【BL】【完結】兄様と僕が馬車の中でいちゃいちゃしている話

まほりろ

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十九話「僕と兄様の公然の関係①」

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こんにちは、リーヴェス・シュトラウスです。あれから二年が経ち二十歳になりました。

今日はベルリッツ学園の卒業式です。

「エミリー、卒業だなんて寂しいよ!」
「卒業してもオレのことを忘れないでくれ!」

「「「「エミリー、オレたちのことも忘れないでくれ!!」」」」

アロイスとベルナードと、クラスメイトが涙を流しいる。

「うん、忘れないよ、みんな僕の友達だもん」

「「「「「「エミリーっっ!!」」」」」」

みんながおいおいと泣き出した。

「みんなに聞きたいんだけど、この中で執事を募集しているお家あるかな?」

「執事?」

「うん、僕次男だから就職しなくちゃいけないんだけど、文官の試験に落ちちゃって……剣術は苦手だから武官には逆立ちしてもなれないし、執事にならなれるかなーって」

「エミリーが使用人……ふりふりのメイド服」

アロイスが鼻を抑える心なしか顔が赤い。僕は男だからメイド服は着ないよ?

「ミニスカメイド服で夜のご奉仕……裸エプロン!」

ベルナードがボソボソと呟く。裸エプロンって何?

「「「「「エミリー・シュトラウスの裸エプロンだと!?」」」」」

皆がトマトみたいな赤い顔になったと思ったら、ブワッと鼻血を出した。

どうしたの急に? みんな大丈夫?

「エミリー、家で使用人を募集してるんだ!」
「家もだ!」
「ぜひ家に来てくれ!!」
「いや我が子爵家に!」

わぁ、就職先がいっぱいー!

暴風シュトゥルムヴィントっっ!!」

僕の周囲に押し寄せてきたクラスメイトが、突然吹いた強い風によって壁まで吹き飛ばされた。

「お待たせエミリー、帰ろうか」

「兄様!」

いつの間にか僕の後ろに立っていた兄様が、僕の腰に手を回す。

兄様は二年前に学園を卒業し、お城で文官として働いている。

難しいことはわからないけど、すごい速さで出世しているみたい。さすが兄様!

兄様は卒業してからも、毎日僕のお迎えに来てくれる。

「最近は室内で突風が起きるみたいだね、さぁこんな危ないところからからは早く離れよう」

「えっ、でもみんなは……」

「心配いらないよ、すぐに救護班が来るからね」

兄様が僕の足に手を回した、次の瞬間には兄様にお姫様抱っこされていた。

「エミリー、卒業おめでとう」

「ありがとう兄様」

僕は兄様の首に腕を回す、兄様が僕の頬にキスを落とす。ほっぺにとはいえ、みんなの前でキスされるのは恥ずかしい。

兄様はくるりと振り返り、

「ああそうだエミリーのクラスメイトのみんなも、卒業おめでとう。三年間エミリーがお世話になったね、後でたっぷりお礼をさせてもらうよ」

兄様がにこやかに笑う。

「まあ、二度と会うことはないだろうけど」

兄様、最後になんて言ったのかな?

「バイバイみんな」

僕はみんなに手を振る、クラスメイトは泣きながら手を振り返してくれた。

僕は兄様にお姫様抱っこされ教室を後にした。


◇◇◇◇◇
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