上 下
57 / 122

五十七話「キメラとの戦い!②」

しおりを挟む
もう一匹いたのか!?

村人はそんな話をしてなかったから、村人がキメラを退治に行った後に住み着いたのか、それとも村人がキメラ退治に行ったときはたまたま留守にしていたか。

眠りシュラーフ!!」

取り敢えず一番弱そうな蛇の尻尾部分に【眠りシュラーフ】をかけた。蛇の尻尾がだらんと垂れる。よし! 尻尾に【眠りシュラーフ】が効いた!

キメラの獅子の頭が炎を吐く。

吹雪シュネーシュトゥルム!! 暴風シュトゥルムヴィント!!」

ノヴァさんが【吹雪シュネーシュトゥルム】でキメラの炎を打ち消し、【暴風シュトゥルムヴィント】でキメラを攻撃する。

キメラは翼を羽ばたかせ風を起こし、【暴風シュトゥルムヴィント】を打ち消した。

魔法攻撃を警戒したのかキメラが高度を上げる。

吹雪シュネーシュトゥルム】と【暴風シュトゥルムヴィント】は俺にも使えそうだ。

キメラの山羊の頭が氷の矢を放ち、続けて獅子の頭が炎を吐いた。

光の盾リヒト・シルト!」
 
ノヴァさんが【光の盾リヒト・シルト】でキメラの攻撃を防ぐ。

よしキメラがノヴァさんに気を取られている間に、俺も攻撃しよう!

「くらえキメラ! 暴風シュトゥルムヴィント!! 吹雪シュネーシュトゥルム!!」

俺はキメラに向かって杖を掲げる。呪文を唱えると水晶クリスタロの杖が光り、無数の風の刃が飛び出した。

風の刃がキメラを襲う! キメラは翼を羽ばたかせ【暴風シュトゥルムヴィント】の軌道を反らす。

しかし反らし切れなかった風の刃がキメラの羽を抉る。軌道をそれた【暴風シュトゥルムヴィント】が後方の山に当たり、山の山頂部分を吹き飛ばした。

続けて放った【吹雪シュネーシュトゥルム】が時間差でキメラを襲う!

獅子の頭が炎を吐いて応戦する! 俺の放った【吹雪シュネーシュトゥルム】は獅子の吐いた炎を押し返す! 

吹雪シュネーシュトゥルム】がキメラの体を覆い、キメラを氷漬けにした。

カチンコチンに凍ったキメラが、勢いよく落下してくる。

ノヴァさんが「光の盾リヒト・シルト!」を唱え衝撃に備える。

地面に激突したキメラは粉々に砕け散った。

ノヴァさんが呆然とキメラの残骸を眺めている。

俺も自分の放った魔法に困惑している。

これは水晶クリスタロの杖の力なのかな? なんせ金貨八千枚もする高価な武器だからな。

でももしこれが、ザフィーアの力だとしたら……。

「ザフィーア……お前バカだろ」

なんでこんな強力な魔法を使えるのに、命を狙ってきた兵士と戦わなかったんだよ。

呪文を封じられていたわけじゃないんだから、両手を縛られていても戦えただろ? 崖に身を投げて自ら命を断つ必要なんてなかったんだよ。

そんなにエルガー王子に裏切られたのがショックだったのか?

あんな性欲の塊のアホ王子のどこがいいんだ? 神子とセックスしたくて、生まれる前からの婚約者を捨てたんだぞ?

戦えるのに自ら死を選んだザフィーアの気持ちは俺には分からない。



◇◇◇◇◇
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?

寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。 ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。 ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。 その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。 そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。 それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。 女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。 BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。 このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう! 男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!? 溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います

たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか? そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。 ほのぼのまったり進行です。 他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。

きみをください

すずかけあおい
BL
定食屋の店員の啓真はある日、常連のイケメン会社員に「きみをください」と注文されます。 『優しく執着』で書いてみようと思って書いた話です。

処理中です...