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6話「魔女のスペシャルドリンク」魔女サイド
しおりを挟む――魔女サイド――
「カランいつまで寝てるんだい!
朝食の準備はできたのかい!」
カランに変身して部屋にいると、中年のおばさんが部屋にやってきた。
こいつがカランの継母ね。
「もちろんですわお母様。
ローストビーフに、採れたての野菜を使ったサラダ、魚介のスープ、焼きたてのパン。
腸の活動が活発になりお肌がすべすべになるスペシャルなドリンクも用意しております」
「そうかいならいいよ。
朝食の後はウナのドレスの着付けもしっかりやるんだよ」
「は~~い、お義母様」
継母は用件だけ告げると、部屋を出ていった。
朝食のとき継母とウナは、お通じの良くなる薬草入りのスペシャルドリンクをごくごくと飲んでいた。
お肌がすべすべになるって話は嘘じゃないのよ。でもそれは一週間後の話。
その前にお腹の方がとっても大変なことになるのよね。
あと三時間もすればお腹がゴロゴロと音を立てるわ。
食事が終わったらカランの腹違いの妹のドレスの着付けね。
覚悟しなさい。コルセットをうんと締め上げてあげるわ。
「きゃ~~! お姉様そんなにきつく締めないで!
腸が口から出てきてしまいますわ!」
「あらウナ、これくらいがちょうどいいのよ。
腰が引き締まってとってもきれいに見えるわよ」
「カランちょっとは手加減をしな、ウナが死んでしまうよ!」
「お義母様これでも私通常の百万分の一の力しか出していないんですけど」
「どれだけバカ力なんだい!
もういい! ドレスの着付けは私がやる!
お前は床でも磨いておきな!
家中の床をピカピカにするんだよ!
それが終わったら家中の銀食器を磨くんだ!
顔が映るくらいピカピカにね!」
「は~~い、お義母様」
それから三十分後、桃色のドレスを着たウナとゴテゴテときかざった継母を乗せ、馬車は学園に向かって走って行った。
「ようやく出て行ったねバカ親子。
あなたたちのお腹は二時間半後に大変なことになるのよ。
卒業パーティーの始まる時刻にはトイレとお友達ね。
さてとあたしはウナをカランの養女にした不正の証拠を探さなくちゃ」
他人の秘密を暴くのってワクワクするわね。
それが不正の証拠ならなおさらね。
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