13 / 19
それぞれの聖夜
#3
しおりを挟む
一星が性急な手つきで互いの前を寛げ、兜合わせで一緒くたにペニスを擦る。
「あっ、は、気持ち、い……」
「ユキ。可愛い、ユキ」
五指から伝わる皮膚の感触と、激しく立てる水音が二人の興奮を引き立てた。
ぎりぎりまで近づいたことによって互いの胸元に差した氷の薔薇が擦れ合う。体が揺れるたびに、淫らな水音と荒い吐息の中でキンと涼やかな摩擦音を奏でた。その音色が二人に背徳感のスパイスに落とす。
突然一星が雪雄の薔薇を抜きとり自らの胸ポケットに差すと、雪雄のコートごとトップスを持ち上げた。
窺うように見ると、欲に濡れた眼差しで昏く笑われる。その野性的な一星の顔つきに、雪雄の胸が急激に高まった。
「顎で押さえて」
言う通りにすると、骨ばった指が雪雄の乳首をいじめ始めた。
きゅう、とつねられると腰がまた熱く痺れてしまう。上下から来る二点同時の快感に震え、顎の力が呆気なく解けた。コートとトップスが一星の肘まで落ちたが、その指は止まらない。
服の下に隠れた手は、先端を転がすように弄ったかと思うと、時折強く押し込まれる。
いつ来るか分からない強い刺激に、ンッンッと喉から甘えた音が漏れた。
「押さえててって言ったのに」
息荒く責めていても、その声はまるで嬉しげで険がなかった。
強引ながらも優しさを残す一星の手つきに、雪雄の全身がグズグズに崩れていく。
唇の端から唾液が流れ、一星の舌にねっとり舐めとられた。そのまま深く口づけられ、自分を喰らう狼の首に手を回す。
このままこの男と繋がりたい。溶けて一つになってしまいたい。
そんな雪雄の気持ちに応えるかのように一星のが下へ下へと下がっていく。隠れたあわいに辿りついた指が触れると、柔らかいそれは指の皮膚を受け止め、一星を引きずり込もうと誘いをかける。
男らしい眉尻をぴくりとさせた一星がじっと見つめてきて、雪雄はある種の後ろめたさに笑いで誤魔化した。
「確かに俺は童貞だが、流石にこれは分かるぞ」
「いやだって……クリスマスだし?」
恋人と過ごす予定だったので勿論、後ろの準備は整えている。
瞬時にして嫉妬で燃えた眼差しが雪雄を射貫いた。無防備な唇に食らいつき、下着ごとパンツを引きずり落とされる。外気に触れた肌が戦慄く暇なく足を掴み上げられ、あわいに濡れた舌先が押し込まれた。
「ひうっ!」
温かい舌先が表面を滑るたび、スニーカーの爪先が快感にびくびくと痙攣した。ぬめりを伴う遠慮のない動きで更に息が乱れていく。
ぴちゃぴちゃと普通以上に音が鳴るのは一星がわざと立てているのだと分かって、唇を噛み締めた。
仰向けの状態で剥き出しになった足の間に、一星の形のいい頭が蠢いている。視界の暴力は雪雄の首まで赤く染め上げた。
「冬野、も……いい。落ち着け、ってえ……」
「一星」
一星と呼んでくれ、と熱い吐息をかけられ、その刺激でまたびくびくと反応してしまう。
「い……一星」
乱れた息でなんとか言いきり視線を合わせると、ぎらぎらとした欲望に溢れた瞳を向けられ、どきりとした。
「ユキ、ユキ、ユキ!」
獣が襲いかかるように身を乗り出され、咄嗟に一星の腹辺りを手で押さえてしまう。服越しに伝わる腹筋の存在に息を呑むのと、あわいに熱い先端が押し入るのは同時だった。
「んああぁぁあぁっ!!」
逞しい刀身が突き込まれ、衝撃で全身が大きく跳ねる。
ぱぁん、と甲高い打擲音と共に前立腺を内側から押し込まれ、気づいた時には射精した後だった。
「あ、は……きもち、い……」
ぴゅるぴゅると腹に精液が溜まるのを見ながら、射精後の快感に打ち震える。
突き入れられただけで射精してしまった放心状態で頭が動かない。
ゆるく笑顔を浮かべて陶酔に浸る雪雄を、息を荒げながらも極上の締まりに耐えきった一星は許さなかった。
ゆるゆると動き、絡みつく肉を楽しみ始めた逞しい腰に、自然と甘えるような声が漏れ出てしまう。
「ん、あぁ……いい……一星、いっせい……」
「ユキ、可愛い、ユキ……好きだ……」
「ん、俺……も」
腰から染みわたるような甘い快感は、次第に激しく互いを貪るものに変わっていく。徐々に強くなっていく腰使いが、喘ぎを悲鳴に似たもの変えた。
「あっ、あっ! いっせ、はげ、し……」
「ユキ、俺のだ、ユキ!」
ぱんっぱんっと硬さの増した睾丸が雪雄の尻を激しく叩く。
頭から爪の先まで食い尽くすように我が物顔で押し入る一星に、雪雄の身体は涙を流して悦んだ。
全身が性感帯になったような感覚に支配されていく。
雪雄のいい所を見つけるや、一心不乱にそこを突き込んでくる一星に愛おしさが湧いてくる。
ご褒美をあげるように意識して締め上げてやると、うっと男前の顔が快感に歪んだ。
経験が少ないゆえの可愛さに、くすくすとした笑いが零れる。けれど余裕は一時だけだった。
「今のはユキが悪い」
「あっ、は、気持ち、い……」
「ユキ。可愛い、ユキ」
五指から伝わる皮膚の感触と、激しく立てる水音が二人の興奮を引き立てた。
ぎりぎりまで近づいたことによって互いの胸元に差した氷の薔薇が擦れ合う。体が揺れるたびに、淫らな水音と荒い吐息の中でキンと涼やかな摩擦音を奏でた。その音色が二人に背徳感のスパイスに落とす。
突然一星が雪雄の薔薇を抜きとり自らの胸ポケットに差すと、雪雄のコートごとトップスを持ち上げた。
窺うように見ると、欲に濡れた眼差しで昏く笑われる。その野性的な一星の顔つきに、雪雄の胸が急激に高まった。
「顎で押さえて」
言う通りにすると、骨ばった指が雪雄の乳首をいじめ始めた。
きゅう、とつねられると腰がまた熱く痺れてしまう。上下から来る二点同時の快感に震え、顎の力が呆気なく解けた。コートとトップスが一星の肘まで落ちたが、その指は止まらない。
服の下に隠れた手は、先端を転がすように弄ったかと思うと、時折強く押し込まれる。
いつ来るか分からない強い刺激に、ンッンッと喉から甘えた音が漏れた。
「押さえててって言ったのに」
息荒く責めていても、その声はまるで嬉しげで険がなかった。
強引ながらも優しさを残す一星の手つきに、雪雄の全身がグズグズに崩れていく。
唇の端から唾液が流れ、一星の舌にねっとり舐めとられた。そのまま深く口づけられ、自分を喰らう狼の首に手を回す。
このままこの男と繋がりたい。溶けて一つになってしまいたい。
そんな雪雄の気持ちに応えるかのように一星のが下へ下へと下がっていく。隠れたあわいに辿りついた指が触れると、柔らかいそれは指の皮膚を受け止め、一星を引きずり込もうと誘いをかける。
男らしい眉尻をぴくりとさせた一星がじっと見つめてきて、雪雄はある種の後ろめたさに笑いで誤魔化した。
「確かに俺は童貞だが、流石にこれは分かるぞ」
「いやだって……クリスマスだし?」
恋人と過ごす予定だったので勿論、後ろの準備は整えている。
瞬時にして嫉妬で燃えた眼差しが雪雄を射貫いた。無防備な唇に食らいつき、下着ごとパンツを引きずり落とされる。外気に触れた肌が戦慄く暇なく足を掴み上げられ、あわいに濡れた舌先が押し込まれた。
「ひうっ!」
温かい舌先が表面を滑るたび、スニーカーの爪先が快感にびくびくと痙攣した。ぬめりを伴う遠慮のない動きで更に息が乱れていく。
ぴちゃぴちゃと普通以上に音が鳴るのは一星がわざと立てているのだと分かって、唇を噛み締めた。
仰向けの状態で剥き出しになった足の間に、一星の形のいい頭が蠢いている。視界の暴力は雪雄の首まで赤く染め上げた。
「冬野、も……いい。落ち着け、ってえ……」
「一星」
一星と呼んでくれ、と熱い吐息をかけられ、その刺激でまたびくびくと反応してしまう。
「い……一星」
乱れた息でなんとか言いきり視線を合わせると、ぎらぎらとした欲望に溢れた瞳を向けられ、どきりとした。
「ユキ、ユキ、ユキ!」
獣が襲いかかるように身を乗り出され、咄嗟に一星の腹辺りを手で押さえてしまう。服越しに伝わる腹筋の存在に息を呑むのと、あわいに熱い先端が押し入るのは同時だった。
「んああぁぁあぁっ!!」
逞しい刀身が突き込まれ、衝撃で全身が大きく跳ねる。
ぱぁん、と甲高い打擲音と共に前立腺を内側から押し込まれ、気づいた時には射精した後だった。
「あ、は……きもち、い……」
ぴゅるぴゅると腹に精液が溜まるのを見ながら、射精後の快感に打ち震える。
突き入れられただけで射精してしまった放心状態で頭が動かない。
ゆるく笑顔を浮かべて陶酔に浸る雪雄を、息を荒げながらも極上の締まりに耐えきった一星は許さなかった。
ゆるゆると動き、絡みつく肉を楽しみ始めた逞しい腰に、自然と甘えるような声が漏れ出てしまう。
「ん、あぁ……いい……一星、いっせい……」
「ユキ、可愛い、ユキ……好きだ……」
「ん、俺……も」
腰から染みわたるような甘い快感は、次第に激しく互いを貪るものに変わっていく。徐々に強くなっていく腰使いが、喘ぎを悲鳴に似たもの変えた。
「あっ、あっ! いっせ、はげ、し……」
「ユキ、俺のだ、ユキ!」
ぱんっぱんっと硬さの増した睾丸が雪雄の尻を激しく叩く。
頭から爪の先まで食い尽くすように我が物顔で押し入る一星に、雪雄の身体は涙を流して悦んだ。
全身が性感帯になったような感覚に支配されていく。
雪雄のいい所を見つけるや、一心不乱にそこを突き込んでくる一星に愛おしさが湧いてくる。
ご褒美をあげるように意識して締め上げてやると、うっと男前の顔が快感に歪んだ。
経験が少ないゆえの可愛さに、くすくすとした笑いが零れる。けれど余裕は一時だけだった。
「今のはユキが悪い」
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説

初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭

お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる