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第36話 義姉と義妹
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「お会いできて嬉しいです、アンセリーナ様」
「こ、こちらこそお会いできて光栄でございます、リーシェ様」
ぎこちない笑顔でそう言い、パンナは気を落ち着かせるために紅茶のカップを手に取って一口啜る。緊張しているためか手が震え、カップを持ち上げるときにソーサーに当たってカチンと音を立ててしまい、肝を冷やした。
『なんて可愛いのかしら。さすがはボナー様の妹君。でも何か油断ならない雰囲気があるのよね、この子』
カップ越しにリーシェをちらりと覗き見ながらパンナは内心で呟く。ここはコットナーの伯爵家別邸の貴賓室。賓客をもてなすためのこの部屋は内装も豪華であり、定期的な清掃以外では滅多に使用人も足を踏み入れない場所だ。そこでパンナは今アンセリーナに扮してリーシェと対峙していた。
「そ、それで本日はどのようなご用件で?」
「いきなりの訪問をお許しください。挙式の前にどうしてもお話したいことがありましたの」
「何でございましょう?」
「アシム先生を覚えてらっしゃいます?ピアノの先生の」
「アシム先生?……ああ!」
一瞬分からなかったが、パンナはすぐに思い出した。アンセリーナのピアノの講師をしていた人物だ。先日それを辞めたのだった。ドタキャンばかりで腹を立てて辞める講師は何人もいたが、最近のことなので覚えていた。
「も、勿論覚えております。でもなぜリーシェ様がアシム先生のことを?」
「実は先日、私のピアノの先生が事故で大けがをしてしまいまして。そうしたらすぐに兄のギルバートがアシム先生を推薦してきたんですの」
「ギルバート様が?」
ソシュートで会ったギルバートのうすら寒い印象を思い出し、パンナは無意識に身を震わせる。
「ミラ先生が怪我をして二日も経たずして、ですよ?ギルバート兄さまがピアノを習っているなどという話は聞いたことがありませんのに、不思議なこともあるものですわ」
微笑みながらそう言うリーシェにパンナはゾッとした。ギルバートとは違う意味でこの子は恐ろしい。可憐な見た目に反して、辛辣な物言いをする。暗にギルバートがピアノの先生に怪我をさせたと言っているのだ。それを相手が分かっていることも計算済みで。恐ろしく頭が切れるのだろう。
「本当に不思議な偶然ですわね」
落ち着いた様子でそう言うパンナに、あら、と今度はリーシェが感心した。自分の言わんとしていることを十分わかった上で、ギルバートを疑うようなそぶりをまるで見せない物言いに、思った以上に大人の対応が出来る方なのね、と思う。
「それでアシム先生が、挙式の前に是非、アンセリーナ様に挨拶をしたいと言っているようですの」
「え?」
「恩師といえども周辺諸侯が集まる披露宴には顔を出せませんから、挙式の前に控え室でお話をさせてもらいたいようです」
「そ、そうですか」
「それがどうもギルバート兄さまの意志らしいんですの。どうしてかしら?」
それを聞いてパンナは心臓が締め付けられるような気分になった。ギルバートは疑っている。自分が本当にアンセリーナなのかを。普段のブラベールの態度からアンセリーナは世間知らずの我儘令嬢と周辺諸侯には思われていた。それがサンクリスト公の嫡男が見初めるほどしっかりした娘だというのは違和感があるだろう。ギルバートの狙いはおそらく……
『私とアシム先生に話をさせて、私が本物のお嬢様でないことを暴くつもりなんだわ。おそらくレッスン中のことなどを訊いて』
まずいことになった、とパンナは唇を噛む。ピアノのレッスン中は基本的にはアンセリーナとアシムは二人きりだ。そこであった事や交わした会話は他の人間には分からない。アンセリーナから聞き出そうにも、アシムが何の話をしてくるかが分からなくては対処のしようがない。
「お顔の色が優れませんよ、アンセリーナ様。大丈夫ですか?」
リーシェが心配そうに言う。だがパンナの顔を覗き込むその瞳には好奇心の色がありありと浮かんでいた。
「え、ええ。大丈夫です」
「何か対策を講じる必要があるのではございませんか?」
「た、対策と申されますと?」
「「ふふ、もう肚の探り合いは止めませんか?アンセリーナ様。それとも本名でお呼びした方がよろしいかしら?」
リーシェの言葉にパンナは顔色を変え息を呑んだ。この子は気付いている。ギルバートのことも知った上で忠告に来たのだ。でもどうして?
「素直な方ですね。これで確信いたしましたわ」
しまった、とパンナは臍を噛む。かまをかけられたのだ。疑ってはいたが、確証はなかったのだろう。本当に頭のいい子だ。
「参りましたリーシェ様。でもこれは……」
「ご心配なさらないで。私はあなた様を責めたり、公にしたりするつもりはございません。ボナー兄さまがお選びになったかたですもの。あなた様の素性がどうであれ、私は快く当家にお迎えするつもりですわ」
「リーシェ様……」
「とは言っても、実際にこの目で確かめるまでは、と思っていたのも事実です。でも安心しましたわ。兄さまの見る目はやはり確かでしたわね」
「そのような……過分なお言葉です」
「私の見たところ、お父様もおそらく気付いていらっしゃいますわ。あなた様がアンセリーナ様ではないことに」
「サンクリスト公が!?」
「ええ。でも何も言ってはおりません。父も信頼しているのです、兄を」
「そんな……その上で私などを受け入れてくださると?」
「はい。私たちの母のことはお聞きになりまして?」
「は、はい。ボナー様から」
「ならお分かりでしょう?私たちが何を大切に考えているか、を」
「私はモンテーニュ様のようなご立派な人間ではございません」
「そうでしょうか?それは兄に嫁ぎ、兄の傍にいるようになって初めて分かるのでないでしょうか」
「正直、今でも不安なのです。私のようなものがボナー様の妻になっていいのかと」
「私も力になりますわ。だから兄を助けてあげてくださいね」
「この命に代えましても」
「ふふ。お義姉様になる方が素敵な人でうよかったわ。ところで私、ゲスナー様のお披露目でクリス様とお会いしましたの」
「存じております。まさかゲスナー様があのような……」
「ええ。本当に驚きましたわ。でもあの時のクリス様はとてもご立派でいらっしゃいました」
「そうですか。さすがはクリス様です」
「もしかしてあなたもクリス様にご好意をお持ちでした?」
「そ、そのような!私などがそんな……」
パンナは動揺しながらまた紅茶を口に運ぶ。落ち着くには紅茶の香りが一番だ。
「私はとても感じ入りましたわ。クリス様のような方とお会いしたのは初めてでしたし。ふふ、もし私がクリス様と結婚したら、アンセリーナ様と私、どちらが義姉でどちらが義妹になるのかしら?」
「ぶっ!」
パンナは危うく紅茶を吹き出すところだった。クリスがリーシェと?もしそうなったら……
「クリス様……そうか、クリス様がいらっしゃるなら」
紅茶を置いたパンナの頭にある考えが浮かぶ。これならいけるかもしれない。
「リーシェ様、ありがとうございます。こちらで対策を考えてみます」
「ええ。是非ギルバート兄様の魂胆を打ち砕いてくださいませ。私、結構怒ってますのよ。ミラ先生のレッスンは楽しかったのに」
眉間に皺を寄せてリーシェが言う。が、そんな表情でも彼女は美しかった。
「ご期待に沿えるよう頑張ります」
「無事に挙式が終わることを祈っておりますわ」
リーシェはそう言って今度は思わず見惚れてしまうような可憐な笑みを浮かべた。
「先日は賊の確保にご協力いただき、ありがとうございました」
パンナとリーシェが会談しているその時、館の外ではサンクリスト家の騎士団長ゼノーバと、エルモンド家の騎士団長ミッドレイが会って話をしていた。まずはゼノーバがギーグたちの捕獲の礼をミッドレイにする。
「いえ、我々がいながらボナー様とお嬢様を危険に晒したことは忸怩たる思いです。それで依頼主のことはお分かりになったのですか?」
「いえ、それが面目ない事にリーダー格の者に死なれてしまい、情報が得られませんで」
「リーダー格、というとまさかギーグが!?」
「はい、そのような名だったと聞いておりますが、ご存じでしたか」
「昔の傭兵仲間でした。もっとも奴は早々に除名されましたが」
「そうでしたか。状況からすると自殺に見えるのですが」
「自殺?あのギーグが?とても信じられません」
「やはりそうですか。私も腑に落ちんのです。どう見ても自殺するような態度ではなかったようですし」
「殺された、ということですか」
「考えたくはありませんが。なにせうちの拘留所の中ですからね」
ギルバートが訪問した直後にギーグが死んだということは流石に口にするのは憚られたが、ゼノーバはずっとその疑念を払えずにいた。
「何か大きな陰謀が隠されているような気がして落ち着かんのです」
ゼノーバはそれだけ言って、深くため息を吐いた。
「こ、こちらこそお会いできて光栄でございます、リーシェ様」
ぎこちない笑顔でそう言い、パンナは気を落ち着かせるために紅茶のカップを手に取って一口啜る。緊張しているためか手が震え、カップを持ち上げるときにソーサーに当たってカチンと音を立ててしまい、肝を冷やした。
『なんて可愛いのかしら。さすがはボナー様の妹君。でも何か油断ならない雰囲気があるのよね、この子』
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「アシム先生を覚えてらっしゃいます?ピアノの先生の」
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一瞬分からなかったが、パンナはすぐに思い出した。アンセリーナのピアノの講師をしていた人物だ。先日それを辞めたのだった。ドタキャンばかりで腹を立てて辞める講師は何人もいたが、最近のことなので覚えていた。
「も、勿論覚えております。でもなぜリーシェ様がアシム先生のことを?」
「実は先日、私のピアノの先生が事故で大けがをしてしまいまして。そうしたらすぐに兄のギルバートがアシム先生を推薦してきたんですの」
「ギルバート様が?」
ソシュートで会ったギルバートのうすら寒い印象を思い出し、パンナは無意識に身を震わせる。
「ミラ先生が怪我をして二日も経たずして、ですよ?ギルバート兄さまがピアノを習っているなどという話は聞いたことがありませんのに、不思議なこともあるものですわ」
微笑みながらそう言うリーシェにパンナはゾッとした。ギルバートとは違う意味でこの子は恐ろしい。可憐な見た目に反して、辛辣な物言いをする。暗にギルバートがピアノの先生に怪我をさせたと言っているのだ。それを相手が分かっていることも計算済みで。恐ろしく頭が切れるのだろう。
「本当に不思議な偶然ですわね」
落ち着いた様子でそう言うパンナに、あら、と今度はリーシェが感心した。自分の言わんとしていることを十分わかった上で、ギルバートを疑うようなそぶりをまるで見せない物言いに、思った以上に大人の対応が出来る方なのね、と思う。
「それでアシム先生が、挙式の前に是非、アンセリーナ様に挨拶をしたいと言っているようですの」
「え?」
「恩師といえども周辺諸侯が集まる披露宴には顔を出せませんから、挙式の前に控え室でお話をさせてもらいたいようです」
「そ、そうですか」
「それがどうもギルバート兄さまの意志らしいんですの。どうしてかしら?」
それを聞いてパンナは心臓が締め付けられるような気分になった。ギルバートは疑っている。自分が本当にアンセリーナなのかを。普段のブラベールの態度からアンセリーナは世間知らずの我儘令嬢と周辺諸侯には思われていた。それがサンクリスト公の嫡男が見初めるほどしっかりした娘だというのは違和感があるだろう。ギルバートの狙いはおそらく……
『私とアシム先生に話をさせて、私が本物のお嬢様でないことを暴くつもりなんだわ。おそらくレッスン中のことなどを訊いて』
まずいことになった、とパンナは唇を噛む。ピアノのレッスン中は基本的にはアンセリーナとアシムは二人きりだ。そこであった事や交わした会話は他の人間には分からない。アンセリーナから聞き出そうにも、アシムが何の話をしてくるかが分からなくては対処のしようがない。
「お顔の色が優れませんよ、アンセリーナ様。大丈夫ですか?」
リーシェが心配そうに言う。だがパンナの顔を覗き込むその瞳には好奇心の色がありありと浮かんでいた。
「え、ええ。大丈夫です」
「何か対策を講じる必要があるのではございませんか?」
「た、対策と申されますと?」
「「ふふ、もう肚の探り合いは止めませんか?アンセリーナ様。それとも本名でお呼びした方がよろしいかしら?」
リーシェの言葉にパンナは顔色を変え息を呑んだ。この子は気付いている。ギルバートのことも知った上で忠告に来たのだ。でもどうして?
「素直な方ですね。これで確信いたしましたわ」
しまった、とパンナは臍を噛む。かまをかけられたのだ。疑ってはいたが、確証はなかったのだろう。本当に頭のいい子だ。
「参りましたリーシェ様。でもこれは……」
「ご心配なさらないで。私はあなた様を責めたり、公にしたりするつもりはございません。ボナー兄さまがお選びになったかたですもの。あなた様の素性がどうであれ、私は快く当家にお迎えするつもりですわ」
「リーシェ様……」
「とは言っても、実際にこの目で確かめるまでは、と思っていたのも事実です。でも安心しましたわ。兄さまの見る目はやはり確かでしたわね」
「そのような……過分なお言葉です」
「私の見たところ、お父様もおそらく気付いていらっしゃいますわ。あなた様がアンセリーナ様ではないことに」
「サンクリスト公が!?」
「ええ。でも何も言ってはおりません。父も信頼しているのです、兄を」
「そんな……その上で私などを受け入れてくださると?」
「はい。私たちの母のことはお聞きになりまして?」
「は、はい。ボナー様から」
「ならお分かりでしょう?私たちが何を大切に考えているか、を」
「私はモンテーニュ様のようなご立派な人間ではございません」
「そうでしょうか?それは兄に嫁ぎ、兄の傍にいるようになって初めて分かるのでないでしょうか」
「正直、今でも不安なのです。私のようなものがボナー様の妻になっていいのかと」
「私も力になりますわ。だから兄を助けてあげてくださいね」
「この命に代えましても」
「ふふ。お義姉様になる方が素敵な人でうよかったわ。ところで私、ゲスナー様のお披露目でクリス様とお会いしましたの」
「存じております。まさかゲスナー様があのような……」
「ええ。本当に驚きましたわ。でもあの時のクリス様はとてもご立派でいらっしゃいました」
「そうですか。さすがはクリス様です」
「もしかしてあなたもクリス様にご好意をお持ちでした?」
「そ、そのような!私などがそんな……」
パンナは動揺しながらまた紅茶を口に運ぶ。落ち着くには紅茶の香りが一番だ。
「私はとても感じ入りましたわ。クリス様のような方とお会いしたのは初めてでしたし。ふふ、もし私がクリス様と結婚したら、アンセリーナ様と私、どちらが義姉でどちらが義妹になるのかしら?」
「ぶっ!」
パンナは危うく紅茶を吹き出すところだった。クリスがリーシェと?もしそうなったら……
「クリス様……そうか、クリス様がいらっしゃるなら」
紅茶を置いたパンナの頭にある考えが浮かぶ。これならいけるかもしれない。
「リーシェ様、ありがとうございます。こちらで対策を考えてみます」
「ええ。是非ギルバート兄様の魂胆を打ち砕いてくださいませ。私、結構怒ってますのよ。ミラ先生のレッスンは楽しかったのに」
眉間に皺を寄せてリーシェが言う。が、そんな表情でも彼女は美しかった。
「ご期待に沿えるよう頑張ります」
「無事に挙式が終わることを祈っておりますわ」
リーシェはそう言って今度は思わず見惚れてしまうような可憐な笑みを浮かべた。
「先日は賊の確保にご協力いただき、ありがとうございました」
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「いえ、我々がいながらボナー様とお嬢様を危険に晒したことは忸怩たる思いです。それで依頼主のことはお分かりになったのですか?」
「いえ、それが面目ない事にリーダー格の者に死なれてしまい、情報が得られませんで」
「リーダー格、というとまさかギーグが!?」
「はい、そのような名だったと聞いておりますが、ご存じでしたか」
「昔の傭兵仲間でした。もっとも奴は早々に除名されましたが」
「そうでしたか。状況からすると自殺に見えるのですが」
「自殺?あのギーグが?とても信じられません」
「やはりそうですか。私も腑に落ちんのです。どう見ても自殺するような態度ではなかったようですし」
「殺された、ということですか」
「考えたくはありませんが。なにせうちの拘留所の中ですからね」
ギルバートが訪問した直後にギーグが死んだということは流石に口にするのは憚られたが、ゼノーバはずっとその疑念を払えずにいた。
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