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6 話「王太子うろたえる」
しおりを挟む「なら裁判をしますか? 僕はナウマン公爵令嬢のアリバイを証言します、王太子がナウマン公爵令嬢に飲ませたお茶の中身についても調べ、王太子がなぜナウマン公爵令嬢を陥れようとしたのか厳しく追求しますがかまいせんか?」
皇太子殿下が鋭い目つきで王太子を睨めつける。
「いやっ、それは……」
王太子が狼狽える。
「ここにいる皆さんも同じですよ、我が国での記憶の魔法の信頼性はかなり高い。この映像を裁判で流せば、君たちの将来は暗い。有罪になれば家族に勘当されるのは確実、平民に落ちた君たちを待っているのは教会なんて生易しいところじゃない、良くて平民用の牢屋行き。悪ければ強制労働所に送られ一生過酷な現場で死と隣り合わせの生活を送ることになるよ」
皇太子殿下が淡々と告げる。教室にいた私以外の全員が額から脂汗を流し、青い顔でカダガタと足を震わせている。
「おっ、王太子殿下の命で仕方なく……」
「私も言われたことに従っただけで……」
「言うとおりにしないと家を潰すと脅されて……」
気の弱いクラスメイトが皇太子殿下の威圧感に負け、口を割った。
「馬鹿! お前ら話すな! 殺されたいのか!!」
王太子が真実を話したクラスメイトの一人の胸ぐらを掴み、怒鳴りつけた。
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