【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜

まほりろ

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十九話「絵本の読み聞かせは危険がいっぱい」①

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「泣いているシンデレラを……ぁっ! お友達のネズミ達が慰めます。そこに……ふぁっ……妖精が現れました。妖精はかぼちゃを馬車に変え、あっ……やっ……ネズミを馬に、トカゲを御者の姿に変えました…………んっ!」

フリード様の手が私のお腹や太ももに服越しに触れてくる。

そのたびにエッチな声が漏れてしまう。

「フリード様……」

「続きを聞かせて、読み終わるまでは帰らないよ」

ううっ、なんとか早く読み終えて、この状況から開放されないと。エッチな気分になって眠れなくなってしまう。

「妖精のおばあさんは……んっ、ぁっ……シンデレラのボロボロの……ひぅっ……服を素敵なドレスに変えてくれました。はぁ……ん……やっ、そしてガラスの靴を貸してくれました……ひゃっ!」

フリード様の手が私の胸の膨らみに触れる。漫画ではDカップのナイスバディだったディアーナもまだ十三歳。AカップとBカップの中間ぐらいしかない。

「……あっ、らめっ……妖精のおばあさんが忠告します。『十二時の鐘がなる前に帰って来るのですよ、出ないと魔法が解けてしまうからね』と……んっ、もう……ああっ!」

フリード様の手がネグリジェの裾をめくり上げ、ディアーナの白く細い足が顕になる。

フリード様は私の太ももを撫で、下着に触れるか触れないかの位置で手を止め離れていく。

「お兄様、お戯れが過ぎますわ」

「戯れじゃないよ」

太ももに触れていたフリード様の手が、私の頬に触れる。

フリード様の顔が近づいてくる、シャンプーのほのかに甘い匂いが鼻をくすぐる。

推しの顔が視界を占領し、余りの眩しさに瞳を閉じると、唇に柔らかいものが触れた。

これは……フリード様の唇……!?

義理とはいえ兄と妹で口づけなんて……!

離れようとしたけどフリード様に頭の後ろをガッチリ固定され、反対の手は腰に回され身動きが取れない。

フリード様に唇を舐められ、驚いて口を開けてしまう。

フリード様の舌が侵入してきて、歯列をなぞられ舌を絡め取られる。

「……んっ」

フリード様の手がネグリジェの上から胸に触れ、声が漏れてしまう。

フリード様は器用に片手でネグリジェのボタンを外していく。

ブラジャーに包まれた胸が外気にさらされ、フリード様の長い指がブラジャー越しに胸に触れる。

ぴくん……と体が震える。

フリード様がブラジャーの中に指を滑り込ませ、膨らみかけの胸に直に揉みしだく。

唇を離され、また角度を変え深く口づけされる。

「……ん、……らっ……めっ!」

フリード様の肩を押すと、フリード様の唇が離れていく。

「ごめん、早急過ぎたかな? もっとキスで慣らしてからにするべきだったね」

「そ、そうではなくて……なぜこんなことを……!」

義理とはいえ兄妹でこんな……! 婚約者でも恋人同士でもないのに……!

「なんでって僕たちは婚約者だろ」

「ふえっ……?」

フリード様が私の婚約者?? 義理の兄ではなくて??

「僕はもともとディアーナと結婚するために、フォークト公爵家の養子になったんだよ」

そ、そうだったの?

でもそれなら辻褄が合う。ディアーナがコーエン王子と婚約する前にフリード様がフォークト公爵家の養子になったのはそういう理由だったのね。

「でも三年前のある事件がきっかけで僕はディアーナに嫌われてしまってね。婚約の話は保留になったんだよ」

三年前の事件? そういえば昼間フリード様がそんなことをおっしゃっていたわね。

「でも昼間、ディアーナから三年前のことは許すって言ってもらえたし、お父様とお母様からもディアーナが僕との婚約に承諾してくれたと言われたんだけど」

「お父様とお母様が?」

婚約者の話をしたとき、お父様とお母様が喜んでいたのはそういう意味だったの。

お父様とお母様は、私がフリード様との婚約を了承したと思って喜んでいたのね。


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