私は性欲モンスター

みう

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私は性欲モンスター

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「私は性欲モンスター」                                みう

この話が公になる頃には私の人生は終わる。
夫と離婚するであろう。
友人も私から遠ざかるであろう。
親に至っては勘当されるはずだ。

私の父は大手会社の創始者で、何不自由なく私は育った。
欲しい物はすぐに手に入ったし、思春期を迎えた中学時代には男にも不自由しなかった。

反抗期もなく育った私は、親の言いなりだった。
親が白いものを黒と言えば、世の中は黒い世界で埋め尽くす。そう教えられた10代だった。

「性」と言うものに目覚めたのは中学入るか入らないかの頃だった。
初めて「彼氏」と呼べる男性が出来たのは中1の頃。相手は10歳年上だった。
父の部下で、彼は婚約者が居た。ルックスも人柄も良い彼は上司からも可愛がられ、後輩社員からは慕われていた。
恋愛の二文字もよく分からない私に「ご令嬢」として唯一扱わなかったのが彼だった。
また、中学生の子供とも扱わず、一人の女性として扱ってくれていた。
私は異性を初めてとても大事だと思ったと同時に、私の性欲が沸々と沸く。
ある日婚約者と別れたと聞いた私は彼を呼び出した。
なかなか告白出来ない私に、彼は缶コーヒーを私に手渡しこう言った。
「付き合おっか。」
なんて軽いんだと思った。そんなもんか。しかし私は遊ばれても良いからと言う気持ちで「うん。」と答えた。
デートは横浜だった。ただプラプラ歩くだけだった。
それでも楽しいと感じる。彼氏と言う存在は不思議なものだ。

13歳の私は、セックスのやり方どころか気持ちがいいキスの仕方すら知らない。
彼とデートの時は相手が年上なだけあり、自分自身に変なプレッシャーを感じていた。
今の時代の様にスマホで動画やネット検索で調べる訳にもいかないし、何より経験豊富であろう彼に対し、キスの1つ上手く行かなかったらと焦っていた。

そんな彼と、初めてのキスは飛行機の中だった。
音楽活動をしていた彼と友人、大勢で私もついていったのだ。
帰りの飛行機でふいをつかれたキス。あっと言う間だった。

私の性欲はこのキスからスタートした。
彼に会う度にキスをせがんだ。
彼とはなかなかデートが出来ない。ましてや私の親にバレたら大変だ。
デートは真夜中。家を抜け出して彼の待つ車に乗り込み、江ノ島などドライブデートだった。
彼とのデート中、補導をされたこともあった。
警察署で私の親に土下座する彼。もう終わりかと思った。
しかし、私達はそれでも続いていた。
しばらくして、彼とは遠距離恋愛になった。私の悪魔が囁いた。キスする相手が近くにいないなら、近くで探しても良いんじゃない?と。
しかしはっきり言って同年代の男には興味がなかった。
彼の様な、大人のキスをたかだか13、14歳が出来るのかと。
しかしその時は案外早かった。同じクラスの男を好きになってしまった。

年上の彼との遠距離恋愛は続いていたが、同級生との付き合いも始まった。
第二の彼はクラスでもそこまで目立たないが地味でもない普通の男子だった。
私は彼の野球部が終わるのを待ち、いつも私を家の近所まで送って貰い、近くの原っぱで景色を眺めたら必ずキスをする。これが私と第二の彼との付き合い方だった。 
しかし2週間で第二の彼とは付き合いが終わってしまう。
付き合っていることが年上の彼にバレてしまったのだ。
それはすごい勢いで怒られた。それは電話でだった。
「今ここでどっちにするのか決めろ!」
年上の彼を選んだ私は第二の彼にすぐに電話をし、「ごめん」と伝えた。
あっけない第二の彼との終わりだった。

また平穏な日々が続いた。私は年上の彼との付き合い方に沢山欲が出てきた。色んな事をもっとしたい、そう思った時に遠距離をしていた彼と会う機会があった。
やっぱり夜中に抜け出し、車で行った先は友人のマンション。
屋上へ上りイチャイチャしていた。するといつもと違うキスを彼が仕掛けてきた。
私も一生懸命それに応じる。しばらくすると、彼の右手が私の左胸に到達していた。
蚊の鳴くような声で私は「あっ…」と感じていた。
もっと、もっと、と私は思っていたが、彼はそこで「ここまでにする」と言った。
凄くガッカリした。今思えば優しい男だったのだと。

年上の彼とはその後会わなくなった。遠距離恋愛は長くは続かず、風の噂で彼に彼女が出来たらしい。怒りはなかった。それは恋愛についてよくわからなかったからだ。

高校生になり、すぐに新しい彼氏が出来た。2つ上の同じ学校の先輩だ。
学校では暗めの男子だったが、男らしさを感じた。
彼は高校生にして独り暮らしをしていた。
私は毎日学校が終わると、スーパーへ買い物し、彼の家に行き食事を作り、新婚ごっこをしていた。
「みうは料理が下手だなぁ」「これから上手くなるの!」
そんな会話もいとおしかった。
また、初めてのセックスもその彼とだった。場所は家ではなかった。公園だった。
彼も私も初めて同士。手探りでセックスを楽しんだ。
公園や人気のない場所、彼の家、あらゆる場所でセックスをした。
毎日毎日セックス三昧。外ですると虫に食われ、私の腕や足は虫刺されでいっぱいになった。
しかし高校時代が終わると同時に一度別れてしまった。
彼は姿を消してしまった。

大学に入ると私はまた好きになる男が出来た。
またもや同じ学校の同級生だ。
彼は街中を歩いても人目を引くオーラがあった。目立つアクセサリーの様な、一緒に居るだけで自慢の彼だった。優しい彼は私に対して文句一つ言わない。
つけ上がった私は彼だけの愛ではもの足りず、男遊びに走る様になった。
初対面の男や、友人など、セフレを沢山作る様になった。
容姿に自信があった若い頃の私は、夜の街に繰り出せば必ずと言って良いほどナンパをされた。
「どこ行くのー?一人?」「うん。」「ちょっと遊ぼうよ」「いいよ。」
この会話はいつもだった。
カラオケへ行き、ホテルへ行く流れ。スッキリすると私はさっさと帰った。
好きでもない男とセックスの後にイチャイチャしたくなかった。
私は私の性欲が満たされればそれで良いのだ。
日に日にセックスに溺れる私を彼は見て見ぬフリをしていた。
彼との付き合いも数年が経ち、いつの間にか私も全てのセフレを切り、また彼だけになっていた。
そんな時に彼との間に子供が出来る。そして私は結婚、出産をした。

それからはとても幸せだった。子供中心の生活にも慣れ、セフレが沢山居たこともすっかり忘れていた。
私にとってかけがえのないセックスも順調だった。
全てが上手く行くと思っていた。しかしそれはたったの2年までだった。

子供は2歳を迎えていた。その頃から夫婦の会話も減り、いつの間にかセックスレスになっていた。
私はストレスが溜まっていた。性欲のストレスだ。
数年振りにまた私はセフレ作りを始めた。子供を預けると、私は夜の街に繰り出した。

またもや初対面の男とセックスをする日々が始まる。
来る日も来る日もセックスに明け暮れた。
ここまで来ると私はセックス依存性なのかもしれない。 

また、私が働いていた会社で夫の後輩とも恋愛を楽しんだ。
ひっそりとドライブデートを楽しみ、海辺で告白をされた。私が既婚者だとは知っていても大切にすると言う。私はその後輩にどっぷりハマり、盲目になっていた。
後輩の彼はセックスをしたことがなく、ホテルへ二人で初めて行った時に丁寧に教えた。
まるでネジが外れたかのように理性が飛んでいた。彼も理性が飛び、会う度にセックスをするようになった。
しかし彼ともそう長くは続かなかった。
その3年後、耐えに耐えていた1番目の夫は離婚を持ち掛ける。
私はそれに応じる。子供には可哀想だったが、それしか選択がなかった。
また夫も彼女が出来、家には帰って来なくなった。
「離婚してください」「わかりました。」お互い敬語になっていた。

それからの数年間は子供との二人きりの生活。それなりに幸せで楽しかった。しかし、生活していく上でお金は沢山欲しかった。
子供には申し訳ないとは思いながら私は手っ取り早い方法でお金を稼ぎたかった。

そこで私は天職じゃないかと思う職業に出会う。
それは風俗だった。
初めての風俗はデリヘルだった。
お客様が風俗嬢を自宅やホテルに呼び、丸裸で二人きりになる。
本番(男性の性器を女性に入れること)は出来ないが、素股までは出来る。

私の源氏名は「みう」に決まった。
私が好きな響きだからだ。
最初は震えが止まらなかった。個室の待機室で待つ。
着信が来たら仕事スタートだ。
スマホを何度も見る。着信が来てほしい様な来てほしくない様な。
そんな緊張感で待っていた。

すると、スマホのバイブレーションが鳴る。仕事の合図だ。
震える手に震える声。恐る恐る電話に出る。
事務所からの声。「○○ホテル205号室までお願いします。」
「…はい。…わかりました。」電話を切るとすぐにホテルへ向かう。足も震えていた。

見ず知らずの男性相手に私はきちんと出来るのか。
出来なかったら殺されるのではないか。
色んな事を考えた。怖くて怖くてたまらなかった。

205号室に着いた。このドアをノックしたら始まる。
…コンコン。「はーい」少し高めの声の男性が返事をした。
ガチャ。「失礼します!○○から来ましたみうです!宜しくお願いします!」
まるで面接を受けるかの様な勢いで挨拶をした。

中年小太りの男性だった。ドアを閉めると私の髪を優しく撫でながら「初めてなんでしょ?緊張しなくても大丈夫だからね」とリードしてくれた。
「シャワー浴びようか」「…はい」
本当に風俗嬢への扱いが慣れていて私はなすがままになっていた。

シャワーの浴び方も初めてだった私はとにかく余裕がなくせっせとお客様の体を洗っただけだった。慣れてくるとシャワー中にイチャイチャ出来たがまだそんな余裕はなかった。
シャワーから出て体を拭いてあげてキスをしながらベッドへ。
そのまま事が始まる。
リードしてくれていたお客様はベッドになるとMだと言うことはすぐに察した。
私は性欲は強くてもテクニックは自信がなかったが、お客様の反応を見ながら感じる部分を一生懸命愛撫した。
フェラチオは得意だった。そしてフィニッシュにごっくんする事も全然苦ではなかった。
「みうちゃん…最高だよ…気持ちいいよ…」
そんな事を言ってくれると私も気分が良くなり舌使いも激しくなる。
「あぁっ!イッちゃうよ…!」
私の口の中に大量の精液が注ぎ込まれた。私はそれを飲む。
お客様に口の中を見せ、「飲んじゃった!」と言うと「えぇっ!」とびっくりされる。
その瞬間が好きだった。
セットしていたタイマーが鳴る。恋人気分の時間はここまでだ。
「みうちゃん、またね」「ありがとうございました!」

ホテルを出るとすぐに次のお客様が待っているとの電話が鳴った。
急ぎ足で次のホテルに向かう。さっきよりも足取りは軽かった。
同じような流れで始まる。しかし今度はお客様はSだった。
元々M気質のある私は攻められる事が好きだったので、気が付くと素直に感じていた。
キスも上手な人だった。私がとろんとしていると、されるがままに首元、胸、アソコに舌を這わせられていた。
「あっ…んっ…」私の喘ぎ声が静まり帰る部屋に響く。
おじ様の舌が私が一番感じるクリトリスに到達すると私は更に声が大きくなる。
ピチャッ、クチュッ…「エッチな音がしてるよ、みう」私はその言葉で更に濡れてしまう。
おじ様の舌使いが激しくなると「いやぁ…!やだ…イッちゃう…!…あぁっ!」私は果ててしまった。
おじ様はそれが満足だそうで、私が攻めようとすると「いいんだよ」と優しく手を私のお腹に乗せた。タイマーが鳴り、お別れの時間だ。少しずつ楽しくなって来たのか、お客様と別れる時は自分からキスをしていた。

そんな生活を数ヶ月していた。
刺激を求め続けていた私は、他にもやってみたい風俗があった。
箱ヘル(店舗型ヘルス)だ。
面接へ行くと既に喘ぎ声が飛び交っていた。

箱ヘル初日、初めて風俗をやる時のドキドキよりも慣れてきたせいか、楽しいからかワクワクしていた。
私が使う部屋に案内された。ここで今日、何人とイチャイチャ出来るのだろう。
そんな事を考えていた。
部屋で待機していると、ドアがノックされる。すぐにタイマーセットだ。
「お願いしまーす」と言うとスタッフがカーテンを開ける。お客様とのご対面。
同時にタイマーをスタートさせる。

「初めまして!今日から入りましたみうです!」
「元気いいね。宜しくね」
「早速シャワー浴びましょうか?」いつの間にか私はしっかり流れが作れる様になっていた。
一緒にシャワーを浴びに行く。シャワー中にイチャイチャも出来る様になった。
シャワーを当て、お客様の乳首をソフトタッチしながらキスをする。ペニスを洗う時は軽くおしゃぶりする。
お客様の背中を洗う時は抱きつく形で胸を押し当て、背中を優しく洗う。
それを短時間で行う。大概お客様はその時から勃起をする。

部屋に戻り待ちきれないとばかりに私が攻め始める。
キスも激しくなる。「気持ちいい…?」と耳元で囁く。
「みうちゃん…気持ちいいよ…」この言葉が嬉しいのだ。
お客様によっては、乳首は感じないと言う人もいる。このお客様がそうだ。
なのでペニスに近い所、脇腹から愛撫し、太腿等をキスしたり舐めたりする。
玉を口に含むとペニスの先から我慢汁が出ていた。ペニスの根元から裏筋をキスして、我慢汁をペロッと舐めると「あぁっ…」と感じていた。
「出ちゃってるよぉ…?」と言ってまだ焦らす。
舌を根元から這わせ、ペニスの全面下から先へ舐める。我慢汁が更に出て来て垂れて来たらジュルッと吸いながら先っぽを円を描くように舐める。
しばらく先っぽを優しく舐める。そしてゆっくり奥まで咥える。
奥まで咥える時は裏筋に舌を上下させながら咥え、一番奥まで来たら舌を思い切り出す。
手も使う時はしごきながら親指で裏筋をさする。私はとにかくフェラチオが大好きだ。
やがてお客様は「で、出ちゃうからやめて…」と言う。時間が有りそうな時は体位を代えたりで中断するが、下手してタイマーの音が鳴ったらお客様が現実に引き戻されてしまう。
このお客様は少々時間がかかったので、私は続ける事にした。
「みうちゃん…!イッちゃう!出る…!うっ…!」私はお口でキャッチした。
そしてまたもや舌をベーッと出して「美味しかったよ!」と言うと、「こら、全くエロいな、みうちゃん」と言われる。
そしてタイマーが鳴り、帰る前にまたシャワーへ。
「今度は素股もしようね」とお客様が言う。良かった。リピーターになってくれるらしい。
一緒に着替えてお礼を言う。部屋のドアを開け、店のドアの前で「またね」とキスをする。
手応え有りだった。その日の勤務では6人相手をした。

ネットでは風俗専用の様々なサイトがある。口コミしたり、嬢の事を自由に書き込んだり。
その中で嬢のランキングサイトがあった。リピーターが増えるとランキングインするのだ。
そんなランキングに入れた時期があった。リピーターが何人か付いたのだ。
少しの間ではあったが、1位にもなった。それを友達に自慢出来ないのが悲しい所だ。
しかし、ランキングで上位に入るとモチベーションが上がる。
仕事により一層気合いが入った。本番強要するお客さんを上手く交わす事も出来るようになった。以前までは断ると怒られたりしたが、気持ちのいい関係で尚且つリピーターになってくれ、本強しないお客様が増えた。 良いお客様に恵まれたと思った。

しかしそれは長くは続かなかった。
いつも通りの接客をしていた。私に入るのが2回目のお客様はその日は何だか態度が違った。
1回目の時はサービスが終わると好きな音楽を聴かせてくれたりしたが、その日はサービス中もドSに変わっていた。
命令口調なお客様。私はそれに従っていた。私があまり得意ではないお客様の肛門舐めを強要された。言われるまま舌を這わせた。
すると今度は私が仰向けになり、お客様は立って私の顔に股がり、お客様が高い位置からツバを垂らす。「口開けて飲め。」と言われ、私は仕方なしに口を開け、お客様の垂らしたツバをキャッチした。
私はこのプレイが苦手だった。そのお客様は週2で私に入って来た。
きっとこんなプレイも慣れる。そう思っていた。
しかし最初は優しいと思っていたお客様が日に日に怖く見えた。
私は我慢することにした。これも仕事だ。我慢しなきゃ。

そんなある日、店長に呼び出された。
「みうちゃん、最近大丈夫か?何か隠してないか?」と。
流石店長だ。我慢していた気持ちを、お客様とのプレイ内容を正直に話した。
店長が「辛いならお客様を出禁にする。前にも他の嬢で苦情あったんだよ」と。
私は悩んだ。出禁にしたらお客様の行き場がなくなるかもしれない。まぁ、他店に行くかもだが、せっかく私を選んでくれたんだ。我慢を続けるべきか…

私は答えを出した。
それは私自身が風俗から辞める事だ。私の中では大きな決断だった。
しかし今まで出会ったお客様には申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
一人一人思い出していた。本当に辞めていいのか…。
店長にも相談しようかと思ったが、仮に引き止められたら揺らいでしまう。
やはり辞めよう。私は決めた。

店長にも話し、最後の出勤が来た。またもや初めてのお客様からリピーターのお客様まで精一杯接客した。
何だか寂しい気持ちになった。しかしもう決めた事。色々考えない、思い出さない、と自分に言い聞かせた。
私はお金を理由にしていたのかもしれない。
私は家庭環境を理由にしていたのかもしれない。
しかし本当の理由は私の性欲にある。

店を辞めてからは清掃員になった。ラブホの清掃だ。
やっぱり私は性に纏わる職業が好きらしい。
自慰行為も毎日、またセフレが出来た。見知らぬ男性からお金を貰い、替わりに自分の身体を売る事もした。
10年くらい前の春、明日も友人とセックスだとワクワクしていた。
そこで1本の電話が鳴る。見ると公衆電話と表示されていた。
恐る恐る電話に出ると「もしもし、みうさんの携帯ですか?」
聞き覚えのある声だ。私は頭をフル回転させて過去の記憶を辿った。
高校時代付き合っていた一人暮らしの彼だった。15年振りに聞いた声は少し変わっていたが私は何だか嬉しくなった。
「はい。もしかして?」「うん。俺だよ。とりあえず話があるんだ。今から会えない?」「いいよ」
再会した。話を聞くと1度彼は結婚をし、離婚になり、家を追い出されたが行く宛もなく公園で寝泊まりしているそう。しかし仕事へは行っているのでお風呂に入りたい。だが刺青があるために銭湯に行けないから風呂を貸してくれ、そんな話だった。
私は彼に下心があろうがなかろうが3ヶ月だけ同居しようと提案した。お金が貯まったら一人暮らししな、と。
その日から彼との生活が始まる。初日は別々の部屋で寝たが私は悶々としていた。
次の日には彼に携帯をプレゼントしていた。持っていなかったからだ。そしてその夜、私は決意をした。

彼が寝ている寝室の前に立っていた。
襖越しに「寝てる?」と声を掛けた。「もうすぐ寝るよ」返事があった。
「…あのさ、隣で寝て良い?」「…いいよ。」私は隣に行った。
「懐かしいね、こうやって一緒に寝るの。」「そうだなぁ。」「…ねぇ。」私は勇気を振り絞って言った。
「腕枕くらいしてよ。」
彼は素直にしてくれていた。いつの間にか私達はキスをし、服を脱がせ合っていた。
「俺さ、高校の時の夢、なんだと思う?」「なんだっけ?(笑)」
「みうと結婚すること。」

それから9年同棲をした。今年で3年目になる再婚した高校時代の彼氏(今の夫)とは猿の様に未だ毎日セックスをしている。
私の留まる事を知らない性欲は、きっとこの世を去る時まで続くであろう。
風俗を辞めるその日、店の扉を閉める時の見上げた真っ青な空が私の心にそう語っていた。

私は「みう」。これからも「みう」で有り続けたい。


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