【完結】「財産目当てに子爵令嬢と白い結婚をした侯爵、散々虐めていた相手が子爵令嬢に化けた魔女だと分かり破滅する〜」

まほりろ

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6話「ドレスにかけた呪い」

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荷解きをし、クローゼットの中にドレスやアクセサリーをしまっていく。

「小説だとドレスやアクセサリーは盗まれるか壊されるのよね」

【白い結婚物】の小説にはヒロインの盗んだドレスを自分のものだと言って着る図々しい悪役も登場したが、この家の者はどう出るだろうか?

「あいつらならやりかねないわね」

悪口を小説から丸パクリするような奴だ、嫌がらせ方法を小説から模倣する可能性は高い。

万が一に備え、私はクローゼットのドレスとアクセサリーに呪いをかけた。

ドレスとアクセサリーを盗んだら、盗んだ者の手が漆に被れたように真っ赤になるように。

盗んだドレスを着た者は、ウエストが締め付けられ息が出来なくなるように。

ドレスを切り刻んだ者は、心臓がナイフでえぐられるように痛むように。

アクセサリーを壊した者は、目が一時的に見えなくなるように。

盗んだアクセサリーを身につけた者は、頭が金槌で殴られたようにガンガンと痛むように。

この呪いは発動するまでに一時間から場合によっては数日かかる。

「ちょっとぬる過ぎたかしら?」

本来魔女の呪いはこんなものではない。魔女に喧嘩を売ったら目玉を抉られ、手足を失い、心臓を食われる事を覚悟しなくてはいけない。

だが私がやり過ぎたことを知ったら、エミリーはきっと悲しむ。なので今回はこの程度の呪いで許してやろう。

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