に向かって小さく【鑑定】と呟いた。
エマ・シラカワ
年齢:十九
種族:人族(異世界人)
職業:なし
魔力8 体力8
スキル:言語翻訳、タックル、俊足、ステップ、キック、ピアノ、水泳、栽培、料理、精神耐性(強)
魔法属性:全
魔法:なし
固有スキル: 商人交渉2 、コピー2
ユニークスキル: 妄想魔法、鑑定
称号:異世界の迷い人
何、このステータス……。年齢も十九になっている。半分くらいの年齢になったことに違和感しかない。それになんか、スキルが脳筋っぽいんだけど。タックルとかって海外学生時代に、ラグビーをしてたからかな? ピアノとか水泳は子供の時の習い事だ。精神耐性は子供の頃のイジメだろうか?
交渉とコピーは仕事関係? ん? でも、コピーとかここ十年してなかったと思うけど……。
「あぁ、もしかしてあれか」
学生時代にしたインターンの時のこと? あれは毎日、ほぼ壊れている家庭用のコピー機としか思えない代物で延々とコピー業務をさせられた記憶がある。インターンの最終日に新しいコピー機を買ったから、コピー機を捨ててこいとか言われ、押し付けられたことがあったね。もう一人のインターンと会社の裏でコピー機をボコボコにして袋に詰めてインターンの会社前に放置したのが懐かしい。もう一人のインターンの名前はなんだっけかな? ボブ?
閑話休題
私のスキルのほとんどは地球で十九歳までに習得した技能のようだ。魔力とか魔法はしらん。職業はなしの無職。まぁ、それは事実だからなんとも言えない。
魔法属性は全って全属性だよね。それは、とても嬉しい。今はまだ使える魔法はなしだけど……楽しみだ。早く、魔法少女やりたい。
あと気になるのが、このユニークスキルの妄想魔法。いや、妄想魔法って何よ。妄想魔法に集中すると、更に詳しい説明が現れた。
妄想魔法――妄想時に発動する魔法。実態はない。術者の感情で左右されやすい。オンオフあり
うん。オフをポチっとね。
愛人部屋については、今日は他の天幕はとても騎士以外の人が泊まれる環境ではないらしい。正直、寝れるなら愛人部屋でも大丈夫だと伝えた。レズリーは笑っていたが、ロワーズは苦虫を噛み潰した顔をしていた。私は本当に気にしてない。寒さをしのげる場所があるだけでありがたいのだから。でも結局、渡り廊下部分を取り払うことで落ち着き、北の砦に行くまでの二週間は愛人部屋で過ごすことになった。
頭の中で流れた和太鼓音とアナウンスは、ゲーム的なステータスなのかもしれない。二人は何も言ってなかったので、そのことについては黙っていた。固有スキルとユニークスキルが解放されたって……一体何が解放されたのだろう。
「アンさん、シオンの面倒を見ていただきありがとうございます」
「お坊ちゃま、よく眠られております」
シオンの寝顔はとても可愛かった。アンは、シオンはとても良い子にしていたと言った。身近に子供がいなかったので、接し方が今ひとつ分からない。今夜だけでも、アンがいてよかった。アンは十七歳ぐらいだろうか? そう考えてるとヴォンと音がして、頭の中にアンの情報が流れてきた。
アン
年齢:十六
種族:人族
職業: ウエストリア王国黒騎士団メイド
魔力2 体力3
スキル:掃除、子守、農業、料理、 酪農、短剣
魔法属性: 水
魔法:生活魔法、水魔法
これ、アンのステータスだ。流行りの小説はいくつか読んだことあった。これは鑑定だ。ここは、本当ファンタジーな世界なんだ。アンは十六歳なのね、若い。
アンが天幕を去るのを見送り、自分に向かって小さく【鑑定】と呟いた。
エマ・シラカワ
年齢:十九
種族:人族(異世界人)
職業:なし
魔力8 体力8
スキル:言語翻訳、タックル、俊足、ステップ、キック、ピアノ、水泳、栽培、料理、精神耐性(強)
魔法属性:全
魔法:なし
固有スキル: 商人交渉2 、コピー2
ユニークスキル: 妄想魔法、鑑定
称号:異世界の迷い人
何、このステータス……。年齢も十九になっている。半分くらいの年齢になったことに違和感しかない。それになんか、スキルが脳筋っぽいんだけど。タックルとかって海外学生時代に、ラグビーをしてたからかな? ピアノとか水泳は子供の時の習い事だ。精神耐性は子供の頃のイジメだろうか?
交渉とコピーは仕事関係? ん? でも、コピーとかここ十年してなかったと思うけど……。
「あぁ、もしかしてあれか」
学生時代にしたインターンの時のこと? あれは毎日、ほぼ壊れている家庭用のコピー機としか思えない代物で延々とコピー業務をさせられた記憶がある。インターンの最終日に新しいコピー機を買ったから、コピー機を捨ててこいとか言われ、押し付けられたことがあったね。もう一人のインターンと会社の裏でコピー機をボコボコにして袋に詰めてインターンの会社前に放置したのが懐かしい。もう一人のインターンの名前はなんだっけかな? ボブ?
閑話休題
私のスキルのほとんどは地球で十九歳までに習得した技能のようだ。魔力とか魔法はしらん。職業はなしの無職。まぁ、それは事実だからなんとも言えない。
魔法属性は全って全属性だよね。それは、とても嬉しい。今はまだ使える魔法はなしだけど……楽しみだ。早く、魔法少女やりたい。
あと気になるのが、このユニークスキルの妄想魔法。いや、妄想魔法って何よ。妄想魔法に集中すると、更に詳しい説明が現れた。
妄想魔法――妄想時に発動する魔法。実態はない。術者の感情で左右されやすい。オンオフあり
うん。オフをポチっとね。
190
お気に入りに追加
1,210
あなたにおすすめの小説
神によって転移すると思ったら異世界人に召喚されたので好きに生きます。
SaToo
ファンタジー
仕事帰りの満員電車に揺られていたサト。気がつくと一面が真っ白な空間に。そこで神に異世界に行く話を聞く。異世界に行く準備をしている最中突然体が光だした。そしてサトは異世界へと召喚された。神ではなく、異世界人によって。しかも召喚されたのは2人。面食いの国王はとっととサトを城から追い出した。いや、自ら望んで出て行った。そうして神から授かったチート能力を存分に発揮し、異世界では自分の好きなように暮らしていく。
サトの一言「異世界のイケメン比率高っ。」
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
スキル調味料は意外と使える
トロ猫
ファンタジー
2024.7.22頃 二巻出荷予定
2023.11.22 一巻刊行
八代律(やしろ りつ)は、普通の会社員。
ある日、女子大生と乗ったマンションのエレベーター事故で死んでしまう。
気がついたら、真っ白な空間。目の前には古い不親切なタッチパネル。
どうやら俺は転生するようだ。
第二の人生、剣聖でチートライフ予定が、タッチパネル不具合で剣聖ではなく隣の『調味料』を選んでしまう。
おい、嘘だろ! 選び直させてくれ!
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる