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第8話
しおりを挟む「ありゃまあ、今日もかき回してるわ、なんでこんなにかき回すんやろ。ちょっと1日や2日賞味期限が違うからって、こんなにかき回さんでもええのに」ハムコーナーの冷蔵陳列ケースの品出しをしているひばりが大きな声を出す。
毎日のことだが今日は特別ぐちゃぐちゃになってるようだ。「ほんまに、並べるもんの気持ちになってみいよ、自分さえよかったらええんか、最近の客は」珍しく怒りを表し続けるひばり。
よくインバウンドで訪れる外国人のマナーの悪さをマスコミなどがこぞって話題にしているが、それよりもたちの悪いと思われるのが最近の日本人の食品に対する贅沢とわがままだ。
ハムなどはリードタイムが一ヶ月ぐらいあるのが普通で、1日や2日の賞味期限の差は全く問題ないはずなのに、最近の客は一日でも新しいのを得るために奥の方から取ろうとして、せっかくきれいに並べた陳列をなんの権利があると錯覚してかぐちゃぐちゃにしていく。お客は神様(どこのバカが言い出したか)だから売る方は黙って我慢するしかない。
食べ物をぶつけて笑いを取ろうとするエンタ番組、「フードファイター」などという意味がわからない
輩も現れて意味のない大食いで視聴者を食い物にする。なんなんだこの国は?
高津はそんなテレビの映像を見るたび、誰にというでもなく、空腹に苦しんだ幼少期を過ごした怒りがこみ上げてくる。
「もう、毎日やられるから適当に並べといても同じやで。どうせまた明日朝にはぐちゃぐちゃにされてるんやから。」高津は日頃思ってることをひばりに言ってしまった。
日本人はいつからこんな利己主義の恥さらしになってしまったのか?我先にではなく、武士は食わねど高楊枝の哲学はどこに消えたのか?
たかがスーパーの1売り場の1商品だが、毎日変わらず乱れているその景色が、日本人の変わり果てた節操のない姿を表していると思うのは単純すぎるのか。
「はーい、わかりました」ひばりは面倒な作業から開放される高津の一言であっという間にハムの陳列を終えてしまった。
それでいい。あとは客にまかせてまた明日の朝ぐちゃぐちゃになったハムたちを適当にきれいに並べれば、、。
毎日のことだが今日は特別ぐちゃぐちゃになってるようだ。「ほんまに、並べるもんの気持ちになってみいよ、自分さえよかったらええんか、最近の客は」珍しく怒りを表し続けるひばり。
よくインバウンドで訪れる外国人のマナーの悪さをマスコミなどがこぞって話題にしているが、それよりもたちの悪いと思われるのが最近の日本人の食品に対する贅沢とわがままだ。
ハムなどはリードタイムが一ヶ月ぐらいあるのが普通で、1日や2日の賞味期限の差は全く問題ないはずなのに、最近の客は一日でも新しいのを得るために奥の方から取ろうとして、せっかくきれいに並べた陳列をなんの権利があると錯覚してかぐちゃぐちゃにしていく。お客は神様(どこのバカが言い出したか)だから売る方は黙って我慢するしかない。
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「はーい、わかりました」ひばりは面倒な作業から開放される高津の一言であっという間にハムの陳列を終えてしまった。
それでいい。あとは客にまかせてまた明日の朝ぐちゃぐちゃになったハムたちを適当にきれいに並べれば、、。
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