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第82話 分断された世界 ③
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「王国と帝国を丸ごと?」
「ああ。そう考えると六芒星がこの大陸を掌握しようとしている理由に説明がつく。奴らの目的は始まりの地、女神が天使を創ってこの世界を形作ったグランダ大陸を手中に収めることだからな」
「グランダ大陸……なぜそこに拘ってるんです?」
「グランダ大陸の中央、女神降臨の地は原初の闇に繋がる扉があると言われている。六芒星はその扉を開き、原初の闇に接触しようとしているのさ」
「原初の闇を統べる者……」
「奴らは元々オーディアル信徒だった。だが時間が経ち、いつしか彼女を生んだ原初の闇にいるそれに惹かれていった。直接それに触れて自分たちを女神と同じようなより高次の存在にしようと考えているようだ」
「雲を掴むような話ですね。本当にそんなことが可能なんですか?」
「さあな。狂信者どもの妄想かもしれん。しかし問題なのは奴らがそれを信じ、実行しようとしてるってことだ」
「その女神降臨の地は今、どこが管理してるんですか?」
「グランダ大陸のほぼ全土を支配しているクアマリン皇国だ」
「そこの国民はイシュナル信徒なのですね?」
「そうだ。だが人間至上主義の者もいると言われている。そこらがどうも複雑でな」
「そうですね。こんがらがってきました。各勢力とその目的について少しまとめましょう」
ボナーはそう言ってメイドを呼び、大きな紙とペンを持ってこさせる。
「まず創世神アーシアが原初の闇にいる何者かと交わってイシュナルとオーディアルの女神姉妹が生まれた。女神たちは原初の闇からグランダ大陸の中央に降臨し、そこで天使を創った。とりあえずイシュナルの創ったものを天使、オーディアルの創ったものを闇天使と呼称します」
ボナーがそれぞれの名前を書き、線で結ぶ。
「この世界に直接干渉出来ない女神たちは天使たちに人間を創らせた。そもそも女神はどうしてこの世界に来たんでしょうね?」
「神の力の源泉は信仰心だ。信徒が一人もいなければ神としての力は失われていく。原初の闇では人間は生きていけないからな。自分を信仰し、神として存続させるための存在として女神には人間が必要だった。天使は人間を創り、世界を管理させるための装置のようなものだ」
「女神が降臨するまでこの世界には人間がいなかったわけですね?」
「天使の記憶ではそうらしい。獣や魔物はいたようだが、神を信仰するような知恵がある生き物はいなかったようだな」
「天使と闇天使で創った人種が異なっていたんでしょうか?」
「どうだろうな。両者は最初から反目していたわけじゃないらしいし、明確な分別は無かったのかもな」
「とにかく人間は天使によって生み出され、女神への信仰心を植え付けられたわけですね」
「ああ。それで面白いのはな。天使が、引いては女神がなぜ人間という存在を創ったかだ」
「え?だから神が力を維持するために信仰心が必要だってさっき……」
「なぜ人間という存在が自分たちを信仰すると分かった?この世界には元々獣や魔物がいた。それらが神というものを知らないとどうして知っていた?」
「どうしてって神様ですから何を知っていてもおかしくはないんじゃ」
「これは天使自身の記憶ではなく、天使を創った女神の……何というのかな、入り込んできた思念の欠片のようなものなんだが、どうも女神はこことは違う世界の存在を知っているらしい。おそらくアーシアの知識が受け継がれたんだと思う」
「違う世界?」
「アーシアは原初の闇で何者かと交わり、女神の誕生と共に別の世界へ去っていった。その前に別の世界で同じことが起きていてもおかしくはないだろ?」
「別の世界ですでに人間というものが神を信仰していて、その知識をアーシアから得た女神が同じように人間を創ったと?」
「俺はそう考えている。でなければいきなり天使に人間というものを創らせたのは突然すぎる」
「考えられますね。創世神が創った世界は一つじゃないという方が理に適っている」
「そう考えれば女神が天使に神装具を与えたことも納得できる。上位霊種の反乱など思ってもいなかったであろう女神がなぜ武器を与えたのか」
「違う世界の神、もしくはそれを信仰する人間がこの世界に侵攻する恐れがあったから!?」
「ああ。つまり女神はアーシアから別世界へ移動する術があるという知識を受け取っていたんだ。天使が異空間に宝物庫を創ったのもその応用なのかもな」
「六芒星が原初の闇に繋がる扉を開こうとしているのはまさか……」
「より高次の存在となり、別の世界に行くのが目的なのかもな」
「途方もない話ですね。これで六芒星の目的は何となく分かりました。後は……」
「ああ、話が逸れちまったな。残りの勢力の目的だが、まずは天使の末裔だな。奴らはとにもかくにも自分たちを追い出した上位霊種への復讐。そしてグランダ大陸への帰還だろうな」
「ですがその上位霊種、純血の方ですが、彼らも大陸を追われてるわけでしょう?自分たちを助けなかったイシュナルを信仰する皇国も彼らにとっては復讐の対象なんでしょうか?」
「それはどうだろうな。俺たちはとにかくこの大陸に逃げ込んだ上位霊種の駆逐を目的に創られたからな。だがグランダ大陸に帰還することは天使の至上命題だ。なら皇国は邪魔な存在だろう」
「どうしてそこまで拘るんです?女神降臨の地に」
「あそこにはいるんだよ。始まりの天使がな」
「始まりの天使?」
「女神が最初に創った天使、ルシフェルだ」
「ルシフェル……」
「最も神に近い存在であり、他の天使を生み出す元となった大天使。それゆえ女神の創った結界から出られないんだがな」
「どうしてです?」
「女神がこの世界に直接関与できないのと同じ理由さ。強すぎる力のせいで結界の外に出ると、世界に何らかの影響を与えてしまう。だがルシフェルの力があれば人間と交配して薄まった天使の力を元に戻せる。純粋な天使に戻れるのさ」
「上位霊種が弱まった今、完全な力を取り戻せば再びこの世界の管理者に復帰出来ると」
「まあな。だが奴らの最終目標は自分たちを見捨てた女神への復讐だろう」
「造物主への反乱ですか。上位霊種と全く同じですね」
「皮肉なもんだな。だがこいつは俺たちにとっても大問題だ。いくら純粋な天使に戻っても相手は自分を創った神だ。普通なら太刀打ちできない。ならどうするか?女神の力を衰えさせるしかない」
「女神の力を奪う、と。……待ってください!それってまさか!」
「ああ。神の力の源は人間の信仰心。ならそれを消せばいい」
「天使の目的は上位霊種を含めた人間の抹殺!?」
「そういうこった。女神と上位霊種への復讐が同時に出来るって寸法だな」
「冗談じゃない。いくら創造主だってそんなことは許せませんよ」
「だからHLOは俺たちを雇ったのさ。天使に利用されるわけにはいかないからな」
「天使と闇天使は反目していると言ってましたが、人類抹殺という目的では一致してるんでしょうか?」
「さてな。俺たちを創ったのは天使だったからな。闇天使の思惑は今一つ分からん」
「とにかく天使の末裔は我々人類の敵ということですね」
「では次に純血の上位霊種の目的ですが」
「こいつらもグランダ大陸への帰還は考えてるだろう。だが天使たちほど執着は強くないだろうな。自分たちを追い出した連中への復讐は考えてるんだろうが」
「世界の主導権を握ろうとはしてないんですか?」
「そりゃしてるさ。だがその本拠地がグランダ大陸でなくここでも構わないということさ」
「今の王国や帝国にも大きな影響力を保っているのでしょうか?」
「ある程度はな。しかし奴らは表立った動きを見せないから分かりづらい」
「HLO、主に皇国に対してどう復讐するつもりなんでしょう?グランダ大陸に行くとなれば海を渡る必要があります。それだけの技術があるんですか?」
「そりゃあるだろう。奴らは実際海を渡ってこの大陸に来たんだからな。お前らおかしいとは思わなかったのか?この大陸だって海に囲まれてる。北の海は帝国しか面していないが、他の海は王国に接している。にも拘らず、この大陸の人間は不思議なほど海の向こうに興味を示さない。自分たちを選ばれた人間だと思い込んで、他の地から来た異郷人なんかを差別している」
「言われてみれば……」
「上位令種がそう誘導してきたのさ。造船技術、操船技術、航海技術、それらが発展しないようにな」
「何のために?」
「井の中の蛙でいてくれた方が支配しやすいからだろう。グランダ大陸なんかに行かれて交流を持たれるのが嫌なのさ。異人種が手を取りあったら純血種はますます勝ち目がなくなるからな」
「いいように操られていたわけですか」
「ああ。奴らが海を渡るのは十分な戦力が整ってからだろうな」
「我々をその戦力にしようという訳か」
「獣人族もな。そのために異能を与えたんだからな」
「王家や八源家の動きを注視する必要がありますね」
「それに『四公』もな」
ボナーが真剣な顔でポツリと呟いた。
「ああ。そう考えると六芒星がこの大陸を掌握しようとしている理由に説明がつく。奴らの目的は始まりの地、女神が天使を創ってこの世界を形作ったグランダ大陸を手中に収めることだからな」
「グランダ大陸……なぜそこに拘ってるんです?」
「グランダ大陸の中央、女神降臨の地は原初の闇に繋がる扉があると言われている。六芒星はその扉を開き、原初の闇に接触しようとしているのさ」
「原初の闇を統べる者……」
「奴らは元々オーディアル信徒だった。だが時間が経ち、いつしか彼女を生んだ原初の闇にいるそれに惹かれていった。直接それに触れて自分たちを女神と同じようなより高次の存在にしようと考えているようだ」
「雲を掴むような話ですね。本当にそんなことが可能なんですか?」
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「その女神降臨の地は今、どこが管理してるんですか?」
「グランダ大陸のほぼ全土を支配しているクアマリン皇国だ」
「そこの国民はイシュナル信徒なのですね?」
「そうだ。だが人間至上主義の者もいると言われている。そこらがどうも複雑でな」
「そうですね。こんがらがってきました。各勢力とその目的について少しまとめましょう」
ボナーはそう言ってメイドを呼び、大きな紙とペンを持ってこさせる。
「まず創世神アーシアが原初の闇にいる何者かと交わってイシュナルとオーディアルの女神姉妹が生まれた。女神たちは原初の闇からグランダ大陸の中央に降臨し、そこで天使を創った。とりあえずイシュナルの創ったものを天使、オーディアルの創ったものを闇天使と呼称します」
ボナーがそれぞれの名前を書き、線で結ぶ。
「この世界に直接干渉出来ない女神たちは天使たちに人間を創らせた。そもそも女神はどうしてこの世界に来たんでしょうね?」
「神の力の源泉は信仰心だ。信徒が一人もいなければ神としての力は失われていく。原初の闇では人間は生きていけないからな。自分を信仰し、神として存続させるための存在として女神には人間が必要だった。天使は人間を創り、世界を管理させるための装置のようなものだ」
「女神が降臨するまでこの世界には人間がいなかったわけですね?」
「天使の記憶ではそうらしい。獣や魔物はいたようだが、神を信仰するような知恵がある生き物はいなかったようだな」
「天使と闇天使で創った人種が異なっていたんでしょうか?」
「どうだろうな。両者は最初から反目していたわけじゃないらしいし、明確な分別は無かったのかもな」
「とにかく人間は天使によって生み出され、女神への信仰心を植え付けられたわけですね」
「ああ。それで面白いのはな。天使が、引いては女神がなぜ人間という存在を創ったかだ」
「え?だから神が力を維持するために信仰心が必要だってさっき……」
「なぜ人間という存在が自分たちを信仰すると分かった?この世界には元々獣や魔物がいた。それらが神というものを知らないとどうして知っていた?」
「どうしてって神様ですから何を知っていてもおかしくはないんじゃ」
「これは天使自身の記憶ではなく、天使を創った女神の……何というのかな、入り込んできた思念の欠片のようなものなんだが、どうも女神はこことは違う世界の存在を知っているらしい。おそらくアーシアの知識が受け継がれたんだと思う」
「違う世界?」
「アーシアは原初の闇で何者かと交わり、女神の誕生と共に別の世界へ去っていった。その前に別の世界で同じことが起きていてもおかしくはないだろ?」
「別の世界ですでに人間というものが神を信仰していて、その知識をアーシアから得た女神が同じように人間を創ったと?」
「俺はそう考えている。でなければいきなり天使に人間というものを創らせたのは突然すぎる」
「考えられますね。創世神が創った世界は一つじゃないという方が理に適っている」
「そう考えれば女神が天使に神装具を与えたことも納得できる。上位霊種の反乱など思ってもいなかったであろう女神がなぜ武器を与えたのか」
「違う世界の神、もしくはそれを信仰する人間がこの世界に侵攻する恐れがあったから!?」
「ああ。つまり女神はアーシアから別世界へ移動する術があるという知識を受け取っていたんだ。天使が異空間に宝物庫を創ったのもその応用なのかもな」
「六芒星が原初の闇に繋がる扉を開こうとしているのはまさか……」
「より高次の存在となり、別の世界に行くのが目的なのかもな」
「途方もない話ですね。これで六芒星の目的は何となく分かりました。後は……」
「ああ、話が逸れちまったな。残りの勢力の目的だが、まずは天使の末裔だな。奴らはとにもかくにも自分たちを追い出した上位霊種への復讐。そしてグランダ大陸への帰還だろうな」
「ですがその上位霊種、純血の方ですが、彼らも大陸を追われてるわけでしょう?自分たちを助けなかったイシュナルを信仰する皇国も彼らにとっては復讐の対象なんでしょうか?」
「それはどうだろうな。俺たちはとにかくこの大陸に逃げ込んだ上位霊種の駆逐を目的に創られたからな。だがグランダ大陸に帰還することは天使の至上命題だ。なら皇国は邪魔な存在だろう」
「どうしてそこまで拘るんです?女神降臨の地に」
「あそこにはいるんだよ。始まりの天使がな」
「始まりの天使?」
「女神が最初に創った天使、ルシフェルだ」
「ルシフェル……」
「最も神に近い存在であり、他の天使を生み出す元となった大天使。それゆえ女神の創った結界から出られないんだがな」
「どうしてです?」
「女神がこの世界に直接関与できないのと同じ理由さ。強すぎる力のせいで結界の外に出ると、世界に何らかの影響を与えてしまう。だがルシフェルの力があれば人間と交配して薄まった天使の力を元に戻せる。純粋な天使に戻れるのさ」
「上位霊種が弱まった今、完全な力を取り戻せば再びこの世界の管理者に復帰出来ると」
「まあな。だが奴らの最終目標は自分たちを見捨てた女神への復讐だろう」
「造物主への反乱ですか。上位霊種と全く同じですね」
「皮肉なもんだな。だがこいつは俺たちにとっても大問題だ。いくら純粋な天使に戻っても相手は自分を創った神だ。普通なら太刀打ちできない。ならどうするか?女神の力を衰えさせるしかない」
「女神の力を奪う、と。……待ってください!それってまさか!」
「ああ。神の力の源は人間の信仰心。ならそれを消せばいい」
「天使の目的は上位霊種を含めた人間の抹殺!?」
「そういうこった。女神と上位霊種への復讐が同時に出来るって寸法だな」
「冗談じゃない。いくら創造主だってそんなことは許せませんよ」
「だからHLOは俺たちを雇ったのさ。天使に利用されるわけにはいかないからな」
「天使と闇天使は反目していると言ってましたが、人類抹殺という目的では一致してるんでしょうか?」
「さてな。俺たちを創ったのは天使だったからな。闇天使の思惑は今一つ分からん」
「とにかく天使の末裔は我々人類の敵ということですね」
「では次に純血の上位霊種の目的ですが」
「こいつらもグランダ大陸への帰還は考えてるだろう。だが天使たちほど執着は強くないだろうな。自分たちを追い出した連中への復讐は考えてるんだろうが」
「世界の主導権を握ろうとはしてないんですか?」
「そりゃしてるさ。だがその本拠地がグランダ大陸でなくここでも構わないということさ」
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「ある程度はな。しかし奴らは表立った動きを見せないから分かりづらい」
「HLO、主に皇国に対してどう復讐するつもりなんでしょう?グランダ大陸に行くとなれば海を渡る必要があります。それだけの技術があるんですか?」
「そりゃあるだろう。奴らは実際海を渡ってこの大陸に来たんだからな。お前らおかしいとは思わなかったのか?この大陸だって海に囲まれてる。北の海は帝国しか面していないが、他の海は王国に接している。にも拘らず、この大陸の人間は不思議なほど海の向こうに興味を示さない。自分たちを選ばれた人間だと思い込んで、他の地から来た異郷人なんかを差別している」
「言われてみれば……」
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「ああ。奴らが海を渡るのは十分な戦力が整ってからだろうな」
「我々をその戦力にしようという訳か」
「獣人族もな。そのために異能を与えたんだからな」
「王家や八源家の動きを注視する必要がありますね」
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ボナーが真剣な顔でポツリと呟いた。
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