BL「幼なじみに婚約破棄された僕が、隣国の皇子に求婚されるまで」第9回BL小説大賞、奨励賞受賞作品

まほりろ

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九話「はじらい死草③」*

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四句節、昼間、口付け、愛撫……レーゲンケーニクライヒ国で禁止されている行為を一度に四つもしてしまった。

エルガー王子が神子にメロメロになった理由が分かった気がする。禁止されていることをするのって背徳感が半端ない。

「ノヴァしゃん、ありがと……♡」

ノヴァさんに精液を注いでもらったってことは、はじらい死草の解毒治療は完了だよな?

よかった、これで死なない!

「まだだ」

「ふぇっ?」

「一度では足りない」

ノヴァさんに腰を掴まれ、体を反転させられた。

四つん這いにされ、ノヴァさんに向かってお尻を突き出すような格好をさせられてしまう。

「はじらい死草の毒は厄介だ、後遺症が残らないようにもう一度中に出しておこう」

そうなのか? 確かにノヴァさんは一回とは言ってなかったな。

四句節、昼間、口付け、愛撫に加え、バック、一日に二度のセックス……というさらなる禁忌を犯してしまう。

はじらい死草がボワアンピール帝国にしか生えてなくてよかった。レーゲンケーニクライヒ国に生息してたら、既婚者以外ははじらい死してる。いや四句節の期間は四十日もあるから、四句節の期間にはじらい死草でケガをしたら、既婚者もはじらい死しているな。

「入れるぞ」

「あん♡」

はじらい死草の効果が残っているのか、ノヴァさんのが入ってきただけでイキそうになる♡

「あん、あん♡ はぁ、あっ、はぅん♡」

ノヴァさんが激しく中を突く。ぐちゅぐちゅという卑猥な水音と、パンパンという腰を打ち付ける音が森に響く。
 
気持ちいい♡ もっと激しく突いて欲しい♡

男に中を突かれて気持ちいいとか、どうかしている。はじらい死草の効果が抜けてないに違いない。絶対にそうだ!

「出すぞ……!」

「ふぁああっ♡ ノヴァしゃんの子種いっぱいちょうらい♡ しゅき~♡」

こんな事を言っているのは俺でない! これは全~部毒草のせいだ!


◇◇◇◇◇


俺はノヴァさんのマントに包まれている。

頭の中はまだほわほわしている、なんだか宙に浮いているみたいだ。

ああそうだ、ノヴァさんにお姫さま抱っこされてるんだった。

ノヴァさんはセックスのあと俺の体を拭いてくれて、服も着せてくれて、マントで体を包んでくれたんだ。

「すまない、無理をさせた」

ノヴァさんは治療してくれただけなのに、なぜか謝ってくれて、それから唇にキスを……。

口付けはしてないな、する必要がないもんな。頭がぼーっとしてるから、幻覚を見たんだろう。

俺の体を気遣ってくれて、お姫様抱っこで村まで運んでくれているところだ。

やさしい人だな、治療してくれた相手がノヴァさんでよかった。

美形だしかっこいいから、抱かれても嫌悪感があんまりなかったもんな。

いや治療行為とはいえ男に尻の穴を掘られたんだ、嫌悪感がないとかだめだろ。

はじらい死草の効果が抜けてないせいだ、うんきっとそうだ。

ノヴァさんの顔を見るとドキドキするのも、ノヴァさんの首に回した手が震えているのも、きっとはじらい死草の毒のせいだ。


◇◇◇◇◇
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