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六十五話「帰り道」
しおりを挟む魔王を倒したボクたちは、囚われていたワルフリート兄上とティオ兄上を救出。
回復ポイントに待たせておいた、白馬と黒馬と合流した。
ボクとヴォルフリック兄上が白い馬に、ワルフリート兄上とティオ兄上が黒い馬に二人で乗った。
ボクが馬の前に乗り、ヴォルフリック兄上が後ろに乗る。
黒い馬にはワルフリート兄上が前に乗り、ティオ兄上が後ろに乗った。
馬は前の方が揺れが少ないので、馬に慣れてない方が前に乗る。
ボクは馬に慣れてるけど、ヴォルフリック兄上の気づかいが嬉しい。兄上に後ろからぎゅっと抱きしめられるのも心地良い。
ヴォルフリック兄上と体を密着させていると、情事を思い出してしまう。
後ろから抱きしめられヴォルフリック兄上の吐息が時折耳にかかる。馬の背が揺れるたびに兄上のものが背中に当たる。兄上との背面座位を思い出し、顔に熱が集まる。さすがに今は兄上の物は立ってはいないけど。
回復ポイントで体を繋げて以来、兄上とセックスしてない。お城に帰ったらヴォルフリック兄上といっぱいエッチしたいな。
ヴォルフリックに背面座位で奥を突いてほしい……って、ワルフリート兄上とティオ兄上がすぐ近くにいるのに、何を考えているんだボクは!
いやらしい事を想像して顔がゆるんでなかったかだろうか? チラリと隣を歩く黒い馬を見る。
ワルフリート兄上が獲物を狩るような目でボクを見ていた。背筋がブルリと震える。ワルフリート兄上に上から下までなめるように見られて、気持ちが悪くなる。
ヴォルフリック兄上にギロリと睨まれ、ワルフリート兄上が青い顔で視線を逸らした。
ティオ兄上が「やれやれ」とつぶやき、首を横に振る。
ワルフリートと兄上をティオ兄上を檻(おり)から出すとき、ヴォルフリック兄上に「ワルフリートとティオには近づくな! 特にワルフリートには気をつけろ! 絶対に二人きりになるな!」と注意された事を思い出す。
ボクも今のワルフリート兄上には近づきたくない。
◇◇◇◇◇
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