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十八話「ぼくとフリード公子の秘密の関係」***
しおりを挟む「あっ……、あっ…、ああ……ん、んっ…、フリード公子……!」
「愛しています殿下」
ぼくは今フリード公子にソファーに押し倒され、フリード公子の男根を股に挟んでいる。
ようするに素股だ。
フリード公子の男根がぼくのおちんちんをこするたび、エッチな声が漏れてしまう。
やばい気持ちいい。快楽に流されている。
ぼくはまだ射精できないから、何度か空イキさせらされた。
フリード公子との素股がくせになりそうだ。
フリード公子のペニスはぼくの想像していた以上に大きかった。
前世で読んだ同人誌のものより立派だった。もし前にいた世界に戻る事があったら、フリード公子のペニスの大きさを修正したい。まあそれは無理だろうけど。
勇者様ごめんなさい。勇者様がフリード公子を好きなのを知っていて、フリード公子とエッチしちゃいました。
フリード公子とぼくの関係を知った勇者様がヤンデレ化しませんように。
勇者様には他に好きな人を見つけてもらいたい。それが無理な時は、フリード公子と勇者様が両思いになれるように尽力します。
「あっ、はっ…! あん、やっ……いっ、ぁっ……! フリード公子……!」
「出しますよ殿下!」
フリード公子が達し、ぼくの腹にエッチな液をぶちまけ、ぼくも空イキした。
やばいフリード公子の精液が服にかかった、帰りの服どうしよう?
「殿下」
フリード公子がぼくの唇にキスし、舌をからめ取る。
「ん……ぁっ、やっ……ダメです。夕方までに帰れなくなります」
もう一度フリード公子が達するまで素股をしていたら、日暮れまでに帰れなくなる。
アリバイ工作に協力してくれた孤児院のみんなや、一緒に来てくれた勇者様とバルドリックに迷惑をかけてしまう。
「そうですか、残念ですが仕方ありませんね」
フリード公子の唇が離れていく。それを少し寂しく思うぼくがいた。
数時間前、勇者様と重なっていた唇でフリード公子と口づけを交わしている。ぼくってビッチだな。
フリード公子と勇者様はぼくの唇を通して間接キスをしているのか? それはそれでちょっと萌えるな。
「私のせいで服が汚れてしまいましたね」
「いえ、お気遣いなく」
とは言ったものの、できるなら精液で汚れた服で帰りたくない。
フリード公子が濡れたタオルでぼくの体を拭いてくれる。ありがたいが、手つきがいやらしく感じるのは気のせいだろうか?
「ご心配にはおよびません。殿下に乱れた衣服で外を歩かせるなど、そのようなはずかしめを受けさせる訳には参りません」
フリード公子が替えの服を持ってきてくれた。
フリード公子がぼくの上着とシャツを脱がせ、新しい服を着せてくれる。
服はぼくの体にぴったりとフィットした。
「よくお似合いです」
フリード公子がにこりと笑う。
「フリード公子の子供の頃の服ですか?」
「まさか私のお古を殿下にお召しいただくなど恐れ多い」
「えっと……じゃあこの服は?」
「いつ殿下がおいでになっても困らないように、用意しておりました」
三年会ってなかったのに、よくぼくの服のサイズが分かったな。
もしかして王宮に間者を放ってるのかな? ぼくの服のサイズを正確に調べるとは、なかなかできる間者だな。
「フリード公子、公子は王宮の事をどれだけ知っておられるのですか?」
「殿下がお知りになりたいことなら全て」
「全てと言いますと?」
「例えば、殿下は殿下の誕生祝いの席から人が変わられたこと。その日以来曾祖父アルドリック国王のように孤児院を神聖視するようになったこと。孤児院に足しげく通い孤児院の子達の自立させる名目で子供たちを鍛えていること。ブルノン公子の断罪をしたいがうまくいっていないこと」
「よく知っていますね」
「三年、モーントズィッヒェル公爵領で無意味に時を過ごしていた訳ではありませんので」
「官僚の不正やブルノン公子の暴挙についてのは」
「もちろん調べはついております」
驚いたそこまで王宮の事を調べ上げていたのか。
「殿下はどうなさりたいのですか?」
「ブルノンの断罪、ブルノンに繫がりのある官僚のあぶり出し、そして……フォルモーント王国に巣くう獅子身中の虫の一掃! そのあと国の経済の立て直しに協力していただきたい!」
「そのために私に何をしろと?」
「一緒に王都に来てください、あなたの力が必要なのです!」
「それは構いませんが、一つ条件があります」
「条件?」
フリード公子がひざまずきぼくの手を取り、手の甲にキスをした。
「私に王宮に住まう許可をいただきたい。殿下のお側にいたいのです」
それは別に構わない。官僚の不正を暴き、国を立て直すのには何カ月、もしかしたら何年もかかる。
その間毎日モーントズィッヒェル公爵領から通うんじゃフリード公子も大変だろうし、移動中に公子が敵や賊に襲われたら大変だ。
王宮に住まわせろって事は、一日一回は素股させろって事かな? それも別に構わない。フリード公子との素股気持ちよかったし、ぼくの身一つで国が救われるなら安いものだ。
「分かりました。フリード公子が王宮で暮らすことを許可します」
「ありがとうございます、殿下」
フリード公子がぼくを抱き寄せ、唇にキスをした。
「ぼくからも一つ条件があります」
「なんでしょうか?」
「ぼくとフリード公子の関係を他の人には内緒にしてください」
ぼくとフリード公子が愛人関係にあると知ったら、純粋な勇者様が卒倒してしまう。
「私と殿下が愛人の関係にあることを内密にしろと」
「はい」
フリード公子の怜悧な瞳が冷たく光る。
「それはあのリヒトという孤児院の少年のためですか?」
「それは……」
そうだとは言えない。今はまだ身分違いの秘めた恋なのだ。
勇者様が魔王を討伐し勇者様が爵位を手にするまで、勇者様がフリード公子を好きなことは明かせない。
「いえ答えなくて結構、少し意地悪な質問をしました」
フリード公子がぼくを抱きしめていた手をゆるめる。
「いいでしょう。殿下がそれを望まれるなら私はそれを受け入れます」
フリード公子がにこりと笑う。
この時フリード公子の目が笑っていないことに、ぼくは気付かなかった。
「ありがとうございます、フリード公子」
ぼくはフリード公子を仲間にした。報酬はぼくの体。悪役王らしくなかなか卑猥な方法だ。
国と民を救えるなら、ぼくの体ぐらい安いものだ。
◇◇◇◇◇
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