88 / 122
八十八話「彼は主役だから、気になってね」②
しおりを挟む
ーーレーゲンケーニクライヒ国、筆頭公爵ヴュルデ・アインス視点ーー
「そういえばもうすぐ復活祭ですね」
月を眺めていた青年が口を開く。
水竜メルクーアは十年起きて九十年眠る不規則な生活をしている。
水竜メルクーアがこの地に現れたのが四月一日、九十年の眠りから目覚めるのも四月一日。
水竜メルクーアが眠っている間も毎年四月一日に復活祭を行う。にぎやかで華やかな楽しいだけの祭り。
水竜メルクーアが目覚めるのは二年後の四月一日。それから十年間の復活祭は華やかなだけの祭りではなくなる。
「ボワアンピール帝国の祭りは、新月の夜に行われるのですが、その日民は日が暮れても明かりを灯さず、王宮の月の神殿だけが明かりを灯し、そこに新月の女神を迎えるんですよ」
「それは厳かで神秘的なお祭りですね」
「厳かというより、静かすぎてね」
皇太子は物足りないとでも言いげな口ぶりだ。
「レーゲンケーニクライヒ国の復活祭はさぞ賑やかなのでしょう?」
レーゲンケーニクライヒ国の復活祭は地方から多くの民が王都に集まり、ランプの明かりで街を照らし、家々の軒先に花や竜の形の置物を飾り、たくさんの屋台を通りに並べ民の腹を満たす。
王宮からメルクーアが眠る神殿まで花びらの絨毯が敷かれ、その上を踊り子が舞う。神殿に色とりどりの花が供えられ、舞が奉納される。
メルクーアの眠っている間の祭りは賑やかで、平和だ。
「ええ、花や舞が人々の目を楽しませ、歌が耳を楽しませ、屋台が腹を満たします。とても華やかな祭りですよ」
水竜メルクーアが眠っている間の祭りは、楽しいだけの祭事。だが楽しみにも、安寧な生活にも、代償が付きものだ。
王家と筆頭公爵の一部のものだけが知る、レーゲンケーニクライヒ国の歴史と水竜メルクーアのおぞましい真実。
「そうでしょうね、ボワアンピール帝国からも多くの民が復活祭を見に行くくらいですから」
皇太子が花がほころぶように笑う。
「想像を絶する楽しさなのでしょうね。祭りを見に行ったまま帰らなくなる人が出るくらいだから」
穏やかにほほ笑む皇太子の姿はそこにはなかった。皇太子は目を細めこちらを見据えている。まだ二十歳を過ぎた青年の眼力に、恐怖を感じた。
「九十年ほど前の復活祭では、村人全員で祭りを見に行き誰一人帰ってこず、地図から名前の消えた村もある」
背筋を冷たい汗が伝う。
バルコニーに人気はない、バルコニーにやってくるものや、バルコニーの様子を伺っているものもいない。
格下のものは格上の者に話しかけられるまで口を開いてはならない。隣国の皇太子と自国の公爵の話に割り込む者はパーティーの主催者である国王夫妻ぐらいだ。パーティーの主催者は誰に話しかけてもよいことになっている。
その国王夫妻は来客へのあいさつ回りで忙しい、バルコニーに来ることはないだろう。
今の話を誰かに聞かれた様子はない、しかしそれでも油断は出来ぬ。
この男はどこまで知っている? 全て知っているのか? それともかまをかけてきただけなのか?
「そう怖い顔をしないで、心配しなくてもこの空間には誰も入って来ませんよ」
皇太子が口角を上げる。認識阻害の魔法か? それとも結界をはっているのか?
「まあ、そんなところです」
こちらの考えを読んでいるように話す青年は、自分より遥かに若いのに、妙に落ち着いて見えた。
「アインス公爵も九十年も前のことを言われても困りますよね、こちらとしても過去のことをあれこれと蒸し返す気はないのですよ。でもね、未来に起こることについては別です」
目の前にいるのは、数分前までほほ笑みをたたえていた優男ではない。皇族のオーラを全身から放ち、藤色の瞳は皇族の威厳に満ちている。
「僕はこれ以上、自国の民を王国の神の犠牲にする気はない」
皇太子の目には獲物を狩るときの鷹のような鋭さがあった。
「それをなぜ私に話すのですか?」
私はいち公爵にすぎない、水竜メルクーアとその生贄について何の権限も持たない。皇太子はなぜ私にこの話をするのか?
しかし、王族は自国の民だけにとどまらず隣国ボワアンピールの民まで生贄にしていたとはな。そのことを我が家に隠していた。
「さあどうしてでしょう? あなたも水竜メルクーアと、メルクーアの食事について思うところがあるように見えたからかな」
皇太子がニコリと笑う。掴みどころのない感情の読めない笑顔に背筋がゾクリとする。
「それと、ご子息のことかな」
息子、ザフィーアのことか。
ザフィーアは王太子の婚約者、王太子はいずれ王になる。生贄と神子の事は国王に全権が委ねられている。
ザフィーアが王妃になれば父親である私も、生贄の件に口出しができると思っているのか? それとも他に何か意図があるのか?
「清楚で可憐という言葉が似合う花のように愛らしい子ですね、それとも凛とした雰囲気をまとう人形のような少年と言った方がいいかな」
皇太子がパーティー会場に目を向ける。
ザフィーアは壁際に佇んでいた。
王太子の婚約者で筆頭公爵の息子を悪さをしようとするバカはいないだろうが、油断はできない。そもそもその婚約者の王太子が一番信用できない。
パーティーの華やかな雰囲気にザフィーアを酔わせ、勢いで事を起こそうとするやもしれん。
私がザフィーアの側を離れていても大丈夫なように、ザフィーアには内緒で護衛をつけている。
護衛を任せた兵士の一人は、平民の出ではあるが剣の腕が立つ。何よりザフィーアを崇拝している。
しかし王太子のエルガー様は、婚約者を一人にして何をしてる?
会場の中央に目を向けれると、エルガー様は見目の良い女達をはべらせ、笑い声をあげていた。なんとも品のない男だ。
「彼は主役だから、気になってね」
主役? エルガー様がパーティーの主役と言いたいのか?
確かに国王主催のパーティーで王太子のエルガー様は、パーティーの主役と言えなくもない。
もっとも半刻ほど前まで会場でひと目を集めていたのは隣国の皇太子である、目の前にいるこの男なのだが。
「そろそろ魔法の効果が消えるので僕はこれで失礼するよ。アインス公爵、歴史について話したくなったらいつでも手紙をください。両国の歴史について語らいましょう」
そう言って皇太子はバルコニーを後にし、パーティー会場の人混みの中に消えていった。
歴史について語るか……水竜メルクーアと生贄制度について思うことがあれば話を聞くといったところか。
信用は出来ぬが、隣国の皇太子とつながりを作っておくのも悪くはない。
二年後、皇太子に息子の行方を捜索してもらうことになるとは、このときは夢にも思わなかった。
「そういえばもうすぐ復活祭ですね」
月を眺めていた青年が口を開く。
水竜メルクーアは十年起きて九十年眠る不規則な生活をしている。
水竜メルクーアがこの地に現れたのが四月一日、九十年の眠りから目覚めるのも四月一日。
水竜メルクーアが眠っている間も毎年四月一日に復活祭を行う。にぎやかで華やかな楽しいだけの祭り。
水竜メルクーアが目覚めるのは二年後の四月一日。それから十年間の復活祭は華やかなだけの祭りではなくなる。
「ボワアンピール帝国の祭りは、新月の夜に行われるのですが、その日民は日が暮れても明かりを灯さず、王宮の月の神殿だけが明かりを灯し、そこに新月の女神を迎えるんですよ」
「それは厳かで神秘的なお祭りですね」
「厳かというより、静かすぎてね」
皇太子は物足りないとでも言いげな口ぶりだ。
「レーゲンケーニクライヒ国の復活祭はさぞ賑やかなのでしょう?」
レーゲンケーニクライヒ国の復活祭は地方から多くの民が王都に集まり、ランプの明かりで街を照らし、家々の軒先に花や竜の形の置物を飾り、たくさんの屋台を通りに並べ民の腹を満たす。
王宮からメルクーアが眠る神殿まで花びらの絨毯が敷かれ、その上を踊り子が舞う。神殿に色とりどりの花が供えられ、舞が奉納される。
メルクーアの眠っている間の祭りは賑やかで、平和だ。
「ええ、花や舞が人々の目を楽しませ、歌が耳を楽しませ、屋台が腹を満たします。とても華やかな祭りですよ」
水竜メルクーアが眠っている間の祭りは、楽しいだけの祭事。だが楽しみにも、安寧な生活にも、代償が付きものだ。
王家と筆頭公爵の一部のものだけが知る、レーゲンケーニクライヒ国の歴史と水竜メルクーアのおぞましい真実。
「そうでしょうね、ボワアンピール帝国からも多くの民が復活祭を見に行くくらいですから」
皇太子が花がほころぶように笑う。
「想像を絶する楽しさなのでしょうね。祭りを見に行ったまま帰らなくなる人が出るくらいだから」
穏やかにほほ笑む皇太子の姿はそこにはなかった。皇太子は目を細めこちらを見据えている。まだ二十歳を過ぎた青年の眼力に、恐怖を感じた。
「九十年ほど前の復活祭では、村人全員で祭りを見に行き誰一人帰ってこず、地図から名前の消えた村もある」
背筋を冷たい汗が伝う。
バルコニーに人気はない、バルコニーにやってくるものや、バルコニーの様子を伺っているものもいない。
格下のものは格上の者に話しかけられるまで口を開いてはならない。隣国の皇太子と自国の公爵の話に割り込む者はパーティーの主催者である国王夫妻ぐらいだ。パーティーの主催者は誰に話しかけてもよいことになっている。
その国王夫妻は来客へのあいさつ回りで忙しい、バルコニーに来ることはないだろう。
今の話を誰かに聞かれた様子はない、しかしそれでも油断は出来ぬ。
この男はどこまで知っている? 全て知っているのか? それともかまをかけてきただけなのか?
「そう怖い顔をしないで、心配しなくてもこの空間には誰も入って来ませんよ」
皇太子が口角を上げる。認識阻害の魔法か? それとも結界をはっているのか?
「まあ、そんなところです」
こちらの考えを読んでいるように話す青年は、自分より遥かに若いのに、妙に落ち着いて見えた。
「アインス公爵も九十年も前のことを言われても困りますよね、こちらとしても過去のことをあれこれと蒸し返す気はないのですよ。でもね、未来に起こることについては別です」
目の前にいるのは、数分前までほほ笑みをたたえていた優男ではない。皇族のオーラを全身から放ち、藤色の瞳は皇族の威厳に満ちている。
「僕はこれ以上、自国の民を王国の神の犠牲にする気はない」
皇太子の目には獲物を狩るときの鷹のような鋭さがあった。
「それをなぜ私に話すのですか?」
私はいち公爵にすぎない、水竜メルクーアとその生贄について何の権限も持たない。皇太子はなぜ私にこの話をするのか?
しかし、王族は自国の民だけにとどまらず隣国ボワアンピールの民まで生贄にしていたとはな。そのことを我が家に隠していた。
「さあどうしてでしょう? あなたも水竜メルクーアと、メルクーアの食事について思うところがあるように見えたからかな」
皇太子がニコリと笑う。掴みどころのない感情の読めない笑顔に背筋がゾクリとする。
「それと、ご子息のことかな」
息子、ザフィーアのことか。
ザフィーアは王太子の婚約者、王太子はいずれ王になる。生贄と神子の事は国王に全権が委ねられている。
ザフィーアが王妃になれば父親である私も、生贄の件に口出しができると思っているのか? それとも他に何か意図があるのか?
「清楚で可憐という言葉が似合う花のように愛らしい子ですね、それとも凛とした雰囲気をまとう人形のような少年と言った方がいいかな」
皇太子がパーティー会場に目を向ける。
ザフィーアは壁際に佇んでいた。
王太子の婚約者で筆頭公爵の息子を悪さをしようとするバカはいないだろうが、油断はできない。そもそもその婚約者の王太子が一番信用できない。
パーティーの華やかな雰囲気にザフィーアを酔わせ、勢いで事を起こそうとするやもしれん。
私がザフィーアの側を離れていても大丈夫なように、ザフィーアには内緒で護衛をつけている。
護衛を任せた兵士の一人は、平民の出ではあるが剣の腕が立つ。何よりザフィーアを崇拝している。
しかし王太子のエルガー様は、婚約者を一人にして何をしてる?
会場の中央に目を向けれると、エルガー様は見目の良い女達をはべらせ、笑い声をあげていた。なんとも品のない男だ。
「彼は主役だから、気になってね」
主役? エルガー様がパーティーの主役と言いたいのか?
確かに国王主催のパーティーで王太子のエルガー様は、パーティーの主役と言えなくもない。
もっとも半刻ほど前まで会場でひと目を集めていたのは隣国の皇太子である、目の前にいるこの男なのだが。
「そろそろ魔法の効果が消えるので僕はこれで失礼するよ。アインス公爵、歴史について話したくなったらいつでも手紙をください。両国の歴史について語らいましょう」
そう言って皇太子はバルコニーを後にし、パーティー会場の人混みの中に消えていった。
歴史について語るか……水竜メルクーアと生贄制度について思うことがあれば話を聞くといったところか。
信用は出来ぬが、隣国の皇太子とつながりを作っておくのも悪くはない。
二年後、皇太子に息子の行方を捜索してもらうことになるとは、このときは夢にも思わなかった。
53
お気に入りに追加
3,923
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
【BLーR18】箱入り王子(プリンス)は俺サマ情報屋(実は上級貴族)に心奪われる
奏音 美都
BL
<あらすじ>
エレンザードの正統な王位継承者である王子、ジュリアンは、城の情報屋であるリアムと秘密の恋人関係にあった。城内でしか逢瀬できないジュリアンは、最近顔を見せないリアムを寂しく思っていた。
そんなある日、幼馴染であり、執事のエリックからリアムが治安の悪いザード地区の居酒屋で働いているらしいと聞き、いても立ってもいられず、夜中城を抜け出してリアムに会いに行くが……
俺様意地悪ちょいS情報屋攻め×可愛い健気流され王子受け
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる