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2話「グリゼルダ・ベッヒャー伯爵令嬢」

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私が彼から離れた二つ目の理由、グリゼルダ・ベッヒャー伯爵令嬢の登場。

中等部に上がったコニーは背がスラリと伸び、母親譲りの愛らしい顔立ちもあって、女生徒に大人気となった。

両親が言っていた通り、ロジャーは初等部での硬派な発言など忘れたように、女の子の後を追いかけ回すようになった。

それに伴い、ロジャーの報復を恐れて女の子と話せなかった男子たちも女子を食事やデートに誘うようになった。

私もコニーと前みたいに普通に話せるようになると思っていたんだけど……。

素敵なイケメンに成長したコニーを、周りは放っておかなかった。

コニーに惚れている生徒代表はグリゼルダ・ベッヒャー伯爵令嬢。

コニーは下位貴族や平民の女子に人気だった。

けどコニーと話していると必ずグリゼルダが割り込んでくる。

伯爵家に睨まれたくなくて、コニーの周りからは徐々に女生徒が離れていった。

グリゼルダは金色の髪を縦巻きロールにした翡翠色の瞳の美人。

美人に迫られるのは悪い気がしないのか、コニーもグリゼルダを遠ざけようとはしなかった。

私とコニーの距離は中等部になっても初等部の頃と変わらず……いや、前より離れてしまった気がする。

それでも誕生日などのお祝いごとには、ナヨタ子爵家に招待されていた。

グリゼルダはナヨタ家でのイベントの度に、下位貴族の女子を招きお茶会を開いた。

しかも毎回開催前日に招待状が届く。

グリゼルダに「参加しなければ社交界でのご両親の立場が悪くなるわよ」と言われては、断る訳にもいかない。

そんな訳で私はナヨタ子爵家からの招待を、ドタキャンすることが増えた。

ベッヒャー伯爵家のお茶会に行っても主催者のグリゼルダはおらず、招待客が庭やテラスでお茶を飲んで帰るだけ。

しかもある程度時間が経過しないと家から出して貰えない。

ベッヒャー伯爵家のお茶に招待されたのはコニーに惚れている女の子ばかりで、「コニーに近づくな」というグリゼルダからの警告なのだと理解した。

ベッヒャー伯爵家のお茶会に招待される女生徒は、回を重ねるごとに減っていき、ついには私だけになった。

暖房のついてない応接室で何時間も待たされる、その間お茶やお菓子などの提供もない……そんなことも珍しくなかった。

グリゼルダは伯爵家の権力を使い、コニーの誕生日パーティーなどのナヨタ子爵家のイベントには毎回参加していた。

ナヨタ子爵家でのパーティーやお茶会をドタキャンしてばかりの私の信用は下がり、逆にグリゼルダの株が急上昇。

ナヨタ子爵家でのパーティーに参加していた両親の話によると、ナヨタ子爵夫妻は伯爵令嬢のグリゼルダとコニーをくっつけようとしていたらしい。







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今日(2022/12/07)から投稿したこちらの作品もよろしくお願いします!!
「義妹を溺愛するヤンデレ公爵令息は、ハニートラップに引っかかり義妹を傷つけたアホ王子を許さない」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/749914798/563699054 #アルファポリス
異世界恋愛、ヤンデレ義兄、義兄妹、アホ王子ざまぁものです。

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