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三十四話「既視感①」***

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「んっ、ふっ、んんッ、んんー! ん……ぅっ、んんン……!」

「シエル! シエル! 一緒にこうシエル!」

俺は口に手を当て必死に声を抑えている。ノヴァさんは大きな声で俺の名を呼んでいる、宿駅は壁が薄いので止めてほしい。

もしかして喘ぎ声を我慢しても意味がないかも? くちゅくちゅという水音や、ギシギシと揺れる古いベッド、パンパンと肌と肌のぶつかり合う音。

これが全部廊下や隣の部屋に聞こえているとしたら……? 恥ずかしさで死ねる!

「出すぞシエル!」

「んっ、ああっ……!」

声を抑えていたが白濁液を中に出され、つい声を上げてしまう。

ノヴァさんにエッチな液を中に出され、俺も達した。俺の子種汁がシーツを汚す。

ノヴァさんは前戯なし、キスなし、後背位、一回だけという条件を受け入れてくれた。

行為が終わったのでベッドにうつ伏せで横になる。ノヴァさんが俺の上に覆い被さってきた。

重いので横向きなると、ノヴァさんも横向きになり後ろから俺を抱きしめてくる。

ノヴァさんの男根は俺の中に入ったままだ、しかも結構硬い。

ノヴァさん手が胸の突起をなぞり、ペニスをやさしく掴む。

「ノヴァさん一回だけの約束ですよ!」

ノヴァさんの手をペチリとたたく。

「シエルから抜いていないからまだ一回目だ。達したままの状態で抜かなければ回数はカウントされないだろ?」

なんだその理屈は。

「困ります、抜いて下さい」

「もう少しだけ入れたままでいたい、だめか?」

ノヴァさんが首筋にチュッとキスし腰を揺らす、中に入ったままの肉棒が俺の感じるところを突いた。

「ぁっ、ぃゃっ……」

背筋がぴくんと震え、エッチな声が漏れてしまう。

やばい気持ちいい! 乳首を撫でられるのも、おちんちんを擦られるのも、中を突かれるのも、すごく心地いい。

ずっとこうしていたい、もう一回イキたい、でもだめだ……!

「ノヴァさんごめんなさい、眠りシュラーフ!」

眠りシュラーフの呪文を唱えるとノヴァさんはスースーと眠りについた。

ザフィーア眠りシュラーフ使えたんだ……」

S級冒険者のノヴァさんを眠らせるとか、結構な威力だよな。それとも情事の最中だから油断してた?

ノヴァさんの男根を引き抜くと、白濁した液がコポコポと溢れ足をつたいシーツを濡らした。なんとなく勿体ないと思ってしまう。

濡らしたタオルで、ノヴァさんの体と自分の体を清めて横になる。

ノヴァさんからできるだけ距離を取り、ベッドの隅で目を閉じる。ダブルベッドで良かった、シングルベッドだったら密着して寝るはめになった。

アナルがノヴァさんの肉棒をほしいとうずく。体が熱くて眠れそうにない。

いつからこんな淫らな体になってしまったのだろうか? 今まではじらい死草の効果だと思っていたけど、それだけではない気がする。

俺の体はノヴァさんによって確実に開発されている。

「一回じゃ、足りないよ……」

このままでは眠っているノヴァさんの性器を勃たせ、ノヴァさんにまたがって腰を振るはめになってしまう。そんなことをしたのがノヴァさんにバレたら、ドン引きされてしまう。

火照った体を鎮めるためにシャワーを浴びる、それでも熱が下がらないので、自分に眠りシュラーフの呪文をかけた。

自分でかけた魔法は指輪に弾かれないようで、俺は深い眠りに落ちた。
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