【BL】【完結】貧乏男爵子息の僕がイケメン公爵令息に愛されるまで

まほりろ

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二十話

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ダネンバウム子爵が自身のファスナーに手をかけたとき、扉が乱暴に開いた。開いたというより破壊され、木くずと化していた。

「無事か! サフィール!!」

レオナルド様の姿を見て、涙がボロボロとこぼれた。

レオナルド様! 助けに来てくれたんですね!

「ミュ、ミュールフェルト公爵令息……!」

ダネンバウム子爵がレオナルド様を見て、口をパクパクさせる。

「ちっ、違うんです、この者が酒に酔ったので介抱を……」

「黙れっ!」

レオナルド様に一喝され、ダネンバウム子爵が口をつぐむ。

「大丈夫か、サフィール? すまない、目を離したすきにこんなことに……」

サフィール様がベッドに乗り、僕を抱き寄せた。

上半身裸で泣きべそをかく僕を目にし、レオナルド様の顔が怒りに歪んでいく。

「貴様ぁぁ! サフィールに何をしたぁぁっっ!!」

「違う、誘ったのはサフィールだ! 現に服を脱がされてもサフィールはなんの抵抗もしていない! 声一つ上げていない! 私は被害者だ!」

しびれ薬を飲まされ抵抗できなかっただけだと言いたいが、声がだせない。

わめくなっ! 誰が貴様の言うことなど信じるか! それから気安くサフィールの名を口にするな! 貴様のようなゲスが呼んでいい名前ではない!! 私の視界から消えろっっ!! 暴風シュトゥルムヴィントッッッッ!!!!」

レオナルド様がダネンバウム子爵に手をかざすと凄まじい風が起こり、部屋の中の壁や家具を切り刻んでいく。

レオナルド様の放った「暴風シュトゥルムヴィント」の直撃を受けたダネンバウム子爵は、窓を突き破り放物線を描きお空に飛んでいった。

「サフィール、もう大丈夫だ!」

レオナルド様がぎゅっと僕を抱きしめる。

僕もレオナルド様の体に腕を回したかったけど、しびれ薬の効果で指一本動かせなかった。

「しびれ薬を飲まされたのだな、かわいそうに。あの男、絶対に許さん!」

そう言ったレオナルド様の目には、殺意が宿っている気がした。

ダネンバウム子爵の処罰については、八話の冒頭で述べた通りだ。

ダネンバウム家はお取り潰し。ダネンバウム子爵は男根を切られ、性奴隷として他国に売られた。

レオナルド様は上着を脱ぎ、僕の肩にかけむきだしになった僕の上半身を隠した。

そのあと別室にお姫様抱っこで運ばれ、お浄めセックスされた。しびれ薬には媚薬の成分も含まれていたので、激しいセックスになった。


◇◇◇◇◇
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