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第1話 伯爵家の我儘令嬢
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「お嬢様!お嬢様!どちらに行かれたのですか!?」
伯爵家の広い廊下に声が響く。カーペットが敷かれた床の上を足早に、しかし足音を立てることなく一人の女性が歩いていく。叫び声の主である彼女は二十歳よりやや若いくらい。腰まで伸びた黒髪を三つ編みにして後ろに垂らし、頭には純白のメイド帽を載せている。紺色のメイド服の前に掛けたエプロンも同じく染み一つない白さだ。
「お嬢様!アンセリーナお嬢様!」
彼女は大きな丸い眼鏡の下でせわしなく視線を巡らし、気配を探る。そしてはっとした様子で窓際に寄ると、二階の廊下の窓を開け、中庭を見下ろした。
「お嬢様!!」
その視線の先に目当ての女性を見つけ、彼女は躊躇うことなく窓枠に足をかける。そして眼鏡を外してポケットにそれをしまうと、中腰になって力を溜め、そのまま一気に階下へ飛び降りた。
「お嬢様!」
「ひあああああっ!!?」
いきなり目の前にメイド服の女性が飛び降りてきて、窓の下をそろそろと歩いていた少女が悲鳴を上げる。輝くような金髪を伸ばした顔立ちの整った少女だ。年齢はメイド服の女性よりもさらに少し若く見える。この伯爵家の長女、アンセリーナだ。
「パ、パンナ!?びっくりするじゃないの!!窓から飛び降りるのは止めてって前も言ったでしょ!」
「お嬢様がおとなしくしてくださらないからです。ピアノのお稽古の時間ですよ?」
ポケットから出した眼鏡を掛け直し、パンナと呼ばれたメイドが鋭い視線でアンセリーナを睨む。
「き、今日は無理!あ、頭が痛いの。ジラックのところへ行って薬をもらわないといけないから、じゃあね」
「お待ちください!お嬢様!」
ひらひらと手を振って歩いていくアンセリーナに、パンナがはあ、っとため息をつく。どうせ仮病に決まっているが、伯爵家の侍医であるジラックは伯爵にゴマをすることだけが特技のような男だ。伯爵が溺愛するアンセリーナの頼みとあれば病の一つや二つでっちあげるくらいのことはするだろう。
「またピアノの先生にお詫びをしなければいけませんね」
これで習い事の先生にドタキャンの詫びを入れるのは何度目だろう?伯爵家の威光があるといっても、先生方の忍耐にも限界がある。実際アンセリーナの講師を辞退した者は過去に何人もいた。何せドタキャンされた時の報酬は払われないのだ。ただ時間を無駄にしただけの彼らが怒るのも無理はない。
「お嬢様にはもう少し自覚を持っていただかないと……」
パンナはアンセリーナが去っていったほうを見つめて呟く。彼女が勤めるこのエルナンド伯爵家は、大陸南部に位置するマルセ王国においては中堅の貴族だ。北方のダストン帝国との国境に近い王国北部の町、ルーディアとコットナーを領地としている。王国と帝国は長い間国境地帯に広がるアラン山脈とその麓のメキア大森林の領有を巡って反目しあっており、大規模な戦争はここ数十年ないものの、森林付近の小競り合いは頻発している。
「お披露目も延びに延びておりますし……伯爵様ももう少しお嬢様に厳しくしていただかないと困りますね」
屋敷の玄関へ向かいながらさらにパンナの愚痴は続く。アンセリーナは先々月16歳の誕生日を迎えた。貴族の慣例として、16歳になった子息は誕生日の祝いを兼ねて他の貴族を招き社交界デビューとなるお披露目パーティーを催す。当然アンセリーナのお披露目も催されるはずだったが、元来我儘で人嫌いのアンセリーナは大勢の貴族に挨拶をして回らねばならないパーティーを嫌がり、病気と偽って開催を延期していた。とにかく娘に甘いエルナンド伯爵はそれを許し、ずるずると今日まで来ているのだ。
「パンナ!お嬢様は?アシム先生がずっとお待ちになってるのよ」
玄関ホールに入ったパンナに別のメイドが声をかける。パンナより少し年長の縮れた赤毛の女性だ。パンナがため息をつき、無言で首を横に振ると、それで相手は全てを察したように、額に手を当てた。
「また?本当に困ったものね。アンセリーナ様には」
「エンリ、悪いけど先生にキャンセルだって伝えてくれない?私もう何回も顔合わせてるからバツが悪くって」
「私だって嫌よ。でもこれ以上無駄にお待たせするわけにもいかないし……仕方ない、一つ貸しよ、パンナ」
エンリと呼ばれたメイドがやれやれといった顔で奥の廊下に消えていくのを見送り、パンナは他の仕事に取り掛かることにした。とりあえず昼食の食器洗いは終わっているし、庭の掃除にでも行こうか、と考えていると
「パンナ、丁度よかった。話がある」
突然頭上から声が掛けられた。玄関ホールは吹き抜けになっており、入口の正面に二階へ続く大階段がある。その左右に欄干が供えられた廊下が半円状に広がっているのだが、そこから一人の男性がパンナを見下ろしていた。この屋敷の主にしてここルーディアの領主、ブラベール・ファン・エルナンド伯爵だ。
「お帰りなさいませ、旦那様。お戻りに気付かず申し訳ございません」
恭しく膝を付き、首を垂れるパンナに、伯爵はよいよい、と軽く手を振り、ゆっくりと大階段へ歩を進める。小柄な体の出っ張った腹をゆすりながらゆっくり階段を下りた伯爵は手入れされたカイゼル髭をさすり、ふう、と息を吐いた。彼は昨日まで王国北部を統括するサンクリスト公爵家の領地ベストレームで行われていた地方会議に参加していた。サンクリスト公爵家は「四公」と呼ばれる王国最高家格の四大公爵家の一つである。元は王家と同じ血筋であり、嫡流の者は王位継承権を有する。中央に王家が治める王都があり、その四方を四公が支配するというのがマルセ王国の現在の姿だ。エルナンド伯爵家もサンクリスト公爵家が統治する王国北部の一部を割譲されているに過ぎない。
「変わりはなかったか?」
「は、はい、特には」
いつも通りお嬢様が我儘ばかりおっしゃって困っております、と喉元まで出かけたが、それをぐっと飲み込む。超が付く親バカの伯爵に何を言っても無駄だとパンナは理解していた。
「それでお話とは?」
「うむ。アクアット子爵は知っておるな?」
パンナの目の前に立ったブラベールが不機嫌そうに尋ねる。
「お名前だけは」
アクアット子爵は伯爵家の領地であるコットナーの隣町、グレーキンを統治している貴族だ。昔からエルナンド家に対してライバル意識を持っていると聞いたことがある。
「先日の地方会議できゃつがな、息子のお披露目パーティーをすると言いおったのだ。それでうちのアンセリーナのお披露目は何時ですかな?などと訊いてきおった。わざわざサンクリスト公の眼前でだぞ!嫌味ったらしいにもほどがある!」
ブラベールは地団駄を踏むように足を数回床に叩きつけ、ぎりぎりと歯をこすり合わせた。それを見上げながら、パンナは心の中でため息をつく。嫌味を言われたのはアンセリーナの我儘を許している自分のせいだ、ということに気づいていないのだろうか。いや、彼はそれほどバカではない。分かっているからこそ何も言い返せなかったのだろう。
「ですから速やかにパーティーを開催なさらねば、と何度も進言いたしました」
「アンセリーナが嫌がっておるのだから仕方なかろう!しかしアンセリーナのほうが早く誕生日を迎えたのに、アクアットの倅のパーティーが先に行われては、我が家の面目に関わる。サンクリスト公の面前で恥をかかされた上にそんなことを許すわけにはいかん」
「はあ」
そんなに面子にこだわるならもっと本気でアンセリーナ様を説得して欲しいものだ。と思っていると奇しくも
「そういうわけでどうしてもアンセリーナのお披露目パーティーは近日中に執り行わねばならん。儂も説得するが、お前からも説得してくれ」
とブラベールが言って来た。パンナは顔をしかめて
「お嬢様が私の言うことを素直にお聞きになるとは思えませんが……」
と控えめに反論する。
「そんなことはない。クリスが家を離れている今、あれがまともに耳を傾ける者は儂とお前、それにハンスくらいのものじゃ。しかしまあ無理強いをしても却ってへそを曲げるじゃろうがな」
それは分かりきったことだ。今までそれでどれほど苦労してきたことか。ちなみにハンスとはこの伯爵家の執事長で、家内の全てを取り仕切る有能な男だ。アンセリーナが「爺」と呼ぶ彼は、かの我儘令嬢が最も苦手としている人物でもある。
「それでな、どうしてもアンセリーナが首を縦に振らなかったときは、奥の手を使う」
「奥の手……でございますか?」
口元を歪ませて笑うブラベールを見て、パンナの胸に嫌な予感が走る。
「お前にアンセリーナの身代わりを務めてもらう」
ブラベールの言葉に、パンナは一瞬目の前が真っ暗になったような気がした。
伯爵家の広い廊下に声が響く。カーペットが敷かれた床の上を足早に、しかし足音を立てることなく一人の女性が歩いていく。叫び声の主である彼女は二十歳よりやや若いくらい。腰まで伸びた黒髪を三つ編みにして後ろに垂らし、頭には純白のメイド帽を載せている。紺色のメイド服の前に掛けたエプロンも同じく染み一つない白さだ。
「お嬢様!アンセリーナお嬢様!」
彼女は大きな丸い眼鏡の下でせわしなく視線を巡らし、気配を探る。そしてはっとした様子で窓際に寄ると、二階の廊下の窓を開け、中庭を見下ろした。
「お嬢様!!」
その視線の先に目当ての女性を見つけ、彼女は躊躇うことなく窓枠に足をかける。そして眼鏡を外してポケットにそれをしまうと、中腰になって力を溜め、そのまま一気に階下へ飛び降りた。
「お嬢様!」
「ひあああああっ!!?」
いきなり目の前にメイド服の女性が飛び降りてきて、窓の下をそろそろと歩いていた少女が悲鳴を上げる。輝くような金髪を伸ばした顔立ちの整った少女だ。年齢はメイド服の女性よりもさらに少し若く見える。この伯爵家の長女、アンセリーナだ。
「パ、パンナ!?びっくりするじゃないの!!窓から飛び降りるのは止めてって前も言ったでしょ!」
「お嬢様がおとなしくしてくださらないからです。ピアノのお稽古の時間ですよ?」
ポケットから出した眼鏡を掛け直し、パンナと呼ばれたメイドが鋭い視線でアンセリーナを睨む。
「き、今日は無理!あ、頭が痛いの。ジラックのところへ行って薬をもらわないといけないから、じゃあね」
「お待ちください!お嬢様!」
ひらひらと手を振って歩いていくアンセリーナに、パンナがはあ、っとため息をつく。どうせ仮病に決まっているが、伯爵家の侍医であるジラックは伯爵にゴマをすることだけが特技のような男だ。伯爵が溺愛するアンセリーナの頼みとあれば病の一つや二つでっちあげるくらいのことはするだろう。
「またピアノの先生にお詫びをしなければいけませんね」
これで習い事の先生にドタキャンの詫びを入れるのは何度目だろう?伯爵家の威光があるといっても、先生方の忍耐にも限界がある。実際アンセリーナの講師を辞退した者は過去に何人もいた。何せドタキャンされた時の報酬は払われないのだ。ただ時間を無駄にしただけの彼らが怒るのも無理はない。
「お嬢様にはもう少し自覚を持っていただかないと……」
パンナはアンセリーナが去っていったほうを見つめて呟く。彼女が勤めるこのエルナンド伯爵家は、大陸南部に位置するマルセ王国においては中堅の貴族だ。北方のダストン帝国との国境に近い王国北部の町、ルーディアとコットナーを領地としている。王国と帝国は長い間国境地帯に広がるアラン山脈とその麓のメキア大森林の領有を巡って反目しあっており、大規模な戦争はここ数十年ないものの、森林付近の小競り合いは頻発している。
「お披露目も延びに延びておりますし……伯爵様ももう少しお嬢様に厳しくしていただかないと困りますね」
屋敷の玄関へ向かいながらさらにパンナの愚痴は続く。アンセリーナは先々月16歳の誕生日を迎えた。貴族の慣例として、16歳になった子息は誕生日の祝いを兼ねて他の貴族を招き社交界デビューとなるお披露目パーティーを催す。当然アンセリーナのお披露目も催されるはずだったが、元来我儘で人嫌いのアンセリーナは大勢の貴族に挨拶をして回らねばならないパーティーを嫌がり、病気と偽って開催を延期していた。とにかく娘に甘いエルナンド伯爵はそれを許し、ずるずると今日まで来ているのだ。
「パンナ!お嬢様は?アシム先生がずっとお待ちになってるのよ」
玄関ホールに入ったパンナに別のメイドが声をかける。パンナより少し年長の縮れた赤毛の女性だ。パンナがため息をつき、無言で首を横に振ると、それで相手は全てを察したように、額に手を当てた。
「また?本当に困ったものね。アンセリーナ様には」
「エンリ、悪いけど先生にキャンセルだって伝えてくれない?私もう何回も顔合わせてるからバツが悪くって」
「私だって嫌よ。でもこれ以上無駄にお待たせするわけにもいかないし……仕方ない、一つ貸しよ、パンナ」
エンリと呼ばれたメイドがやれやれといった顔で奥の廊下に消えていくのを見送り、パンナは他の仕事に取り掛かることにした。とりあえず昼食の食器洗いは終わっているし、庭の掃除にでも行こうか、と考えていると
「パンナ、丁度よかった。話がある」
突然頭上から声が掛けられた。玄関ホールは吹き抜けになっており、入口の正面に二階へ続く大階段がある。その左右に欄干が供えられた廊下が半円状に広がっているのだが、そこから一人の男性がパンナを見下ろしていた。この屋敷の主にしてここルーディアの領主、ブラベール・ファン・エルナンド伯爵だ。
「お帰りなさいませ、旦那様。お戻りに気付かず申し訳ございません」
恭しく膝を付き、首を垂れるパンナに、伯爵はよいよい、と軽く手を振り、ゆっくりと大階段へ歩を進める。小柄な体の出っ張った腹をゆすりながらゆっくり階段を下りた伯爵は手入れされたカイゼル髭をさすり、ふう、と息を吐いた。彼は昨日まで王国北部を統括するサンクリスト公爵家の領地ベストレームで行われていた地方会議に参加していた。サンクリスト公爵家は「四公」と呼ばれる王国最高家格の四大公爵家の一つである。元は王家と同じ血筋であり、嫡流の者は王位継承権を有する。中央に王家が治める王都があり、その四方を四公が支配するというのがマルセ王国の現在の姿だ。エルナンド伯爵家もサンクリスト公爵家が統治する王国北部の一部を割譲されているに過ぎない。
「変わりはなかったか?」
「は、はい、特には」
いつも通りお嬢様が我儘ばかりおっしゃって困っております、と喉元まで出かけたが、それをぐっと飲み込む。超が付く親バカの伯爵に何を言っても無駄だとパンナは理解していた。
「それでお話とは?」
「うむ。アクアット子爵は知っておるな?」
パンナの目の前に立ったブラベールが不機嫌そうに尋ねる。
「お名前だけは」
アクアット子爵は伯爵家の領地であるコットナーの隣町、グレーキンを統治している貴族だ。昔からエルナンド家に対してライバル意識を持っていると聞いたことがある。
「先日の地方会議できゃつがな、息子のお披露目パーティーをすると言いおったのだ。それでうちのアンセリーナのお披露目は何時ですかな?などと訊いてきおった。わざわざサンクリスト公の眼前でだぞ!嫌味ったらしいにもほどがある!」
ブラベールは地団駄を踏むように足を数回床に叩きつけ、ぎりぎりと歯をこすり合わせた。それを見上げながら、パンナは心の中でため息をつく。嫌味を言われたのはアンセリーナの我儘を許している自分のせいだ、ということに気づいていないのだろうか。いや、彼はそれほどバカではない。分かっているからこそ何も言い返せなかったのだろう。
「ですから速やかにパーティーを開催なさらねば、と何度も進言いたしました」
「アンセリーナが嫌がっておるのだから仕方なかろう!しかしアンセリーナのほうが早く誕生日を迎えたのに、アクアットの倅のパーティーが先に行われては、我が家の面目に関わる。サンクリスト公の面前で恥をかかされた上にそんなことを許すわけにはいかん」
「はあ」
そんなに面子にこだわるならもっと本気でアンセリーナ様を説得して欲しいものだ。と思っていると奇しくも
「そういうわけでどうしてもアンセリーナのお披露目パーティーは近日中に執り行わねばならん。儂も説得するが、お前からも説得してくれ」
とブラベールが言って来た。パンナは顔をしかめて
「お嬢様が私の言うことを素直にお聞きになるとは思えませんが……」
と控えめに反論する。
「そんなことはない。クリスが家を離れている今、あれがまともに耳を傾ける者は儂とお前、それにハンスくらいのものじゃ。しかしまあ無理強いをしても却ってへそを曲げるじゃろうがな」
それは分かりきったことだ。今までそれでどれほど苦労してきたことか。ちなみにハンスとはこの伯爵家の執事長で、家内の全てを取り仕切る有能な男だ。アンセリーナが「爺」と呼ぶ彼は、かの我儘令嬢が最も苦手としている人物でもある。
「それでな、どうしてもアンセリーナが首を縦に振らなかったときは、奥の手を使う」
「奥の手……でございますか?」
口元を歪ませて笑うブラベールを見て、パンナの胸に嫌な予感が走る。
「お前にアンセリーナの身代わりを務めてもらう」
ブラベールの言葉に、パンナは一瞬目の前が真っ暗になったような気がした。
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