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7「満月、砂漠、ナイフ、大魔王、悪魔」大魔王視点・ざまぁ
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――一年後――
とある満月の夜、私はブルーナ帝国を訪れていた。
エレナが魔王城の柱に縛られていた理由を教えてくれないから、死者の世界から魔王の魂を呼び出して聞くことにした。
魔王の魂は死後も魔王の部屋に留まりエレナの元仲間がエレナに何をしたのか一部始終を見ていた。私が魔王の部屋を訪れたら、私の魔力に怖気づいて逃げてしまったが。
おかげで理由を探るのに一年もかかってしまったよ。
エレナの元仲間は勇者と戦士、若い男がエレナの側にいただけでも許せないのに、勇者の方はエレナの婚約者だったという。
隣国の皇女と結婚するために、エレナを柱に縛り付け、婚約破棄して、薬を飲ませ、己が逃げるための囮にするなんて勇者は救いようのないクズだね、勇者に協力した戦士も同じくらいクズだ。
魔王の話では勇者はモンスターをいきり立たせる【飲める非常灯】だと思って、エレナに【飲めるラブ非常灯】を飲ませたと言うじゃないか。
勇者がエレナに飲ませたのが【飲める非常灯】だったら、私に再会する前にエレナは死んでいた。
勇者と戦士、勇者を唆したブルーナ帝国の皇女にはたっぷりとお礼をしてあげないとね。
明日は勇者とブルーナ帝国の皇女の結婚式らしく、ブルーナ城は華やかに飾り付けされていた。飾り付けご苦労さま、このあと全~~部灰になるんだけどね。
それにしても、モンスターをいきりたたせる効果のある【飲める非常灯】に、モンスターに好かれる効果のある【飲めるラブ非常灯】か…………ブルーナ帝国も随分舐めたものを作ってくれたものだ。
【飲める非常灯】を他国民に飲ませモンスターに他国を襲わせ滅ぼす気だったのかな? それとも【飲めるラブ非常灯】薬を量産してモンスターをてなずけて、自国の駒にするつもりだったのかな?
どちらにしも人間風情がモンスターを自分たちの都合の良いように操ろうなんて傲慢な考えだ。モンスターを統べる魔族の怒りを買うとは思わなかったのかな?
【飲める非常灯】と【飲めるラブ非常灯】を開発した学者と、開発を命じた王族、エレナを魔王城に置き去りにした勇者グレゴアに戦士ベアナードと勇者を唆したブルーナ帝国の皇女は確実にこの世から消そう。
ブルーナ帝国は魔族に喧嘩を売ったんだ、当然それなりの報いを受ける覚悟は出来てるよね?
特に私の最愛のエレナを傷つけた勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者を唆したブルーナ帝国の皇女は、楽に死ねるとは思わないことだ。
私はブルーナ帝国の城と研究所に侵入し、中にいた人間を残らず砂漠に転移させた。
明日皇女の結婚式が執り行わるとあって、皇族が全員城に集まっていたのは好都合だった。
研究所の人間は明日は皇族の結婚式だというのに、日が暮れた後も研究所に残って仕事していた。結婚式の余興で【飲めるラブ非常灯】を披露する気だったのかもしれない。
城と研究所を合わせて数百人ほどいたが、それぐらいの数なら同時に転移させることなど魔王である私には造作もないことだ。
無人になった城と研究所を攻撃魔法で燃やし灰にした。【飲める非常灯】と【飲めるラブ非常灯】の研究資料を一つたりとて残すわけには行かないからな。
エレナは私に「私が生きている間はモンスターたちに人間を襲わせないで」と言った、私は二つ返事で了承した。
もちろんエレナとの誓いは守るよ、だがエレナと約諾したのはモンスターたちに人間を襲わせないことだけだ。
私は魔族でモンスターではない、それに攻撃したのは建物だけで中に人間はいなかった。だから私はエレナとの約束を破っていない。
砂漠に転移させた人間たちは突然の出来事に困惑しているもの、まだ眠りこけているもの、勇ましく剣で襲いかかってくる者、反応はさまざまだった。
うるさいから全員仲良く逆さ吊りにしてあげた、砂漠に木なんか生えてないから、砂を操って逆さ吊りにした。
そして股から頭にかけてのこぎりで切った。【鋸引き】という処刑方で、こうすると頭に血が登って痛くても気を失えないそうだ。人間に罰を下すにあたり、人間の記した本を読み、人間の考えた拷問をまねをしみたのだが、人間とは残酷なことを考える生き物だね。
死にそうになったらハイヒールをかけて傷を治した。エレナに嫌われたくないからね、私は人間を殺さない。
それを何度も何度も繰り返していたら、人間の心が折れた。
「お願いします……! 殺して……! 一思いに殺してください……!!」と涙ながらに訴えてくる人間にナイフを渡したら、己の首を斬ったり、ナイフを胸に突き刺さたりして勝手に死んだ。
人間が勝手に自害しただけだ、私は殺してない。
勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者の婚約者の皇女が一番最初に音を上げたけど、彼らにはナイフを渡さなかった。
勇者グレゴアと戦士ベアナードにはエレナを裏切った罰を、皇女には勇者にエレナを裏切らせた罰を与えないと。
他の人間は五回ハイヒールをかけるだけで許してあげたけど、この三人には最低百回はハイヒールをかけてあげる予定だ。
勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者の婚約者の皇女の悲鳴が、日付が変わっても砂漠に響いていた。
百回ハイヒールをかけたあと、勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者の婚約者の皇女に自害用のナイフを渡したら、涙を流して喜んでいたよ「やっと死ねる、救われる、楽になれる」と言ってね。
勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者の婚約者の皇女の魂を死体から取り出し、冥界の悪魔に売った。
魂をバラバラにされ魔道具の材料にされるのか、魂をどろどろに溶かされ魔道具の燃料にされるか、もっと酷い使い方をされるかは知らない。
ただ一つ言えるのはどちらも私がした拷問より遥かに苦しいと言うことだ。彼らは死ねば救われる、楽になると言ってたけど、どうしてそう思ったのかな? 私はそんなこと一言も言ってないのにね。
☆☆☆☆☆
とある満月の夜、私はブルーナ帝国を訪れていた。
エレナが魔王城の柱に縛られていた理由を教えてくれないから、死者の世界から魔王の魂を呼び出して聞くことにした。
魔王の魂は死後も魔王の部屋に留まりエレナの元仲間がエレナに何をしたのか一部始終を見ていた。私が魔王の部屋を訪れたら、私の魔力に怖気づいて逃げてしまったが。
おかげで理由を探るのに一年もかかってしまったよ。
エレナの元仲間は勇者と戦士、若い男がエレナの側にいただけでも許せないのに、勇者の方はエレナの婚約者だったという。
隣国の皇女と結婚するために、エレナを柱に縛り付け、婚約破棄して、薬を飲ませ、己が逃げるための囮にするなんて勇者は救いようのないクズだね、勇者に協力した戦士も同じくらいクズだ。
魔王の話では勇者はモンスターをいきり立たせる【飲める非常灯】だと思って、エレナに【飲めるラブ非常灯】を飲ませたと言うじゃないか。
勇者がエレナに飲ませたのが【飲める非常灯】だったら、私に再会する前にエレナは死んでいた。
勇者と戦士、勇者を唆したブルーナ帝国の皇女にはたっぷりとお礼をしてあげないとね。
明日は勇者とブルーナ帝国の皇女の結婚式らしく、ブルーナ城は華やかに飾り付けされていた。飾り付けご苦労さま、このあと全~~部灰になるんだけどね。
それにしても、モンスターをいきりたたせる効果のある【飲める非常灯】に、モンスターに好かれる効果のある【飲めるラブ非常灯】か…………ブルーナ帝国も随分舐めたものを作ってくれたものだ。
【飲める非常灯】を他国民に飲ませモンスターに他国を襲わせ滅ぼす気だったのかな? それとも【飲めるラブ非常灯】薬を量産してモンスターをてなずけて、自国の駒にするつもりだったのかな?
どちらにしも人間風情がモンスターを自分たちの都合の良いように操ろうなんて傲慢な考えだ。モンスターを統べる魔族の怒りを買うとは思わなかったのかな?
【飲める非常灯】と【飲めるラブ非常灯】を開発した学者と、開発を命じた王族、エレナを魔王城に置き去りにした勇者グレゴアに戦士ベアナードと勇者を唆したブルーナ帝国の皇女は確実にこの世から消そう。
ブルーナ帝国は魔族に喧嘩を売ったんだ、当然それなりの報いを受ける覚悟は出来てるよね?
特に私の最愛のエレナを傷つけた勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者を唆したブルーナ帝国の皇女は、楽に死ねるとは思わないことだ。
私はブルーナ帝国の城と研究所に侵入し、中にいた人間を残らず砂漠に転移させた。
明日皇女の結婚式が執り行わるとあって、皇族が全員城に集まっていたのは好都合だった。
研究所の人間は明日は皇族の結婚式だというのに、日が暮れた後も研究所に残って仕事していた。結婚式の余興で【飲めるラブ非常灯】を披露する気だったのかもしれない。
城と研究所を合わせて数百人ほどいたが、それぐらいの数なら同時に転移させることなど魔王である私には造作もないことだ。
無人になった城と研究所を攻撃魔法で燃やし灰にした。【飲める非常灯】と【飲めるラブ非常灯】の研究資料を一つたりとて残すわけには行かないからな。
エレナは私に「私が生きている間はモンスターたちに人間を襲わせないで」と言った、私は二つ返事で了承した。
もちろんエレナとの誓いは守るよ、だがエレナと約諾したのはモンスターたちに人間を襲わせないことだけだ。
私は魔族でモンスターではない、それに攻撃したのは建物だけで中に人間はいなかった。だから私はエレナとの約束を破っていない。
砂漠に転移させた人間たちは突然の出来事に困惑しているもの、まだ眠りこけているもの、勇ましく剣で襲いかかってくる者、反応はさまざまだった。
うるさいから全員仲良く逆さ吊りにしてあげた、砂漠に木なんか生えてないから、砂を操って逆さ吊りにした。
そして股から頭にかけてのこぎりで切った。【鋸引き】という処刑方で、こうすると頭に血が登って痛くても気を失えないそうだ。人間に罰を下すにあたり、人間の記した本を読み、人間の考えた拷問をまねをしみたのだが、人間とは残酷なことを考える生き物だね。
死にそうになったらハイヒールをかけて傷を治した。エレナに嫌われたくないからね、私は人間を殺さない。
それを何度も何度も繰り返していたら、人間の心が折れた。
「お願いします……! 殺して……! 一思いに殺してください……!!」と涙ながらに訴えてくる人間にナイフを渡したら、己の首を斬ったり、ナイフを胸に突き刺さたりして勝手に死んだ。
人間が勝手に自害しただけだ、私は殺してない。
勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者の婚約者の皇女が一番最初に音を上げたけど、彼らにはナイフを渡さなかった。
勇者グレゴアと戦士ベアナードにはエレナを裏切った罰を、皇女には勇者にエレナを裏切らせた罰を与えないと。
他の人間は五回ハイヒールをかけるだけで許してあげたけど、この三人には最低百回はハイヒールをかけてあげる予定だ。
勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者の婚約者の皇女の悲鳴が、日付が変わっても砂漠に響いていた。
百回ハイヒールをかけたあと、勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者の婚約者の皇女に自害用のナイフを渡したら、涙を流して喜んでいたよ「やっと死ねる、救われる、楽になれる」と言ってね。
勇者グレゴアと戦士ベアナードと勇者の婚約者の皇女の魂を死体から取り出し、冥界の悪魔に売った。
魂をバラバラにされ魔道具の材料にされるのか、魂をどろどろに溶かされ魔道具の燃料にされるか、もっと酷い使い方をされるかは知らない。
ただ一つ言えるのはどちらも私がした拷問より遥かに苦しいと言うことだ。彼らは死ねば救われる、楽になると言ってたけど、どうしてそう思ったのかな? 私はそんなこと一言も言ってないのにね。
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