1 / 22
一話「兄様が僕の体をこしょこしょする話①」
しおりを挟む「エミリー明日誕生日だろう、これ受け取ってくれ」
「エミリー、オレからも誕生日プレゼントがあるんだ」
「ボクもプレゼントがあるんだ、受け取って」
三人のクラスメイトから、紙袋に入ったプレゼントをもらった。
「みんなありがとう」
笑顔でお礼を言うと、みんなの顔が夕日のように赤く染まった。
暑いのかな?
「さらさらの髪に折れそうなほど細い腰、エミリーは本当にかわいいな」
「本当、大きな目に白い肌、女の子より愛らしいよね」
華奢な体躯も女の子みたいな顔立ちもコンプレックスなので、褒められてもあまり嬉しくない。
「なぁエミリー、今度うちに遊びに来いよ」
「うん、いいよ」
クラスメイトの一人に手を握られた。顔が近いよ。そんなに顔を近づけなくても声は聞こえるよ。
「抜け駆けするな! エミリー、オレの家にも遊びに来てくれ!」
別のクラスメイトに反対の手を握られる。
「ボクの家にも!」
もう一人のクラスメイトに腕を掴まれた。
「うん、順番にね」
クラスメイトの顔が近い。だからそんなに顔を近づけなくても聞こえてるよ。
「悪いけどそれはだめだ」
後ろから手が伸びてきて、ぎゅっと抱きしめられた。
「うちのエミリーは学校以外の外出も外泊も禁止なんでね」
「兄様!」
兄様が僕の髪にキスを落とす。
「「「せっ、せせせ……生徒会長っっ!!」」」
兄様の登場に僕の腕や手を握っていたクラスメイトが、ぱっと手を離し三歩……いや五歩後ろに下がった。みんな顔が青いよ? 今度は寒いのかな?
兄様が冷血無比な生徒会長なんてうわさされているから、その兄様の登場にびっくりしちゃったのかな?
兄様はとってもやさしくて穏やかな人なのに、みんな誤解してるよ。
「今の約束はなかったことにしてくれるかな、いいよね?」
兄様の言葉に、皆が無言でこくこくとうなずく。
シュトラウス公爵家って友達の家に遊びに行くの禁止されてたんだ。知らなかった。
残念だけど、兄様がだめっていうなら仕方ない。
「みんなごめんね」
みんなは首を縦に振るだけで一言も話さない。急にどうしたんだろう?
「それからシュトラウス公爵家の人間は、当主の許可なくプレゼントのたぐいは受け取れないんだ。悪いけどこれも持って帰ってくれるかな」
兄様が僕の手からプレゼントの入った紙袋を取り上げると、みんなに付き返した。
家にそんなしきたりあったの? 僕が知らなかっただけかな?
「どうしてもというなら、シュトラウス公爵家に送ってもらおうか、そのときは送り主と中身についていろいろと審査させてもらうが」
三人が血の気の引いた顔でふるふると首を横に振った。
「エミリーのお友達は聞き分けが良くて助かるよ。じゃあ帰ろうかエミリー?」
「はい兄様、またねみんな」
みんなに手を振って別れた、けど誰も手を振り返してくれなかった。
みんなの顔は青を通り越して白くなっていた。口からエクトプラズムが出ているような気がするけど、僕の見間違いかな?
◇◇◇◇◇
41
お気に入りに追加
1,354
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる