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19話「ご褒美をください!」*
しおりを挟む「あのねリュート、ぼくも頑張るから魔法を一つ覚えたら……ご褒美を頂戴」
「ご褒美? 雑草百足の汁……」
「それはご褒美じゃないよ! むしろ罰ゲーム!」
「なら何を上げればいい? 夜泣き烏の目玉、イボイボ蛙の舌?」
全部罰ゲームだよ、そんなのいらないよ~。
「黄金蝶の羽根ならどう?」
それはちょっとほしいかも、じゃなくて……!
「……チューしてほしい」
「チューって?」
「リュートにキスしてほしいの」
「キスってご褒美になるの?」
「なるよ! リュートにキスしてもらえたらすごくやる気が出る!」
「そう、じゃあご褒美はキスで」
「うん!」
わーい! 魔法を一つ覚えたらリュートにキスしてもらえる! 俄然やる気が出てきた! 頑張ろう!
◇◇◇◇◇
「火!」
火の呪文を唱えること、五千百二十一回!
ぼくの手からこぶしぐらいの大きさの火の玉が出た!
「やった! 出来たよ! リュート!」
「よかったね」
風を覚えたときは呪文を一万回以上唱えたけど、火は五千回ちょっとで覚えた! 確実に上達してる!
「ハルトは風系より、火系の魔法と相性がいいのかもね」
「そうなの?」
ぼくの魔法が上達してるんじゃなくて、魔法との相性の問題なの?
でもよかった、魔法を早く覚えればそれだけ早くご褒美をもらえる! ご褒美の力は偉大なのだ!
「リュート、あのね……ご褒美」
赤い顔でリュートを見つめる。
「ご褒美? 雑草百足の汁だったかな?」
「それじゃなくて……!」
雑草百足の汁は一生分飲んだから、もういいよ~~。
「わかってる、キスしてほしいんだよね?」
「……うん」
コクリとうなずく。今からリュートに口づけをされると思ったらドキドキしてきた。
リュートの顔が近づいて来たので瞳を閉じる。直後唇に柔らかいものが触れ、ぼくの心臓が跳ねた。リュートとの二回目のキス♡
リュート、好きっ、大好き♡
だけどいつまでも触れるだけのキスでそれ以上進まない。リュートの舌に口内を犯されたい。
前に接吻したときはどうしたんだっけ? 確かぼくがリュートの唇をなめたら、リュートの舌がぼくの口内に侵入してきたんだ。
おずおずとリュートの唇をなめると、リュートの舌がぼくの口内に侵入してきた。ほしかった刺激を得られ、体が震える。
リュート、もっと深くキスして……!
「ん、ん……んン!」
リュートの舌がぼくの歯列をなめ、舌を絡めとる。
くちゅくちゃと唾液がみだらな音を立て、耳をおかす。どちらのものとも分からない唾液を飲み込む。
「はぁ……リュート♡」
トロンとした目でリュートを見つめる。
「じゃあ次、炎十万回」
「ごふっ……!」
なんでこの雰囲気でそうなるかなぁ?
リュートのスパルタ!
もうちょっとキスの余韻に浸っていたかったのに……! というより今日は修行を休んで、ずっとリュートとキスしていたい!
エッチなことを考えていたら下半身がむずむずしてきた。
「あのね、リュートその前にちょっと席を外してもいいかな……?」
前傾姿勢で、足をこすりあわせる。
「トイレ?」
「違うよ……!」
生理現象ではあるんだけど。
「リュートとのキスで、その……」
乳首が立って、おちんちんが硬くなっちゃったなんて、言えないよ!
「どうしたの?」
「うっ、だからその……ニーしたい」
「なに?」
分かってて言わせようとしてる?
「リュートとのキスで感じたの、オナニーしたい!」
結局言わされてしまった。
「うん分かった、じゃあここでして」
「はいっっ??」
いま、ここでしてって言った?
「大丈夫、安心して見てるから」
いやいやいやいや! 見られていたら安心して自慰できないでしょ!
「ぼくはその、木の影とか茂みの中でしたいんだけど……」
「それはダメ」
「なんで?」
手淫をするときは、一人にさせて!
「ハルトはおれが目を離すと、他の男に襲われるから」
「それは……」
今まで男に襲われたのは、着替え中、入浴中、トイレなど、リュートから離れて一人になったときだった。
「ハルトが他の男に襲われるのを見るのは嫌なんだ」
「リュート!」
心臓がドクンと、音を立てる。ぼくはリュートに愛されてる。
そう考えた途端、おちんちんがさっきより大きく、硬くなった。
「この前みたいに、リュートに抜いてほしいな」
「それはご褒美に含まれてないよ」
「ウッ……!」
次のご褒美はキスをしながら、ぼくのおちんちんと乳首を同時にいじってもらうに変更しよう!
「炎を覚えたご褒美は、キスをしながらぼくの乳首とおちんちんをいじるでお願いします」
「いじるだけでいいの?」
「で、できればちゃんとイかせてほしい……です」
「いいよ、じゃあ炎を覚えるまでそのままでいれる?」
「それは……無理」
乳首もおちんちんも硬くなってるのに、いつ覚えるか分からない炎の修得を待てないよ!
「それなら、自分で自分のものを慰めるしかないよね、側で見てるから」
側で見ないでください、できれば遠くで見守ってください。いや遠くで後ろを向いててください。
できればぼくは『いや、ダメッ……待って!』とか言いながらもまんざらでもない状態で、好きな人に『ごめん、待てそうにない!』って押し切られ、攻め主導でエッチしたいんだけど。
とはいえ名前も知らない人に「初めまして」の状態で、乱暴に服を破られ、無理やりに犯されたいわけではない。
いやリュートになら同じことされても嫌ではないんだけど、そこにはやはり愛が必要なのだ。
ぼくがリュートを愛していて、リュートもぼくを愛している、その前提があるから多少乱暴な行為も受け入れられる。
ぼくの魅力の技で頭のネジが飛んだ人たちに、無理やり犯されるのは絶対に嫌だ!
ぼくはの不運体質と魅了の技の影響を考えると、オナニーしているところを見知らぬ男に犯される可能性は大だ。
となるとリュートの目の前で一人エッチするしかないのかな?
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