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1話「私が彼から離れた一つ目の理由」
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私はアリーゼ・クルツ子爵家の令嬢よ。
コニー・ナヨタ子爵令息は私の幼馴染なの。
私のコニーの親は仲良しで、同じ子爵家ということもあって、彼とは生まれる前からの縁なの。
私とコニーは幼い時からずっとずっと仲良しで、初めて読んだ絵本も、初めて乗った馬も、初めてお絵描きを習った先生も、初めてピアノを習った先生も、全部一緒。
大人になってもコニーとはずっと仲良しで、一緒にいられると思っていたわ。
学園に入学するまでは……。
私が彼から離れた一つ目の理由、ロジャー・ムッキーの登場。
私とコニーは十二歳で王立学園の初等部に入学したの。
コニーは同じクラスになれたけど、席が離れてしまったわ。
彼の隣の席になったのは、ロジャー・ムッキー子爵令息。
ロジャーの父親は第七騎士団、副騎士団長候補……平たく言えば一番弱い団の一団員だったわ。
だけど、ロジャーにとっては尊敬する父親だったらしいの。
ロジャーの父親は「女は男より劣っている!」「女なんかと一緒にいる奴は軟弱だ!」という考えの持ち主だったみたい。
ロジャーもそんな父親の考えを受け継いでいて、「女と仲良くする奴は軟弱だ!」と言って、女子と会話したり、一緒に食事をする男子を裏庭に呼び出しては殴っていたわ。
彼は大柄な体格で腕力もあったので、誰も逆らえなかったの。
大抵の男子はロジャーから距離を取ったわ。
だけどコニーは進んで彼に近づいていったの。
コニーはロジャーの信念に感化されてしまったみたい。
彼はロジャーとつるむようになり、学校では私と目も合わせなくなったわ。
そして、コニーは学校以外でも私を遠ざけるようになったの。
それでもクルツ子爵家とナヨタ子爵家は、仲良しなのは変わらなかったわ。
コニーや彼の家族の誕生日には、ナヨタ子爵家に招待されたわ。
ナヨタ子爵家ににお呼ばれしたとき、私からコニーに話しかけたの。
私はコニーと昔みたいに仲良くお喋りしたかったの。
だけど彼からは、「あー」とか「うん」しか返ってこなくて……。
ほとんど会話らしい会話は成立しなかったわ。
私はどうにかしてコニーとまた仲良しになりたくて、両親に相談したわ。
「心配しなくても中等部に入ったら変わるさ。
コニーもそのロジャーという生徒も、今は硬派を気取っているが、中等部に入ったら女の子のお尻を追っかけ回すようになるさ。
今は硬派なロジャーの父親だって、中・高等部時代は女の子を追いかけ回していたのだからね」
私の両親はそう言って私を慰めてくれたわ。
だから私は中等部に上がるまでの我慢だと思って、コニーが変わってくれるのを待ったわ。
☆☆☆☆☆☆
そして十五歳になった私たちは中等部に進学したの。
中等部に上がったら、コニーとの仲は元通りになると思っていたわ。
……でもそうはならなかったの。
私が彼から離れた二つ目の理由、グリゼルダ・ベッヒャー伯爵令嬢の登場。
コニー・ナヨタ子爵令息は私の幼馴染なの。
私のコニーの親は仲良しで、同じ子爵家ということもあって、彼とは生まれる前からの縁なの。
私とコニーは幼い時からずっとずっと仲良しで、初めて読んだ絵本も、初めて乗った馬も、初めてお絵描きを習った先生も、初めてピアノを習った先生も、全部一緒。
大人になってもコニーとはずっと仲良しで、一緒にいられると思っていたわ。
学園に入学するまでは……。
私が彼から離れた一つ目の理由、ロジャー・ムッキーの登場。
私とコニーは十二歳で王立学園の初等部に入学したの。
コニーは同じクラスになれたけど、席が離れてしまったわ。
彼の隣の席になったのは、ロジャー・ムッキー子爵令息。
ロジャーの父親は第七騎士団、副騎士団長候補……平たく言えば一番弱い団の一団員だったわ。
だけど、ロジャーにとっては尊敬する父親だったらしいの。
ロジャーの父親は「女は男より劣っている!」「女なんかと一緒にいる奴は軟弱だ!」という考えの持ち主だったみたい。
ロジャーもそんな父親の考えを受け継いでいて、「女と仲良くする奴は軟弱だ!」と言って、女子と会話したり、一緒に食事をする男子を裏庭に呼び出しては殴っていたわ。
彼は大柄な体格で腕力もあったので、誰も逆らえなかったの。
大抵の男子はロジャーから距離を取ったわ。
だけどコニーは進んで彼に近づいていったの。
コニーはロジャーの信念に感化されてしまったみたい。
彼はロジャーとつるむようになり、学校では私と目も合わせなくなったわ。
そして、コニーは学校以外でも私を遠ざけるようになったの。
それでもクルツ子爵家とナヨタ子爵家は、仲良しなのは変わらなかったわ。
コニーや彼の家族の誕生日には、ナヨタ子爵家に招待されたわ。
ナヨタ子爵家ににお呼ばれしたとき、私からコニーに話しかけたの。
私はコニーと昔みたいに仲良くお喋りしたかったの。
だけど彼からは、「あー」とか「うん」しか返ってこなくて……。
ほとんど会話らしい会話は成立しなかったわ。
私はどうにかしてコニーとまた仲良しになりたくて、両親に相談したわ。
「心配しなくても中等部に入ったら変わるさ。
コニーもそのロジャーという生徒も、今は硬派を気取っているが、中等部に入ったら女の子のお尻を追っかけ回すようになるさ。
今は硬派なロジャーの父親だって、中・高等部時代は女の子を追いかけ回していたのだからね」
私の両親はそう言って私を慰めてくれたわ。
だから私は中等部に上がるまでの我慢だと思って、コニーが変わってくれるのを待ったわ。
☆☆☆☆☆☆
そして十五歳になった私たちは中等部に進学したの。
中等部に上がったら、コニーとの仲は元通りになると思っていたわ。
……でもそうはならなかったの。
私が彼から離れた二つ目の理由、グリゼルダ・ベッヒャー伯爵令嬢の登場。
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