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11 闇ギルド 2

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「さて、お話の続きをしましょう。依頼人の情報を出しなさい」

「だ、だから、依頼人の情報は規則で――」

 未だ規則を守ろうとする厳つい男。だが、彼が口にした瞬間、真横に鋭い風が吹いた。シュッと何かが通り抜けて行き、彼の頬肉が薄く切れる。

 風の行く先は男の背後で書類仕事をしていた事務員の頭部だ。側頭部にナイフが刺さり、事務員の上半身は机へと沈んだ。

「ヒッ!?」

 対面で仕事をしていたもう一人の事務員が悲鳴を漏らす。

「ああ、そちらの方も動かないで下さいまし。手がスベって……うっかり殺してしまうかもしれませんわ」

 奥にいる事務員に手を振りながら告げるガーベラ。厳つい男は背後で何が起きたのか振り返らずとも分かったようで、ごくりと喉を鳴らしながら「待ってくれ」とリアクションを返す。

「わ、分かった。待て。用意する」

「結構」

 近くにあった書類の束を掴み、束の中から該当の依頼を探し始めた。数分もしないうちに見つかって、男はカウンター越しに一枚の書類をガーベラに手渡した。

「こ、これが依頼内容と依頼人の名だ」

 依頼票と題目のある書類には、彼の言った通り「依頼人」と「内容」が記載されていた。

 依頼人の名は「ヨルン」と書かれており、内容には「ビルワース侯爵家長女ガーベラ・ビルワースの殺害」とある。

 確かにこの書類のようだ。しかし、肝心の依頼人には心当たりがない。

「このヨルンという者は何者ですの?」

「く、詳しくは分からない。ただ、王国の西から来た傭兵崩れだと聞いているが……」

 曰く、王国の西で山賊紛いの犯罪を繰り返していた元傭兵集団。最近、どこぞの誰かに雇われたらしく王都へやって来たようだ。その元傭兵集団のリーダーが「ヨルン」という名の男らしい。

 このヨルンという男が本当の依頼人でない事は容易に想像できるだろう。ガーベラの殺害を企てた者はワンクッション置いて闇ギルドに依頼している。ヨルンの雇い主こそがガーベラにとって本当の敵だ。

「今、どこにいますの? 奴等の拠点は?」

「わ、わからん。だが、こういった連中が身を隠すのはスラムが定番だろう?」

 東区の奥にあるスラムは廃屋やゴミで溢れた場所であり、区画整理されていない雑多な場所は犯罪者にとって身を隠しやすい。

 それにスラムは別名「迷路」とも呼ばれていて、日毎に入り組んだ道の景観が変わるそうだ。道に置かれたゴミ箱や崩れた廃屋を目印にしていても、翌日にはそれらの配置や形状が変わってしまっている。

 スラムに潜む犯罪者達が騎士団対策として行っている事のようだが、確かに場所慣れしていない外の者達からすると日毎に変わる景色は迷路のように思えてしまうだろう。

「傭兵団の特徴はありまして?」

「前にギルドに来た奴等は揃いの胸当てと、胸当てに口を開けた虎みたいなマークを刻印していた。あれは傭兵団で使われるマーキングだろう」

 これは彼等が元傭兵集団だった時の名残だろう。戦場でごった返す人間の中から仲間を探す為の知恵であり、今でもそれは変わらぬようだ。

 彼等のトレードマークは大口を開けて牙を見せつける虎らしい。

「そう。では、彼等を訪ねてみるとしましょう」

 書類を折り畳んだガーベラはコートのポケットに仕舞い込む。これで質問は終わりと思いきや、ガーベラは続けて言葉を続ける。

「それと、七年前に起きたビルワース侯爵家夫婦殺害についての情報はありまして?」

 彼女が更に求めた情報は「両親の死」についてだ。自分の命が狙われる理由と両親の殺害、この二つに共通点があるのか。

 今回、自分を狙った男が闇ギルドを経由しての仕事となれば、両親殺害を行った当時の犯人も闇ギルドで仕事を受けたのではないか? と考えるのは妥当な線だろう。

 しかし、質問に対して厳つい男は首を振った。

「七年前の情報はさすがに残ってない。ここは秘密厳守が絶対で、犯罪行為を依頼する場所だ。終わった仕事に関する情報はすぐ破棄するルールだからな」

「依頼を受けた事は覚えていまして?」

「いや、俺を含めて全員が最近ここに来たばかりだ。その……。短命な仕事だからな。入れ替わりが激しい仕事さ」

 当時勤めていた事務員や担当官はいないと言う。この「いない」は「もうこの世にいない」を意味しているように聞こえた。

 何らかの問題があって殺されたか、足を洗ったか。どちらにせよ、両親殺害が闇ギルド経由だったとしても、七年前の情報は既に灰となって消えているようだ。

「そう。残念ね」

「ま、まだ聞きたい事が?」

「いえ、ありませんわ」

 彼女の尋問に近い質問にホッと胸を撫でおろす男であったが……。

「ガッ!?」

 顎の下からナイフを突き刺され、口からゴポリと血の塊を吐き出しながら、男の両目はガーベラに向けられる。どうして、と言わんばかりの目線であるが、ナイフを突き刺した彼女からしてみれば当然の行為だ。

「貴方、脳裏に私の正体を浮かべたでしょう? 私、プライベートを詮索されるのは好みませんのよ?」

 色々と質問してしまった故に、そこから正体を連想するのは容易なことだ。今後を考えても、正体に繋がる情報は消しておきたい。

 それに加えて、彼女は仮面の中でニコリと笑いながら言葉を続けた。

「それに、ここは悪の巣窟ではありませんの。私、そういった son of a bitch 共は許しておけませんのよ? だって、私は正義の味方ですもの」

 彼女は己を「正義」と言った。だが、たった今死にそうな男からすれば「どこかだ」と叫びたくなるような言い分だ。

 しかしながら、彼は反論できない。だって顎の下にナイフが突き刺さっているのだから。

 男の両目から生気が消えると、ガーベラはナイフを引き抜いた。

「ヒッ、ヒィィィ!! アガッ!?」
 
 崩れ落ちる仲間を見て、最後に残された事務員が悲鳴を上げながら逃げ出そうとするが――ガーベラが投擲したナイフが背中に突き刺さる。

「ウ、グ、グ……」

 床に崩れ落ちた男は呻き声を上げながら、床を這って逃げようとする。しかし、背後からはガーベラの履いているロングブーツの靴底が鳴らす音が聞こえてきた。

「ん~。残念」

 ガーベラは男の背中からナイフを引き抜くと、髪を掴んで首を持ち上げた。そのまま首にナイフの刃を当て、横に引き裂く。

 ブシュッと噴き出る血を確認した後、彼女は刃に付着した血を男の服で拭きとった。もう一人の事務員に突き刺さったままのナイフを回収し、カウンターを乗り越えて地上へ向かって行く。

 階段を登って、酒場に繋がるドアを開けると……そこには剣やナイフを構えた客達が待っていた。

「タ、タダで帰れると思ってんのか!」

 完全に腰が引けたマヌケ共が総勢五人。中には女の姿もあるが、武器を向けているという事実は変わらない。

 ガーベラは「フゥー」とため息を零すと、両手でナイフホルスターからナイフを引き抜く。

 彼女がナイフを抜いた事で、客達の間には緊張が走った。誰が最初に攻めるか、などと考えている間に駆け出したのはガーベラだ。

 真正面にいた男に向かって駆け出し、一瞬で懐に飛び込んだ。そのまま二本のナイフで男の心臓を「ワン、ツー」と連続で刺突。突き刺したナイフを引き抜くと、前のめりになって倒れ込んで来た男の体に左肩を当てながら、即席の肉盾に変える。

 一斉に振り下ろされた剣の刃が肉盾男の背中に落ちた。ガーベラは無傷でその瞬間をやり過ごす。

 やり過ごした後、膝を曲げて中腰に近い態勢のまま、近くにいた者のふとももにナイフを突き刺した。

「ぎゃあ!?」

 ナイフを引き抜きながら悲鳴が上がった方向に向かって飛び出し、そのまま次の獲物へ。次も懐に飛び込んだガーベラは、相手の首に向かって正面からナイフを突き刺した。

 突き刺した者は女だったようで、女は甲高くも短い断末魔を上げるとガーベラと一緒に背中側から倒れた。

「このアマァァ!」

 女に真正面から密着していたガーベラは女の上に馬乗り状態。すると、彼女の背後から先ほどふとももにナイフを刺した男が、片足でぴょんぴょんと飛ぶように近づいてきた。

「Fuck!」

 足を負傷している男に脅威など感じない。ガーベラは背後に振り返りながらナイフを素早く投擲。

 背中を斬りつけようとしてきた男の肩口にナイフが刺さり、男の口から悲鳴が漏れた。その隙にガーベラは態勢を整え、肩にナイフが刺さった男に向かってジャンプ。

 男の顔を踏み台にしながら集団の背後まで飛び越え、テーブルの上に着地する。そこから敵の位置を瞬時に把握すると、テーブルを蹴飛ばす勢いで再び集団の中へと飛び込んでいく。

「Fuck!」

 飛び込んだガーベラはすれ違い様に一人の首を切り裂き、斜め前方にいた男の頭部に向かってナイフを投擲した。ズブリと男の頭部にナイフが突き刺さり、即死した男が床に沈む。

 そのままの勢いをキープしながら、ガーベラは床に転がっていた剣を拾いあげた。

「ファァァァァックッ!!」

 投擲したナイフが肩に突き刺さったままの男に向かって、横回転しながらの一閃。腰の捻りが乗った一撃は男の脇腹に突き刺さり、男の口から大音量の悲鳴が上がる。脇腹に突き刺さった剣を放す代わりに、肩に刺さったままだったナイフを引き抜く。

 ナイフを引き抜いたガーベラは、脇腹に剣が突き刺さった男の体を蹴飛ばして――

「アンタもですわよォォッ!!」

 バーカウンターで口を開けっ放しにしているアホに向かってナイフを投擲。

 シュッと風を切るように放たれたナイフはバーテンダーの首元に吸い込まれ、彼の体は床に崩れ落ちた。

「ふぅ、ふぅ……。ハァー! 良い運動になりましたわ!」

 一息ついたガーベラはナイフを回収すると、バーカウンターの奥にある棚からワイン瓶を一本拝借。ナイフでコルク栓を開け、仮面を少しズラすとぐびぐびと飲み始めた。

「あ"ー!」

 貴族令嬢とは思えぬ飲みっぷり。中身の残ったワイン瓶を放り投げ、彼女は酒場の入り口ドアに手を掛けた。

 外に出ると、まだ王都は夜の闇に支配されている。酒場内の騒動は外に漏れなかったのか、それとも周辺住民はあの程度の騒音を「いつもの事」と認識しているのか。どちらにせよ、外はシンと静まり返ったままだった。

 ガーベラはフードの位置を手で直し、建物と建物の間にある小道や背の高い建物が作る影に潜みながら西区を目指す。ビルワース家の屋敷に到着すると、敷地を囲む背の高い生垣を越えて中庭へ。そこから正面玄関に回って屋敷へと戻った。

「お帰りなさいませ、お嬢様」

「お怪我はございませんか!?」

 玄関を開ければ、既にセバスチャンとモナが待っていた。いや、二人はガーベラが出発してからずっと玄関で待っててくれたのだろう。

 セバスチャンはいつもの冷静な足取りで、モナは慌てた様子で駆け寄って来た。二人とも態度は違えど、顔には彼女を心配する表情が浮かんでいる。

「ええ。大丈夫ですわ。情報も無事に得る事ができました」

「そうですか。それは何より――」

「それより先にお風呂へ! 服に血が!」

「ちょ、ちょっとモナ! 大丈夫ですわよ!」

「いいえ! なりません!!」

 セバスチャンとの会話に割り込んだのはモナだった。彼女はガーベラのドレスやコートに付着した大量の返り血に我慢できぬようだ。というよりも、本当に返り血なのか疑っている様子。

 ガーベラの背中を押しながら強引に風呂場へ連行し、服を脱がせると入念に怪我の有無を確認する徹底っぷりを見せた。

 風呂でサッパリしたガーベラはバスローブ姿のまま、モナとセバスチャンを連れて自室へ向かう。そこで、確認できた情報を二人へ告げた。

「では、次はスラムにいると思われる元傭兵集団ですか」

「ええ。お父様とお母様の件は明らかになりませんでしたが、この傭兵団が何か知っているかもしれませんわね」

 殺害を依頼した者は誰か。殺害を依頼した意図は何なのか。両親の死に関する真相は。

 一歩ずつだが、近づいている。その実感がガーベラにはあった。

「左様でございますね。ですが、まずはスラムの情報を集めねばなりません。あそこは迷路と噂される場所ですから」

「ええ。最初はスラムの偵察から始めるべきですわね」

「ダニーにも言って情報を集めましょう。彼のツテも頼れるかもしれません」

 セバスチャンは「それに」と付け加えて、更に言葉を続ける。

「もうすぐ学園の入学もございます。情報収集と整理を行いつつ、学園に関しても集中しませんと」

「そうですわね」

 学園に関してもビルワース家の将来が掛かっているので疎かには出来ない。しばらくは昼と夜の二重生活が続きそうだ、とガーベラはため息を零した。
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