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11話最終話「聖女パーーーーンチ!!」ざまぁ
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「もう、ウルリックったら!
皆の前でバラさないでよ!
婚期が遠のくわ」
「いいじゃない、メイがお嫁にいけなかったら僕がもらってあげるよ」
ウルリックの言葉に、私の心臓がドキドキと音を立てる。
彼氏いない歴=年の数の私には、狼からの告白でも心臓に悪い。
ちなみにウルリックを仲間にしたのは、東の森でボッチ生活しているときだ。
当時の私は他のモンスターと違い、愛くるしい見た目をしていた青い狼に一目惚れした。
日本にいたとき大きな犬を飼うのが夢だったし、犬も狼も似たようなものだしね。
ウルリックは怪我をしていたので治療してあげたら、仲間にしてほしそうな目でこっちを見てきたので、名前を付けて友達にした。
「ズルいですよ、ウルリック。
私もメイさんを狙っていたのに」
神様は隣国の砂漠に倒れていた。リンゴを食べさせたら復活した。
彼は異世界に転移した私を探していて迷子になったらしい。神様なのに方向音痴って……。
「ちょっと! 早く助けなさいよ!」
「そうだぞ! グズ! のろま!」
ギロチンにかけられている女子大生と王子が喚いている。
「やっぱり助けるのやめようかな……」
私がボソリと呟くと、女子大生と王子が真っ青な顔で泣きながら謝ってきた。
「すみませんでした! いまのは冗談です! 助けてください! 故郷で男遊びしていたことをバラされたくなくて冤罪をかけて城から追い出しました! 本当にすみませんでした!」
「ごめんなさい! ごめんなさい! もう言わないので許してください!
俺もエレンの言葉を鵜呑みにしてあなたを追放し部下に殺すように命じたことを反省してます!
すみませんでした!!
二度とあんな愚かなことはしないので許してください!」
エレンと王子が涙と鼻水を垂らしながら謝ってきた。
「あなた達が謝るのは私じゃないですよ。ここにいる民です」
私がキッと睨むと王子たちは真っ青な顔で、民への謝罪を口にした。
「偽者なのに本物の聖女のフリをしてすみませんでした!
王子のお金で贅沢しました。すみません!
心を入れ替えて生きるので許してください!」
「俺の政策はすべて間違っていた!
国民に多大な迷惑をかけた!
本当にすまなかったと思っている! 心から謝罪するので許してほしい!」
「オレたちも王子様の腰ぎんちゃくをしながら甘い汁を吸ってました!
ごめんなさい! ごめんなさい!
もうしないので許して下さい!!」
エレンと王子と白ローブの連中が国民へ謝罪した。
ちゃんと謝ったので、生涯幽閉で勘弁してやろうと思う。
「広場に集まった皆さ~~ん!
私は本物の聖女のメイです!
証拠は空を飛べる生き物に乗り、神様と一緒にいることで~~す!」
広場に集まった民がざわついた。
「私が北の森の瘴気を浄化し、南の穀物地帯の水脈を復活させるので、こいつらの処分を生涯幽閉で許してもらえませんか~~?
ちなみに東の森のモンスターは私がすでに退治しました~~!」
民は始め動揺していたが、やがて私を聖女と認める「聖女様」コールが起きた。
空を飛ぶ狼に跨り、宙に浮く神々しいオーラを放つ美青年と一緒にいる女を、聖女と認定しないわけにはいかなかったのだろう。
「みんな私が本物の聖女だと認めてくれてありがとう!
この国の平穏を取り戻すまで頑張るね!」
広場に集まった民衆から歓声が上がる。
「じゃあまずは処刑台から破壊しようか!
聖女パーーーーンチ!!」
私は聖なる気を拳に込め、ウルリックの背から降り、処刑台に向かって急降下した。
――終わり――
※「攻撃力「9999」の聖女パンチを食らったら、王子も偽称聖女も死んでるんじゃ?」と思ったそこの読者様。
古のギャグ漫画的なノリで「ゲホッ……し、死ぬかと……思った」って感じに全員瓦礫の下から這い上がって来るので大丈夫です。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
最後まで読んでくださりありがとうございます。
少しでも「楽しい」「続きが気になる」と思っていただけましたら、いいねとブックマークで応援いただけると大変励みになります。
どうぞよろしくお願いします!
【書籍化のお知らせ】
この度、下記作品が書籍化されることになりました。
「彼女を愛することはない 王太子に婚約破棄された私の嫁ぎ先は呪われた王兄殿下が暮らす北の森でした」
著者 / まほりろ
イラスト / 晴
販売元 / レジーナブックス
発売日 / 2025年01月31日
販売形態 / 電子書籍、紙の書籍両方
(紙の書籍が全国の書店に行き渡るのは2月4日頃になると思います)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/749914798/681592804
こちらもよろしくお願いします。
皆の前でバラさないでよ!
婚期が遠のくわ」
「いいじゃない、メイがお嫁にいけなかったら僕がもらってあげるよ」
ウルリックの言葉に、私の心臓がドキドキと音を立てる。
彼氏いない歴=年の数の私には、狼からの告白でも心臓に悪い。
ちなみにウルリックを仲間にしたのは、東の森でボッチ生活しているときだ。
当時の私は他のモンスターと違い、愛くるしい見た目をしていた青い狼に一目惚れした。
日本にいたとき大きな犬を飼うのが夢だったし、犬も狼も似たようなものだしね。
ウルリックは怪我をしていたので治療してあげたら、仲間にしてほしそうな目でこっちを見てきたので、名前を付けて友達にした。
「ズルいですよ、ウルリック。
私もメイさんを狙っていたのに」
神様は隣国の砂漠に倒れていた。リンゴを食べさせたら復活した。
彼は異世界に転移した私を探していて迷子になったらしい。神様なのに方向音痴って……。
「ちょっと! 早く助けなさいよ!」
「そうだぞ! グズ! のろま!」
ギロチンにかけられている女子大生と王子が喚いている。
「やっぱり助けるのやめようかな……」
私がボソリと呟くと、女子大生と王子が真っ青な顔で泣きながら謝ってきた。
「すみませんでした! いまのは冗談です! 助けてください! 故郷で男遊びしていたことをバラされたくなくて冤罪をかけて城から追い出しました! 本当にすみませんでした!」
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俺もエレンの言葉を鵜呑みにしてあなたを追放し部下に殺すように命じたことを反省してます!
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「あなた達が謝るのは私じゃないですよ。ここにいる民です」
私がキッと睨むと王子たちは真っ青な顔で、民への謝罪を口にした。
「偽者なのに本物の聖女のフリをしてすみませんでした!
王子のお金で贅沢しました。すみません!
心を入れ替えて生きるので許してください!」
「俺の政策はすべて間違っていた!
国民に多大な迷惑をかけた!
本当にすまなかったと思っている! 心から謝罪するので許してほしい!」
「オレたちも王子様の腰ぎんちゃくをしながら甘い汁を吸ってました!
ごめんなさい! ごめんなさい!
もうしないので許して下さい!!」
エレンと王子と白ローブの連中が国民へ謝罪した。
ちゃんと謝ったので、生涯幽閉で勘弁してやろうと思う。
「広場に集まった皆さ~~ん!
私は本物の聖女のメイです!
証拠は空を飛べる生き物に乗り、神様と一緒にいることで~~す!」
広場に集まった民がざわついた。
「私が北の森の瘴気を浄化し、南の穀物地帯の水脈を復活させるので、こいつらの処分を生涯幽閉で許してもらえませんか~~?
ちなみに東の森のモンスターは私がすでに退治しました~~!」
民は始め動揺していたが、やがて私を聖女と認める「聖女様」コールが起きた。
空を飛ぶ狼に跨り、宙に浮く神々しいオーラを放つ美青年と一緒にいる女を、聖女と認定しないわけにはいかなかったのだろう。
「みんな私が本物の聖女だと認めてくれてありがとう!
この国の平穏を取り戻すまで頑張るね!」
広場に集まった民衆から歓声が上がる。
「じゃあまずは処刑台から破壊しようか!
聖女パーーーーンチ!!」
私は聖なる気を拳に込め、ウルリックの背から降り、処刑台に向かって急降下した。
――終わり――
※「攻撃力「9999」の聖女パンチを食らったら、王子も偽称聖女も死んでるんじゃ?」と思ったそこの読者様。
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イラスト / 晴
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販売形態 / 電子書籍、紙の書籍両方
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