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7 十四歳宣言
しおりを挟むビルワース侯爵家長女ガーベラ・ビルワース。
彼女が十四歳の半分を越えた時、遂に魔法の本による訓練は終わりを告げた。
『貴様は立派な殺人マシーンとなった!』
「感謝します。教官」
肩まで伸びた長い赤髪をポニーテールに纏めた彼女は、凛々しい顔で迷彩服おじさんに礼を言う。
先述した通り、今日で訓練は終わりだ。立派な殺人マシーンとなった彼女はもう訓練は必要ないと判断され、今日で迷彩服おじさんともお別れになる。
一通りの別れを告げた後、おじさんはガーベラと熱い握手を交わすと本の上に立った。
おじさんの体が半透明になっていき、完全に消失すると勝手に閉じられる魔法の本。地面に置かれた本を拾い上げ、もう一度本を開いても光が放たれる事はなかった。
「本当に終わりですのね……ん? これはなんでしょう?」
殺人マシーンに相応しい戦闘能力に加え、貴族令嬢らしい知識と口調を備えたガーベラは魔法の本の最終ページ近くを見て首を傾げる。
『おすすめの武器はコレ! 手に入れて憎たらしいヤツのミソをぶちまけよう!』
何とも簡潔な見出しと共に絵が描かれており、それらの絵は武器の外見を指しているようだ。
最初のページにあったのは切れ味鋭そうなナイフと投擲用に作られた軽量かつ小さな細身のナイフであった。
おすすめの武器としてナイフが紹介されているのは理解できるだろう。
彼女のような存在が主に使うべきはナイフであると迷彩服おじさんから教わっていたし、ナイフを使った格闘術も体得しているからだ。おすすめの形状等が描かれている事で、同じ物を探しやすくなったのは喜ばしい事である。
ただ、彼女が首を傾げていたのは別のページにある武器だ。
「この……。筒が二つある物は何でしょう?」
二本の筒が水平に取り付けられ、後部には人の手で握り易そうな形状をした持ち手のある物体。ページの上部には『水平二連式ショットガン』という文字が書かれていた。
初めて聞く名だ。ガーベラはセバスチャンに絵を見せながら武器の名を指差す。
「これ、知っていまして? 恐らくはこの世界のどこかにあるのではないかと思うのですが」
魔法の本はこれまで実用的な事を教えてくれた。最後の最後で存在しない物を紹介するなどあり得るだろうか。それは否である、とガーベラは結論付けていた。
「何やら金属製の工業製品でしょうか? 工業製品といえば……ドワーフですね」
ドワーフという種族は、種族全体が魔法を一切使えない。人間でさえ稀に魔法を使える人物が生まれるにも拘らず、ドワーフだけは魔法を扱える特殊個体すら歴史上一度も誕生した事がない。
故に魔法が存在するこの世界において、ドワーフは「最も神に愛されなかった種族」と呼ばれていた事がある。
一昔前までは神を崇拝する教会勢力より、一部地域で迫害や差別等もあったのだが彼は決して悲しい現実に屈しなかった。
魔法が使えぬ代わりに逞しい肉体を活かし、知恵を搾って優れた道具を作り出しながら生活を豊かにしていった。迫害や差別に立ち向かう為に優秀な武器を作って徹底的に対抗した。
その結果、彼等が得た新たな総称は「金属の友」や「職人種族」といった種族的異名である。優秀な武器や便利な道具は他種族に認められ、教会勢力を自らの手で排除したのもあって、もう彼等を差別するような人々はほとんどいない。
こういった歴史もあって、金属製品や加工技術を必要とする道具を作り出すのはドワーフの十八番と言える。セバスチャンの読みは正しいだろう。問題はどこに住むドワーフがこの「水平二連式ショットガン」を作っているか、だ。
「時間は掛かるかもしれませんが、ビルワース家の販路を使って調べてみましょう」
以前、ビルワース家は多くの財産を保有していると語ったが、主な収入源は王領にある鉱山から採掘される宝石であった。
この鉱山は初代ビルワース家当主が時の王より下賜された物であり、鉱山からは「ブルーダイヤモンド」と呼ばれる宝石が採掘できる。
見た目は晴れた日の空のように青く、シャンデリアの灯りに当てると太陽光のようにキラキラ光ってとても綺麗な宝石だ。王族や貴族向けの装飾品に使われる最高級の宝石としてかなりの値段で取引されている。
このブルーダイヤモンドは国内販売だけではなく、少量であるが他国にも卸している。その販路内にはドワーフが工房を営んでいる街も経由していたはずだ、とセバスチャンは言った。
仮に販路内のドワーフが作っていなかったとしても、絵を見せれば何か知っているかもしれない。未知の武器を探す取っ掛かりとしては十分なのではないだろうか。
「そうね。こちらの捜索は任せますわ」
「はい。お任せ下さい」
セバスチャンに一任しつつ、二人は屋敷の中へと戻って行く。リビングに到着すると、モナがお茶を用意してくれた。
ガーベラが紅茶を一口。ソーサーにカップを戻したタイミングで、真剣な表情を浮かべたセバスチャンが口を開いた。
「お嬢様。あと半年もすれば学園に入学となります。……夢の件もありますが、そろそろ将来の事も考えねばなりません」
現在、ガーベラは十四歳と半分。春を迎える頃には十五歳になる。決意を胸にした七歳の頃と比べて随分と大人っぽくなった。
彼女自身、鏡を見れば……夢の中で見た自分とそっくりだ。ベッドで眠る彼女が腹部を刺されて死ぬ夢と瓜二つの自分に成長した。
――死の時は迫っている。毎朝、鏡を見る度にそう強く思えるようになっていた。
「ええ。そろそろ眠る時も気を付けねばなりませんわね」
だが、今のガーベラは自信に満ち溢れている。それは過酷なブートキャンプをやり遂げ、様々な戦闘技術と知識、そして自信を手に入れたからだろう。
夢に見た相手を思い浮べても、正直負ける気はしない。
「ダニーには注意するよう言っておりますが、お嬢様も十分にお気をつけて下さい」
ダニーとは屋敷の警備を担う衛兵の主任だ。彼は先々代のビルワース当主にスカウトされた信頼できる人間の一人。彼にも既に夢の件は伝えており、たまに実戦形式の組手で相手になってもらっていた。
彼曰く「今のお嬢様を簡単に殺せるとは思えませんがね」だそうだが。
「……やはり、お嬢様の殺害を目論む者と旦那様と奥様を殺害した者は同一人物なのでしょうか?」
夢が現実になる日が近づいて来ているせいか、セバスチャンは思い悩むように口から言葉を漏らす。
「そう考えるのが妥当……と思っていたのですが、本当にそうなのかしら?」
幼い頃は漠然と「自分は死ぬ。故に抗わなければ」と考えてきた。
だが、成長するにつれて、冷静に自分の運命に向き合いながら考えていくと一つの矛盾に辿り着く。
「と、言いますと?」
「お父様とお母様を殺害し、私を孤立させるメリットは簡単に思い浮かびますわよね?」
両親を失ったガーベラを狙う意味、それはビルワース家の財産と爵位を得る事だ。これが一番しっくりくる犯人の目的と言えるだろう。だと、仮定した上で更に考える。
「どうして今更私を殺す事にしたのかしら? ビルワース家の血が途絶えれば財産と爵位は王国に返上。全部パァですわ」
そう考えると今更彼女を殺す意味が分からない。財産や爵位が目当てではなく、元より殺害する気であればもっと早く――それこそ彼女がまだ幼い頃に殺せば良かっただろう。その方が成功する確率は高い。
「確かにそうですね……」
つまり、ビルワース家の財産や爵位が狙いであればガーベラの生存は絶対条件。彼女が生きていて、婿を迎える事こそが勝利条件となるはずだ。
「相続書類の偽造はどうでしょう? ビルワース家の財産と爵位を譲る、とお嬢様を騙って偽造する可能性はありませんか?」
「あり得なくもありませんが……そう簡単に出来るのかしら?」
七年前に両親が死んで注目され、更にガーベラが死ねば注目度は猶更増すだろう。
そんな中で相続書類が世に出てきたとして、王城は書類の真偽を問わずに審査を通過させるだろうか? 噂好きな者でなくても「随分と都合が良い」と思わないだろうか?
「お父様が存命の頃、王城でどんな仕事をしていたかご存知?」
「旦那様は陛下や宰相閣下の相談役、また他国との外交を主な仕事としておりました。機密も多く扱っていたため、奥様や私共使用人に対しても仕事内容に関する詳細は一切口にしておりませんでした」
仮に両親の死が自分の死と関連していないのであれば、真っ先に浮かぶ原因の一つは父親の仕事に関してだろう。どんな案件に関わっていたかはセバスチャンも知らぬようだが、機密とやらが問題であったとしたら。
他の貴族から逆恨みを受けて殺害、もしくは外交相手である他国が原因で――と、あり得そうな考えがいくつか浮かぶ。浮かぶだけで確証は無いが。
「……今の段階では判断できませんわね。確かな事は、もうすぐ私が殺される日が近いという事ですわ」
「お止め下さい! そのような事、口になさらないで下さい!」
ガーベラが肩を竦めながら言うと、モナからお叱りを受けた。ガーベラを愛しく思うモナからすれば当然のリアクションだ。
「そうね。ごめんなさい、モナ」
ガーベラが謝ると、気を利かせたセバスチャンが話題を変えた。
「……話が逸れてしまいましたな。将来の話に戻しましょう。学園入学から三年後の卒業を迎えれば、お嬢様は成人となります。陛下が保留していたビルワース家の行く末を決断せねばなりません」
アグレシア王国は貴族庶民問わず、全国民は十八歳で成人となる。
ただ、学園に通っている貴族の子供は誕生日を迎えれば成人というわけじゃなく、学園を卒業した翌日から成人扱いとされる。学園卒業後の翌日には貴族の子供達が王城に招集され、成人を祝う大きなパーティーが開かれるのは毎年の恒例行事といってもよい。
ガーベラもパーティーに参加した後、王城にて身の振り方を問われるだろう。その日まで「どうしたいのか」を決めておかねばならない。
「お嬢様、何かお考えは既にお持ちですか?」
モナに問われ、ガーベラは「そうですわねぇ」と頬に指を当てながら少し考える。
「お父様とお母様のような幸せな家庭は作りたいですわよね。出来れば恋愛結婚したいですわ」
ガーベラの両親は貴族には珍しい恋愛結婚だった。家同士の利害を無視した愛だけを求めた結婚であり、生前はいつもラブラブであった。死んでいなければ今でも娘の前でラブラブな様子を見せていたに違いない。
今思い出しても両親は幸せそうだった。幼いガーベラがそう思う程であり、それを見て育った彼女が「自分もあれが理想」と思うのは当然なのかもしれない。
ダメかしら? と上目遣いで二人を窺うと、モナとセバスチャンは首を振る。
「いいえ。お嬢様のお好きなように。我々はお嬢様を全力で支えると旦那様と奥様に誓っております」
「お嬢様の将来ですから。どんな形であれ、私達は支持致しますよ」
最も信頼を寄せる二人にご安心下さい、と言われてガーベラは笑顔を浮かべて「ありがとう」と礼を言った。
「お嬢様と同学年、在学中に出会うであろう有能な男子はリスト化しております。あとで参考程度に目を通して下さい」
既にセバスチャンは同世代の貴族家をリサーチ済みで、ビルワース家とガーベラに釣り合う男子をリスト化しているようだ。恐らくはガーベラがどのような判断をしても助けになるよう用意していたのだろう。
「結婚は恋愛結婚で、あとは……。学園で経済を学ぼうと思っていますの。家の財産を活かして商売をしようと思っていますわ」
まだざっくりとであるが、ガーベラはビルワース家に更なる財産を築き上げようと考えているようだ。
「世の中、最も重要なのは愛と金ですわ」
愛と金。一般的にこの二つを手に入れたら最高の人生を送れるだろう。ただ、世界中何人もの先人達が両方を得られずに最終的には不幸な人生を送っているとも言える。
「極論をいきますか」
「ええ。私は妥協したくないの。死の運命を覆し、お父様とお母様のような愛を手に入れ、お金にも不自由しない生活を送りたいですわ」
十四歳に成長したガーベラの性格は「妥協したくない」と、この言葉に全てが集約されているといって良いだろう。
魔法の本で訓練を積んだ彼女は努力と根性、強い意思で全てを乗り越えた。運命に抗うため、これまで妥協などできなかった。幼少期に妥協を捨ててきたからこそ、自分の将来にも完璧を求める性格になったと言うべきか。
故に彼女は脳裏に描く最高の人生を現実にさせようとしている。
素敵で優しい、父のような旦那様。母のように旦那様を愛し、愛され、何不自由の無い生活を送りたい。
その為には妥協しない。自分の好みの旦那様を絶対に見つけるつもりだし、家の財産を元に商売をする為の勉強だって必死にやるつもりだ。
とまぁ、ここまで語ったのが彼女の理想である。
「なるほど。承知しました。我々もそのように今後は動きます」
「ええ。お願いしますわ。……あら?」
ニコリとガーベラが笑ったところで、庭からゴトゴトと馬車の車輪が動く音が微かに聞こえてきた。
その音にいち早く気付いたのはガーベラだ。誰か来ましたわね、と言うとセバスチャンが一人で玄関に向かって行った。
ガーベラはモナと一緒にリビングの窓から外を覗き見て、馬車のキャビンに描かれた紋章を確認すると――
「あれはオークマン家の紋章ですね」
隣にいたモナが「はぁ」と大きなため息を零す。実のところ、オークマン家は何度も親族の立場を使ってビルワース家を取り込もうと顔を見せて来ていたのだ。
今年に入っても既に三回は訪れており、その度に使用人達は理由を付けてガーベラと会わせないようにしてきた。今回も「早く結婚しよう」といった旨を喚き散らすに違いない。
彼等が屋敷の玄関に入って来たタイミングで、ガーベラはリビングのドアを少しだけ開ける。隙間から話し声と姿を確認していると、やはりオークマン家の目的は「結婚」に関する事のようだ。
「もうガーベラも十五になるのだろう? いい加減、結婚するべきだと思わんかね?」
「デュフフ。ガーベラたん。可愛くなっただろう? 早く結婚した方がいいよォ。じゃないと、こんな家、すぐに潰れちまうよォ」
隙間から覗き見ていたガーベラはオークマン家親子の姿と話し声を確認すると、思わず顔を大きく引っ込めてモナを見た。
「Holy shit……! なんですの!? あの豚は!?」
「オークマン家の親子でございます。右側におられる若豚が息子でございますね」
親子共々、贅肉で顎と首の境目が分からないし、キンキラキンの装飾過多な服はパッツンパッツンになって今にもボタンが弾け飛びそうだ。
それに脂ぎった汗を掻きながら目には醜悪な欲望に満ちた色で染まっている。
「ありえねえですわ……。冗談じゃない! なんであんなFuckin'Pigと結婚するような話になっていますの!?」
ガーベラとしては初耳だ。セバスチャンとモナが彼女の為にオークマン家と会わせないようにあの手この手を尽くしていたし、不快にさせぬよう話題にも挙げなかったせいでもあるのだが。
「我々はお嬢様が拒否するだろうと思っていましたので、何度も遠回しに断ってきました。ですが、それでもお嬢様の意思じゃないとしつこく何度も言ってきまして……」
「そう。では、ハッキリ言った方が良いですわね」
そう言ったガーベラの目が鋭くなる。まるで獲物を狩る時のハンターだ。このような目付きはブートキャンプの時によく見せていた。
ドアを勢いよく開けたガーベラはズンズンと大股でオークマン親子に近付いていき、セバスチャンの隣に並んだ。
「おお! お前がガーベラか! ようやく会えたな! 早速だが、息子とのけっこ――」
「お断りですわ」
当主であるピグ・オークマンの言葉が終わる前に、ガーベラはピシャリと「NO」を突き付けた。
「私、結婚相手は自分で決めるつもりですの。このような醜悪な豚と結婚する気は一ミリもございませんし、考慮するにも値しませんわ」
ガーベラのハッキリとした言葉にオークマン親子はポカンと口を半開きにして固まっていたが、みるみる顔が赤くなって怒りを露わにしていく。
「な、なんて事を! 私達が良かれとおもっ――」
「うるせえ豚野郎! Fuck you!」
間髪入れずにガーベラは叫びながら両手の中指を立てた。これまで学んできた事を存分に活かし、一発ぶちかましてやった後で彼女はニコリと笑いながら言葉を続ける。
「お帰り下さいまし。そしてもう二度と顔を見せないようお願い申し上げますわ。ああ、結婚に関しては成人を待たずに陛下へお伝えするつもりですのよ?」
中指を立てたままの「早く消えろ」宣言である。
「……あとで後悔しても知らんぞ! いや、絶対に後悔させてやるッ!」
オークマンは固まったままの息子の腕を掴むと引き摺るように玄関を出て行った。玄関を開けっ放しにして去って行く彼等に対し、ガーベラは中指を立てたまま――
「Fuck you ass hole!」
ガタガタと車輪の音を立てながら去って行くオークマン家の馬車。ガーベラは去って行く馬車に向かって中指をおっ立てたまま、もう一度「Fuck you!」と大声でぶちかました。
馬車が敷地から消えた後、彼女は自ら玄関ドアを閉めると笑顔でセバスチャンに振り返る。
「お見事でございました」
「でしょう?」
おほほほ、と笑いながらセバスチャンと共にリビングへ戻って行くガーベラ。
宣言通り、彼女は成人を待たずに「結婚」について王城へ希望を告げた。彼女の「恋愛結婚宣言」は王城に受理され、彼女の意思は王へと伝わる。
これによってビルワース家の結婚問題については解消されたのだが……。
それから約半年後。ガーベラが学園入学を控えた一週間前、遂に運命は動き出す。
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