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4 七歳、基礎体力向上編
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ガーベラは翌日から早速運命に抗う準備を始めた。
運命に抗う為のヒントはもう既に手元にある。そう、おじさんから手渡された『魔法の本』だ。
濃い茶色をした革のハードカバー。大きさは幼いガーベラが胸に抱えられる程度である。ちょっとした図鑑か辞典のような大きさだ。まだ幼いガーベラが抱えるには少し大きい。
ハードカバーには刻印等の装飾は無く、タイトルである「誰でも出来る! ハリ〇ッド式鍛錬方法!」と書かれているだけ。尚、タイトルの文字はこちらの世界で使われている文字である。
「この本から抗う術を学びなさいと言っていたけど……」
ガーベラは床に敷かれたラグの上に本を置いて、早速一ページ目を開く。すると開いた瞬間、ピカリと光を放った。
キャッ、と漏れるガーベラとモナの声。目を開くと本の異常性が見てとれる。
『ハァイ! この本は様々な知識を貴女に与えます。ええ、それはもうビックリするほど多くの事を学べるでしょう!』
本はただの本じゃなく、飛び出す絵本だった。
光を放つページから現れたのは頭にインカムを装着し、スーツを着用した金髪お姉さんの上半身。
本のページから見知らぬ人間の姿が空中投影されるという、全く見た事も聞いた事もない現象。摩訶不思議な状況にガーベラ達は驚くが、いくら考えても「神様ってスゲェや」の感想しか出てこない。
まさに飛び出す絵本ならぬ、飛び出す魔法の本といったところか。
『さぁ、今日から早速始めましょう! 大丈夫! 安心して下さいね! 本日から開始されるカリキュラムでは、まず貴女の体を鍛える為の基礎訓練となっています!』
ポカンと口を開けたまま驚くガーベラ達に、金髪のお姉さんは「次のページを捲って下さいね!」と説明を口にした。
正気を取り戻したガーベラは慌てて次のページを捲る。すると、次のページも光を放って人間の姿が空中投影されたのだ。
次は女性ではなく、タンクトップと短パンを身に着けた筋肉モリモリマッチョマンが現れた。今度は上半身だけじゃなく、全身での登場だ!
『やぁ! 最初は簡単なエクササイズから始めよう! 僕のカリキュラムを続ける事で基礎体力の向上に繋がるのさァ!』
HAHAHA!! と笑いながらガーベラに向かって指差す筋肉モリモリマッチョマン。
「はい。よろしくお願いします」
ガーベラは律儀に返事を返すと、筋肉モリモリマッチョマンは「Good!」とサムズアップした。
『よし! じゃあ、早速始めるよ! まずは両手を前に出して!』
トレーナーであるマッチョマンと同じポーズを取ったガーベラは、彼の指示する通りに体を動かして行く。
最初は軽い準備運動のような、非常にゆっくりとした動きからだった。
『ワン、ツー! ワン、ツー!』
「わ、わん、つー! わん、つー!」
手を曲げて、伸ばして、上下左右に動かすといった動作から始まり、上半身を軽く捻り、アキレス腱を伸ばしたり、上体を捻りながら片足をゆっくりと上げてバランスを取ったりとスローペースなエクササイズにシフトしていく。
結果から言うと、一日目の運動時間は休憩を挟みながらの二時間だけ。
だが、ガーベラの顔には玉のような汗が浮かび、着ていた部屋着用のふりふりレース付きワンピースは大量の汗を吸い込んで肌に張り付く。
現在の運動や鍛錬に関する常識では理解不能なほどの疲労感をガーベラ本人も感じていたが、見守っていたモナとセバスチャンも同様の感想だろう。どうしてスローペースな動きを繰り返しているだけなのに、こんなにもお嬢様は疲れ果てているのか、と。
異世界で発達した運動分野に関する知識や技術、科学的であったり、人間の仕組みを解析・研究して発展したトレーニングはこの世界において「チート」と呼べるのかもしれない。
ただ、これはまだ一日目。まだまだ入り口も入り口である。基礎訓練と題している事もあって、本格的な運動を行ったことのないガーベラに向けた「体作り」の始まりだろう。
『Good! 今日の訓練はここまで! 明日も一緒に良い汗をかこう!』
「は、はひ……」
筋肉モリモリマッチョマンが終わりを告げて「HAHAHA!」と笑った後、魔法の本は勝手にパタンと閉じられた。
疲れ果てたガーベラはその場に座り込み、大きく息を吐く。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「え、ええ。大丈夫よ。初めてだから緊張していたし、疲れただけ」
モナは白いタオルでガーベラの汗を拭き、セバスチャンはコップに水を入れて手渡した。
「訓練用にお召し物も用意した方が良いですな」
「そうね……。動きやすい物をお願いするわ」
今着ている物は春用の少し生地の厚いワンピースだ。これだけ汗を掻くならば、夏用の薄いワンピースの方がいいかもしれない。勿論、貴族らしい装飾は無用である。
「これで本当に強くなれるのかしら?」
ガーベラはもっと過酷な訓練を思い描いていたのかもしれない。噂話程度であるが、王国騎士がどのような訓練をしているかも耳に入れた事がある。
王国騎士は重い鎧を着て、何キロも走り込んだり、ひたすら剣の素振りをしたりするそうだ。しかし、今日のガーベラは非常にゆっくりとした動きで体を動かしただけ。
この世界の常識しか持っていない彼女が少し懐疑的になるのも頷けよう。
「本から飛び出してきた御仁は、最初はと言っておりました。もしかしたら、徐々に激しい運動になっていくのかもしれません」
それに基礎訓練である、という点もセバスチャンは付け加える。
なるほどと頷いたガーベラは水を飲んで一先ずは納得したようだ。ぐびぐびと水を飲んでいると、彼女のお腹がぐぅと鳴った。
「食事を用意致します」
運動した事で腹が減ったのだろう。ある意味、健康な証とも言える。
よく動き、よく食べて、よく寝る。幼少期の在り方としてはこれが一番なのだろうか。数日前と変わって、モリモリと食事を摂るガーベラに使用人一同はホッと胸を撫でおろす。
とにかく、こうして一日目のカリキュラムは終了した。その後、二日目、三日目と続いて行くのだが……。
確かにセバスチャンの推測は正しかった。日を追う毎に運動量が少しずつ増えて行き、二時間から二時間半、二時間半から三時間……と徐々に増加していった。
結果、運動時間の増加は最終的に三時間で止まる。といっても、ぶっ続けじゃなく、一時間経過する毎に小休憩が挟まれるのだが。
内容としては、最初にゆっくりとした準備運動と柔軟。所々では床に寝そべって行う動きも追加された。
小休憩を挟んでからは激しい運動に。
『ワン、ツー! ワン、ツー!』
「ワン、ツー! ワン、ツー!」
軽快な音楽が鳴る中、筋肉モリモリマッチョマンがワンツーパンチを繰り出すような動きを繰り返す。ガーベラも同じ動きを繰り返していく。
『次は足の動きも追加! しっかりと足を上げよう!』
「ふっ、ふっ! ワン、ツー! ワン、ツー!」
激しい動きを繰り返し、再び小休憩を挟んだら残り一時間は体幹トレーニングをこなす。
全体を見れば、始めたばかりの頃に比べてかなりハードな内容になった。だが、内容に比例してガーベラの体力はメキメキと向上していった。
半年を過ぎた頃には余裕でこなせるようになり、繰り返しになる内容にも飽きずに続けていく様は見事としか言いようがない。
余裕が出てきた彼女は更に自分へ課題を加えた。それは葬式以降に中断されていた貴族としての勉強である。
午前中でトレーニングを終わらせ、昼食を摂った後はセバスチャンによる家庭学習が始まる。内容としては文字や文章の書き方から計算、国の歴史等。
貴族家に生まれた子が受ける初期学習としてはスタンダードな教育内容であるが、こちらでもガーベラは引け目無しに優秀だと評価される。
セバスチャンが一を教えれば勝手に十を知るような、傍から見てもこの時既にガーベラは他の貴族家に生まれた子供を遥かに凌駕していると言わざるを得ない。
体力、知識、どちらもメキメキと向上していく日々を送りながら一年半の時が過ぎ、ガーベラは九歳に成長した。
運命に抗う為のヒントはもう既に手元にある。そう、おじさんから手渡された『魔法の本』だ。
濃い茶色をした革のハードカバー。大きさは幼いガーベラが胸に抱えられる程度である。ちょっとした図鑑か辞典のような大きさだ。まだ幼いガーベラが抱えるには少し大きい。
ハードカバーには刻印等の装飾は無く、タイトルである「誰でも出来る! ハリ〇ッド式鍛錬方法!」と書かれているだけ。尚、タイトルの文字はこちらの世界で使われている文字である。
「この本から抗う術を学びなさいと言っていたけど……」
ガーベラは床に敷かれたラグの上に本を置いて、早速一ページ目を開く。すると開いた瞬間、ピカリと光を放った。
キャッ、と漏れるガーベラとモナの声。目を開くと本の異常性が見てとれる。
『ハァイ! この本は様々な知識を貴女に与えます。ええ、それはもうビックリするほど多くの事を学べるでしょう!』
本はただの本じゃなく、飛び出す絵本だった。
光を放つページから現れたのは頭にインカムを装着し、スーツを着用した金髪お姉さんの上半身。
本のページから見知らぬ人間の姿が空中投影されるという、全く見た事も聞いた事もない現象。摩訶不思議な状況にガーベラ達は驚くが、いくら考えても「神様ってスゲェや」の感想しか出てこない。
まさに飛び出す絵本ならぬ、飛び出す魔法の本といったところか。
『さぁ、今日から早速始めましょう! 大丈夫! 安心して下さいね! 本日から開始されるカリキュラムでは、まず貴女の体を鍛える為の基礎訓練となっています!』
ポカンと口を開けたまま驚くガーベラ達に、金髪のお姉さんは「次のページを捲って下さいね!」と説明を口にした。
正気を取り戻したガーベラは慌てて次のページを捲る。すると、次のページも光を放って人間の姿が空中投影されたのだ。
次は女性ではなく、タンクトップと短パンを身に着けた筋肉モリモリマッチョマンが現れた。今度は上半身だけじゃなく、全身での登場だ!
『やぁ! 最初は簡単なエクササイズから始めよう! 僕のカリキュラムを続ける事で基礎体力の向上に繋がるのさァ!』
HAHAHA!! と笑いながらガーベラに向かって指差す筋肉モリモリマッチョマン。
「はい。よろしくお願いします」
ガーベラは律儀に返事を返すと、筋肉モリモリマッチョマンは「Good!」とサムズアップした。
『よし! じゃあ、早速始めるよ! まずは両手を前に出して!』
トレーナーであるマッチョマンと同じポーズを取ったガーベラは、彼の指示する通りに体を動かして行く。
最初は軽い準備運動のような、非常にゆっくりとした動きからだった。
『ワン、ツー! ワン、ツー!』
「わ、わん、つー! わん、つー!」
手を曲げて、伸ばして、上下左右に動かすといった動作から始まり、上半身を軽く捻り、アキレス腱を伸ばしたり、上体を捻りながら片足をゆっくりと上げてバランスを取ったりとスローペースなエクササイズにシフトしていく。
結果から言うと、一日目の運動時間は休憩を挟みながらの二時間だけ。
だが、ガーベラの顔には玉のような汗が浮かび、着ていた部屋着用のふりふりレース付きワンピースは大量の汗を吸い込んで肌に張り付く。
現在の運動や鍛錬に関する常識では理解不能なほどの疲労感をガーベラ本人も感じていたが、見守っていたモナとセバスチャンも同様の感想だろう。どうしてスローペースな動きを繰り返しているだけなのに、こんなにもお嬢様は疲れ果てているのか、と。
異世界で発達した運動分野に関する知識や技術、科学的であったり、人間の仕組みを解析・研究して発展したトレーニングはこの世界において「チート」と呼べるのかもしれない。
ただ、これはまだ一日目。まだまだ入り口も入り口である。基礎訓練と題している事もあって、本格的な運動を行ったことのないガーベラに向けた「体作り」の始まりだろう。
『Good! 今日の訓練はここまで! 明日も一緒に良い汗をかこう!』
「は、はひ……」
筋肉モリモリマッチョマンが終わりを告げて「HAHAHA!」と笑った後、魔法の本は勝手にパタンと閉じられた。
疲れ果てたガーベラはその場に座り込み、大きく息を吐く。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「え、ええ。大丈夫よ。初めてだから緊張していたし、疲れただけ」
モナは白いタオルでガーベラの汗を拭き、セバスチャンはコップに水を入れて手渡した。
「訓練用にお召し物も用意した方が良いですな」
「そうね……。動きやすい物をお願いするわ」
今着ている物は春用の少し生地の厚いワンピースだ。これだけ汗を掻くならば、夏用の薄いワンピースの方がいいかもしれない。勿論、貴族らしい装飾は無用である。
「これで本当に強くなれるのかしら?」
ガーベラはもっと過酷な訓練を思い描いていたのかもしれない。噂話程度であるが、王国騎士がどのような訓練をしているかも耳に入れた事がある。
王国騎士は重い鎧を着て、何キロも走り込んだり、ひたすら剣の素振りをしたりするそうだ。しかし、今日のガーベラは非常にゆっくりとした動きで体を動かしただけ。
この世界の常識しか持っていない彼女が少し懐疑的になるのも頷けよう。
「本から飛び出してきた御仁は、最初はと言っておりました。もしかしたら、徐々に激しい運動になっていくのかもしれません」
それに基礎訓練である、という点もセバスチャンは付け加える。
なるほどと頷いたガーベラは水を飲んで一先ずは納得したようだ。ぐびぐびと水を飲んでいると、彼女のお腹がぐぅと鳴った。
「食事を用意致します」
運動した事で腹が減ったのだろう。ある意味、健康な証とも言える。
よく動き、よく食べて、よく寝る。幼少期の在り方としてはこれが一番なのだろうか。数日前と変わって、モリモリと食事を摂るガーベラに使用人一同はホッと胸を撫でおろす。
とにかく、こうして一日目のカリキュラムは終了した。その後、二日目、三日目と続いて行くのだが……。
確かにセバスチャンの推測は正しかった。日を追う毎に運動量が少しずつ増えて行き、二時間から二時間半、二時間半から三時間……と徐々に増加していった。
結果、運動時間の増加は最終的に三時間で止まる。といっても、ぶっ続けじゃなく、一時間経過する毎に小休憩が挟まれるのだが。
内容としては、最初にゆっくりとした準備運動と柔軟。所々では床に寝そべって行う動きも追加された。
小休憩を挟んでからは激しい運動に。
『ワン、ツー! ワン、ツー!』
「ワン、ツー! ワン、ツー!」
軽快な音楽が鳴る中、筋肉モリモリマッチョマンがワンツーパンチを繰り出すような動きを繰り返す。ガーベラも同じ動きを繰り返していく。
『次は足の動きも追加! しっかりと足を上げよう!』
「ふっ、ふっ! ワン、ツー! ワン、ツー!」
激しい動きを繰り返し、再び小休憩を挟んだら残り一時間は体幹トレーニングをこなす。
全体を見れば、始めたばかりの頃に比べてかなりハードな内容になった。だが、内容に比例してガーベラの体力はメキメキと向上していった。
半年を過ぎた頃には余裕でこなせるようになり、繰り返しになる内容にも飽きずに続けていく様は見事としか言いようがない。
余裕が出てきた彼女は更に自分へ課題を加えた。それは葬式以降に中断されていた貴族としての勉強である。
午前中でトレーニングを終わらせ、昼食を摂った後はセバスチャンによる家庭学習が始まる。内容としては文字や文章の書き方から計算、国の歴史等。
貴族家に生まれた子が受ける初期学習としてはスタンダードな教育内容であるが、こちらでもガーベラは引け目無しに優秀だと評価される。
セバスチャンが一を教えれば勝手に十を知るような、傍から見てもこの時既にガーベラは他の貴族家に生まれた子供を遥かに凌駕していると言わざるを得ない。
体力、知識、どちらもメキメキと向上していく日々を送りながら一年半の時が過ぎ、ガーベラは九歳に成長した。
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