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第94話 真実の伝播
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「俄かには信じられぬ話だな。しかしそれが事実ならば大変なことだぞ」
ユーシュから話を聞いたキーレイは眉根を寄せ、思案に耽る。ユーシュはカサンドラの転移でモースキンからノーライアに戻って来ていた。
「とりあえず帝国軍撃退作戦は成功しました。ボナーが帝国のマードック辺境伯に当てて交渉の書簡を出し、さらに彼と連名で参謀本部へ書簡を出すことにしたようです」
「この国にどの勢力が入り込み、誰がそれに属しているのか、はっきりさせんといかんな。しかし下手に刺激すると国自体が乱れる恐れがあるか」
「はい。それは帝国も同じでしょう」
「『四公』や八源家も絡んでいるとなると慎重にならざるを得んな。お前たちの見立てでは王家はどの勢力にも毒されておらぬのだな?」
「はい。父上が実は私に隠していなければ」
「冗談は止せ。だが全くありえないとは言い切れないところが困りものよ。グマイン殿下やハッサム殿下にもどうお伝えするべきか」
「まずはハッサム殿下にお伝えし、殿下からグマイン殿下にお話ししていただくのがよろしいと思いますが」
「ハッサム殿下が白だと確信出来るのか?」
「それゆえ、グマイン殿下がどのような態度をお取りになるかでハッサム殿下の意図も見えるかと」
「成程な。どちらにせよ帝国と交渉のテーブルに着くには殿下の許可が無ければ始まらん。我が家の騎士団も待機させるが、サンクリスト公とミリアネル団長にも不測の事態に備えてもらおう。確実に信用できるのは今のところ両名のみであろう?」
「その通りです。後はエルモンド家に仕える者も味方です」
「ふむ、エルモンド卿自身の処遇については後で考えよう。しかしあのサンクリスト公の妻が卿の娘ではなかったとはな」
「僕もボナーから話を聞いて驚きました。ですがパンナさんは素晴らしい女性です。さすがは『北の英雄』の息子。自らの意志で伴侶を決めたあいつを尊敬しますよ」
「殿下や、ましてイグニアス公が知ったら大変だろうがな」
「はい。ですが僕はあいつを応援します。父上もまだ口外はしないでください」
「するものか。只でさえ国の一大事につまらぬことで騒がれてはかなわん。……イグニアス公は純血の上位霊種、キシュナー公はHLOというのがお前たちの見立ててあったな?」
「はい。キシュナー公についてはファング殿の証言が取れているので確実でしょう。後は東のゴンドアナ家ですが……」
「商国で違法な略奪をしているとなると見過ごせんな。そのファング殿たちを創ったというのがアスモデウス家だというのだな?」
「ボナーによるとそのようです」
「ふむ、八源家の最大領袖が天使の末裔の影響下にあるというのは由々しき事態だな。他にも天使派の家があると考えた方がよかろうな」
「そういえばクリムト卿はどうされました?」
「騎士団の拘留所に捕えてある。真の六芒星とやらの手先になっていたとはな。今のところ尋問には黙秘しているようだ」
「私たちの証言では御前会議は開けませんか?」
「難しいであろうな。しかしローヤー殿がその場にいたことは大きい。『特法』の中でも特に信頼篤き人物だ。彼の証言があれば信憑性は増そう」
「いずれにせよ御前会議は開かれねばなりません。帝国への食糧援助もサンクリスト家にだけ任せるわけにもいきませんし」
「そうだな。国として正式な話し合いを持たねばならぬ」
「それも急いで。実はエルモンド家の騎士団長ミッドレイ殿が言っていたのですが、グランダ大陸のクアマリン皇国はこの大陸への侵攻を企てている由」
「まことか?」
「同じエルモンド家の執事長が皇国のスパイであったようです」
「まさに焦眉の急だな。各勢力の動きを見極めつつ、他国からの侵攻に備えねばならんとは」
「父上。ここは信頼できるもの同士で同盟のような者を創るべきかと。『四公』や八源家に対抗できるような勢力を王家を中心に創立すことが肝要と考えます。ボナーも同じ意見でした」
「ふむ。ハッサム殿下が白であれば、彼を中心にしてそのようなグループを創るのが良いかもしれんな」
「とにかく時間がありません。早急にこの国の勢力図を明らかにせねば」
ユーシュの言葉にキーレイは重々しい表情で頷いた。
「落ち着かれましたか?お嬢様」
パンナが水差しを差し出しながらアンセリーナに尋ねる。モースキンの騎士団駐屯所の医務室のベッドの上。長い間昏睡していたアンセリーナは数時間前、ようやく意識を取り戻した。それからずっとパンナは彼女の横に付き添っている。
「ありがとう、パンナ」
最初は状況が分からず混乱していたアンセリーナだったが、パンナが懸命になだめ、ようやく落ち着きを取り戻したところだ。差し出された水を口に含み、ほっと息を吐く。
「コットナーの別邸にいた時から記憶がないの。あの部屋で苦しくなったのは覚えているけど」
「あの部屋、と申されますと?」
「あそこにはお父様とハンスしか知らない秘密の部屋があったの。数年前から背中が痛くなることがあって、そういう時、お父様がその部屋に連れて行くの」
背中の羽根が疼いたのだとパンナはすぐに思ったが、自身に起きていたことを知らないアンセリーナにどう切り出せばよいか分からず、そのまま話を聞き続けた。
「最後に覚えているのは今までにないくらい痛みが強くなったこと。そして……お父様が私を見て笑っていた」
怯えるような悲しいような顔でアンセリーナが呟く。パンナは思わず彼女を抱きしめた。
「パ、パンナ!?」
「お辛かったでしょう。申し訳ありません。私がもっと早く気付いていれば……」
「どういうこと?私に何が起きたの?ねえパンナ、教えて」
パンナは迷った。いきなり本当のことを教えていいものだろうか。愛情をたっぷりと受けて好きなように生きてきたアンセリーナに真実はあまりにも残酷に思えた。
「お嬢様……」
「ちゃんと教えて。大丈夫、覚悟は出来てるわ。私に信じられないようなことが起こったことは」
パンナはしばらく逡巡した後、意を決し口を開いた。どちらにしろ真実を知らせないままブラベールの元に戻すわけにはいかなかった。
「落ち着いて聞いてください、お嬢様」
パンナの真剣な表情に、アンセリーナも緊張した面持ちで頷いた。
「まさか教主様が王国に行っていたなんて思いませんでしたわ」
ギルティスがハーブティーを注いだカップを口に付けながら言う。ここはオネーバーにある彼の居城。その応接間である。ギルティスの前にはイリノアとミリア、そしてボボルが座っており、ギルティスの横には彼らと対面するようにピピルが腰を下ろしていた。
「噂に聞く王国の『白銀の戦姫』をこの城内に入れるなんて思いもしなかったわ。こっちに交戦の意思はないからその物騒な殺気を抑えてくれないかしら?」
「すいません。やはり分かってはいても帝国の城にいるのだと思うとどうしても……」
「しかししてやられたな。そっちにボボルがいたとは。知っていたら何としてでも今回の作戦は止めていたものを」
ピピルがボボルを睨みながら言う。
「そう怖い顔するなよピピル。辺境伯が言った通り僕たちは戦うためにここにいるんじゃないんだからさ~」
「ふん。半数以上の兵を見逃したから感謝しろとでも?」
「そこまでは言わないけど、君ならこっちの思惑は分かってるでしょ?」
「分かってるさ。だから腹が立つ。わざわざ作戦決行の直前にイルバーからの伝言を送って来るなんぞ、嫌味な事をしやがって」
「イルバーがスパイだってバレちゃったってことよね。国境付近の村は準備が整ってる。作戦決行に問題はないなんて密書をここに届けるんだもん。今考えれば罠ですって言ってるようなものよね」
「あいつは殺したのか?ここの執事長が気にしててな」
「やはり彼の親族でしたか」
「叔父だ。って何故知ってる?」
「それはちょっとお答えしかねますが、イルバーは拘束していますが、危害は加えていません。こうなった以上、これからも処断するつもりもないです。こちらにお返ししようと思っています」
ミリアがボボルをちらりと見ながら答える。
「それで話というのは何だ?こちらはサンクリスト公が食糧援助に協力すると言う書簡を受け取ったからそっちの会談の誘いを受けたんだ。そいつは間違いないんだろうな?」
「それはお約束します。サンクリスト公からしかと承っています。ですがそれを王国を挙げての援助にするためにはこれからお話しすることを信じてもらって、協力をしてもらうことが必要不可欠です」
「怖いわね~。教主様、本当によろしいんですか?」
「心配いらんマードック卿。私も実際に目にし、話を聞いてきた。少しばかり信じられないような話だが、本当のことだ。その上で私は自分の信徒を助けるために行動を起こしたいと思っている」
「それではお話しさせていただきます。納得いただけましたら、参謀本部への書簡に連名をお願いします」
ミリアはそう言ってゆっくりと話を始めた。
ユーシュから話を聞いたキーレイは眉根を寄せ、思案に耽る。ユーシュはカサンドラの転移でモースキンからノーライアに戻って来ていた。
「とりあえず帝国軍撃退作戦は成功しました。ボナーが帝国のマードック辺境伯に当てて交渉の書簡を出し、さらに彼と連名で参謀本部へ書簡を出すことにしたようです」
「この国にどの勢力が入り込み、誰がそれに属しているのか、はっきりさせんといかんな。しかし下手に刺激すると国自体が乱れる恐れがあるか」
「はい。それは帝国も同じでしょう」
「『四公』や八源家も絡んでいるとなると慎重にならざるを得んな。お前たちの見立てでは王家はどの勢力にも毒されておらぬのだな?」
「はい。父上が実は私に隠していなければ」
「冗談は止せ。だが全くありえないとは言い切れないところが困りものよ。グマイン殿下やハッサム殿下にもどうお伝えするべきか」
「まずはハッサム殿下にお伝えし、殿下からグマイン殿下にお話ししていただくのがよろしいと思いますが」
「ハッサム殿下が白だと確信出来るのか?」
「それゆえ、グマイン殿下がどのような態度をお取りになるかでハッサム殿下の意図も見えるかと」
「成程な。どちらにせよ帝国と交渉のテーブルに着くには殿下の許可が無ければ始まらん。我が家の騎士団も待機させるが、サンクリスト公とミリアネル団長にも不測の事態に備えてもらおう。確実に信用できるのは今のところ両名のみであろう?」
「その通りです。後はエルモンド家に仕える者も味方です」
「ふむ、エルモンド卿自身の処遇については後で考えよう。しかしあのサンクリスト公の妻が卿の娘ではなかったとはな」
「僕もボナーから話を聞いて驚きました。ですがパンナさんは素晴らしい女性です。さすがは『北の英雄』の息子。自らの意志で伴侶を決めたあいつを尊敬しますよ」
「殿下や、ましてイグニアス公が知ったら大変だろうがな」
「はい。ですが僕はあいつを応援します。父上もまだ口外はしないでください」
「するものか。只でさえ国の一大事につまらぬことで騒がれてはかなわん。……イグニアス公は純血の上位霊種、キシュナー公はHLOというのがお前たちの見立ててあったな?」
「はい。キシュナー公についてはファング殿の証言が取れているので確実でしょう。後は東のゴンドアナ家ですが……」
「商国で違法な略奪をしているとなると見過ごせんな。そのファング殿たちを創ったというのがアスモデウス家だというのだな?」
「ボナーによるとそのようです」
「ふむ、八源家の最大領袖が天使の末裔の影響下にあるというのは由々しき事態だな。他にも天使派の家があると考えた方がよかろうな」
「そういえばクリムト卿はどうされました?」
「騎士団の拘留所に捕えてある。真の六芒星とやらの手先になっていたとはな。今のところ尋問には黙秘しているようだ」
「私たちの証言では御前会議は開けませんか?」
「難しいであろうな。しかしローヤー殿がその場にいたことは大きい。『特法』の中でも特に信頼篤き人物だ。彼の証言があれば信憑性は増そう」
「いずれにせよ御前会議は開かれねばなりません。帝国への食糧援助もサンクリスト家にだけ任せるわけにもいきませんし」
「そうだな。国として正式な話し合いを持たねばならぬ」
「それも急いで。実はエルモンド家の騎士団長ミッドレイ殿が言っていたのですが、グランダ大陸のクアマリン皇国はこの大陸への侵攻を企てている由」
「まことか?」
「同じエルモンド家の執事長が皇国のスパイであったようです」
「まさに焦眉の急だな。各勢力の動きを見極めつつ、他国からの侵攻に備えねばならんとは」
「父上。ここは信頼できるもの同士で同盟のような者を創るべきかと。『四公』や八源家に対抗できるような勢力を王家を中心に創立すことが肝要と考えます。ボナーも同じ意見でした」
「ふむ。ハッサム殿下が白であれば、彼を中心にしてそのようなグループを創るのが良いかもしれんな」
「とにかく時間がありません。早急にこの国の勢力図を明らかにせねば」
ユーシュの言葉にキーレイは重々しい表情で頷いた。
「落ち着かれましたか?お嬢様」
パンナが水差しを差し出しながらアンセリーナに尋ねる。モースキンの騎士団駐屯所の医務室のベッドの上。長い間昏睡していたアンセリーナは数時間前、ようやく意識を取り戻した。それからずっとパンナは彼女の横に付き添っている。
「ありがとう、パンナ」
最初は状況が分からず混乱していたアンセリーナだったが、パンナが懸命になだめ、ようやく落ち着きを取り戻したところだ。差し出された水を口に含み、ほっと息を吐く。
「コットナーの別邸にいた時から記憶がないの。あの部屋で苦しくなったのは覚えているけど」
「あの部屋、と申されますと?」
「あそこにはお父様とハンスしか知らない秘密の部屋があったの。数年前から背中が痛くなることがあって、そういう時、お父様がその部屋に連れて行くの」
背中の羽根が疼いたのだとパンナはすぐに思ったが、自身に起きていたことを知らないアンセリーナにどう切り出せばよいか分からず、そのまま話を聞き続けた。
「最後に覚えているのは今までにないくらい痛みが強くなったこと。そして……お父様が私を見て笑っていた」
怯えるような悲しいような顔でアンセリーナが呟く。パンナは思わず彼女を抱きしめた。
「パ、パンナ!?」
「お辛かったでしょう。申し訳ありません。私がもっと早く気付いていれば……」
「どういうこと?私に何が起きたの?ねえパンナ、教えて」
パンナは迷った。いきなり本当のことを教えていいものだろうか。愛情をたっぷりと受けて好きなように生きてきたアンセリーナに真実はあまりにも残酷に思えた。
「お嬢様……」
「ちゃんと教えて。大丈夫、覚悟は出来てるわ。私に信じられないようなことが起こったことは」
パンナはしばらく逡巡した後、意を決し口を開いた。どちらにしろ真実を知らせないままブラベールの元に戻すわけにはいかなかった。
「落ち着いて聞いてください、お嬢様」
パンナの真剣な表情に、アンセリーナも緊張した面持ちで頷いた。
「まさか教主様が王国に行っていたなんて思いませんでしたわ」
ギルティスがハーブティーを注いだカップを口に付けながら言う。ここはオネーバーにある彼の居城。その応接間である。ギルティスの前にはイリノアとミリア、そしてボボルが座っており、ギルティスの横には彼らと対面するようにピピルが腰を下ろしていた。
「噂に聞く王国の『白銀の戦姫』をこの城内に入れるなんて思いもしなかったわ。こっちに交戦の意思はないからその物騒な殺気を抑えてくれないかしら?」
「すいません。やはり分かってはいても帝国の城にいるのだと思うとどうしても……」
「しかししてやられたな。そっちにボボルがいたとは。知っていたら何としてでも今回の作戦は止めていたものを」
ピピルがボボルを睨みながら言う。
「そう怖い顔するなよピピル。辺境伯が言った通り僕たちは戦うためにここにいるんじゃないんだからさ~」
「ふん。半数以上の兵を見逃したから感謝しろとでも?」
「そこまでは言わないけど、君ならこっちの思惑は分かってるでしょ?」
「分かってるさ。だから腹が立つ。わざわざ作戦決行の直前にイルバーからの伝言を送って来るなんぞ、嫌味な事をしやがって」
「イルバーがスパイだってバレちゃったってことよね。国境付近の村は準備が整ってる。作戦決行に問題はないなんて密書をここに届けるんだもん。今考えれば罠ですって言ってるようなものよね」
「あいつは殺したのか?ここの執事長が気にしててな」
「やはり彼の親族でしたか」
「叔父だ。って何故知ってる?」
「それはちょっとお答えしかねますが、イルバーは拘束していますが、危害は加えていません。こうなった以上、これからも処断するつもりもないです。こちらにお返ししようと思っています」
ミリアがボボルをちらりと見ながら答える。
「それで話というのは何だ?こちらはサンクリスト公が食糧援助に協力すると言う書簡を受け取ったからそっちの会談の誘いを受けたんだ。そいつは間違いないんだろうな?」
「それはお約束します。サンクリスト公からしかと承っています。ですがそれを王国を挙げての援助にするためにはこれからお話しすることを信じてもらって、協力をしてもらうことが必要不可欠です」
「怖いわね~。教主様、本当によろしいんですか?」
「心配いらんマードック卿。私も実際に目にし、話を聞いてきた。少しばかり信じられないような話だが、本当のことだ。その上で私は自分の信徒を助けるために行動を起こしたいと思っている」
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