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忙しい毎日の中こず恵は、二人の子供のことを忘れることはなかった。妹を通じて送られてくる写真を見るたび涙した。
だが、こず恵には新たな命が生まれた。この子だけは離さない、何があっても二人の子どものような悲しい思いはさせない。
一人ででも育てるつもりで連れ出したふたりの子供を奪い返された悲しみをあらためて思い出し懺悔した。
手の中で「ノアの方舟」が笑った。「空也、ゴメンなさい、あの子達はどうしてるんやろ?ちゃんと食べさせてもらってるんかなあ」こず恵の思いは離れ離れになった美和と由美に向かう。
「残酷なことをしてしもたな、僕はアホやったわ。もっとほかにやり方があったのになあ」空也はこず恵としずかを抱きしめた。
「信ちゃん、信介しゃん、うちはあんたに会いとうて烏峠ば越えてきた♫そやけん抱いてくれんね信介しゃん♫」浮かぶのは五木寛之の青春の門の主題歌、山崎ハコ。
夜遅くまで働く空也を思いお腹にあったしずかに聞かせてきた歌
夜空に浮かぶ無数の星たちを見ながら、いつか必ず3人の子一緒に抱きしめたいと思うのだった。
その日はそんなに遠くはなかった。妹のはからいで、妹の家に二人の子を連れてきてくれて再会することが出来た。別れてから3年後のことだった。「大きくなったなあ美和、由美、会いたかった」こず恵はボロボロ涙を流しながら言葉にならない思いを叫んだ。
ふたりの子供もこず恵につられてボロボロ涙を流した。
空也は懺悔の思いでその光景を見ながら、「僕が入る余地はない」ただ申し訳なく過去の自分の過ちを悔いた。
その後ふたりの子が自分で訪ねてくれるような年齢となり、別れ別れになった悲しみは時の流れと、子供たちの周りに出来た人間関係によってすっかり薄れていったように思われた。
何もわからないまだ幼いしずかを、ふたりの娘たちは同じ姉妹として可愛がるのだった。
こず恵と空也はこんなふうに素直に育ってきたふたりの娘への感謝と懺悔の気持ちを改めて感じるのだった
だが、こず恵には新たな命が生まれた。この子だけは離さない、何があっても二人の子どものような悲しい思いはさせない。
一人ででも育てるつもりで連れ出したふたりの子供を奪い返された悲しみをあらためて思い出し懺悔した。
手の中で「ノアの方舟」が笑った。「空也、ゴメンなさい、あの子達はどうしてるんやろ?ちゃんと食べさせてもらってるんかなあ」こず恵の思いは離れ離れになった美和と由美に向かう。
「残酷なことをしてしもたな、僕はアホやったわ。もっとほかにやり方があったのになあ」空也はこず恵としずかを抱きしめた。
「信ちゃん、信介しゃん、うちはあんたに会いとうて烏峠ば越えてきた♫そやけん抱いてくれんね信介しゃん♫」浮かぶのは五木寛之の青春の門の主題歌、山崎ハコ。
夜遅くまで働く空也を思いお腹にあったしずかに聞かせてきた歌
夜空に浮かぶ無数の星たちを見ながら、いつか必ず3人の子一緒に抱きしめたいと思うのだった。
その日はそんなに遠くはなかった。妹のはからいで、妹の家に二人の子を連れてきてくれて再会することが出来た。別れてから3年後のことだった。「大きくなったなあ美和、由美、会いたかった」こず恵はボロボロ涙を流しながら言葉にならない思いを叫んだ。
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その後ふたりの子が自分で訪ねてくれるような年齢となり、別れ別れになった悲しみは時の流れと、子供たちの周りに出来た人間関係によってすっかり薄れていったように思われた。
何もわからないまだ幼いしずかを、ふたりの娘たちは同じ姉妹として可愛がるのだった。
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