2 / 4
異世界の始まり
しおりを挟む
「新たな魔王の誕生が確認された」
その事実が世界を駆け巡るのに1週間も掛からなかった。長らく鎮座している魔王達も少しばかり興味を示す。
「どんな奴なんだ?」
「分からない。どの種族の魔王かも不明。世間では伝説の11人目の魔王が救世主だなんて言われてるわね」
「救世主? はっ! この世界がこうやってあるのも俺たちのお陰じゃねぇか。
だから人間は嫌いなんだよ」
「そう言うでない。人の寿命は短い。そして、伝承や史実は風化していくもの。
だが、人は忘れてはいないだろ? 我々魔王が畏怖される存在だということを」
「確かに。それで? 俺たちがこうやって集められた理由は何なんだ?
第一席魔王 ゼロ」
「魔王降臨の知らせと新たなる問題の知らせだ」
「新たなる問題? 何だそれ」
「魔王は10人によって成り立つもの。それ以上でもそれ以下でもダメだ。均衡が崩れてしまうからな。
だが、11人目が現れた。
均衡の崩れによってもたらされるのは、混沌だ。
近い将来、アレが復活する」
「やべぇじゃん」
「ああ。我々が危惧すべき存在、神の復活だ」
様々な姿をした人型の存在が6人、円卓を囲んでいる。
第一席 ゼロが話した存在の復活に一気に場の空気は変わる。
「まぁ、今更どうすることも出来まい。神が復活するのなら対抗するまで。
違うか?」
「確かにな! この世界を好きにはさせないぜ。
…なぁ、その新参者はどうしておくんだ?」
「今のところ、魔王という称号だけで強さは感じられない。敵にも味方にもなれぬ存在だ。
とりあえずは放っておいて問題無いだろ」
「了解っと。それじゃあ、帰るぜ」
話し合いが終わり、一人また一人と帰って行く。そして、残ったのはゼロともう一人の魔王だけになる。
「懐かしいか?」
「何がだ?」
「ふっ…お前が最初に魔王として来た瞬間のことは今でも覚えている」
「年寄りくさいことを言うなソウキ」
「ははは! もう年寄りだ。お前がこの世界に来てからもう何年も経ったのか。世界に平穏をもたらした異世界からの魔王。
だが、次は世界に混沌をもたらしてしまったな」
「まだ分からないさ。彼がどういった道に進むのか。
彼の選択を見てみようじゃないか。
世界を闇に染めるのか世界を混沌にするのか。彼はとても可哀想な転生魔王だよ」
「そう、だな」
2人は雷が鳴り響く空を見ながら未来を考える。
「本当にありがとうございました!」
「いいって。困った時はお互い様だろ」
「えっと…魔王…様なんですか?」
「そうみたいだなー。よく分かってないんだけど」
「あっ! もしかして、転生者さんですか?」
「転生者?」
「はい。異世界から転生してきた人のことを言います。この世界ではそんなに珍しくないんですよ」
「そうなのかー」
先ほどから会話している女性は魔物に襲われていた人。情報を知りたいのもあって会話してる。
この世界の言語なんて知らないのに理解出来るのか。
『システムガイドによって言語を変換しています。なので、理解可能なのです』
なるほど便利だなー。
「転生者…ってのだと思うんだけど、この世界について何も知らないんだ。町まで案内して貰うこと出来る?」
「もちろんです! 恩人の頼みを断ることなんて出来ません!」
「ありがとう。あと、敬語じゃなくていいから。俺と年齢も変わらないぐらいだろうし。タメ口で全然いいよ」
「あーっと…それじゃあ、改めてよろしく! 私の名前はレイラ」
「レイラ。よろしくな!」
レイラと握手を交わして友好を確かめる。にしても、美人だよなー。顔が整っていて、出るところは出てる魅力的な体型。俺の世界ならモデルになれるトップクラスの美人だ。
「あ! いやらしい目でジロジロ見ないで下さいよ。
…まぁ、助けてくれた時の姿はカッコよかったので今後次第では付き合ってもいいですよ」
「ははは、まさか初対面の女性から出た言葉がそうだと思わなかったよ。
そうだな。善処させてもらうよ」
他愛ない話をしていると町に着いた。素朴って言葉を使った方がいいんだろうな。簡素な木造りの家が建ち並んでる。
「田舎の町だから期待通りじゃなかったかな」
「うーん…まぁ、正直ね。けど、この感じの町は好きだな」
レイラが帰ってきたからと続々と人が集まってきた。
「レイラお帰り。無事だったかい?」
「うん。おばあちゃん大丈夫だよ」
「お! レイラなんだぁ? その男は彼氏なのか!?」
「ち、違うわよ!」
アハハハという笑い声が町中に響いてる。いい人達ばかりの町だな。
そして、杖をついた老人が群衆の中から現れる。
「どうだった? 魔法が使えるからと外の世界で何か出来たか?
出来ぬじゃろうて。大人しく町にいるのじゃ」
「嫌よ。決められた道しか行けないなんて私は認めない。可能性の数だけ道がある。だから、私はこの町を出るのよ」
「なぜじゃ!? この町に何の不満がある!」
「不満? 私の全てを決めてきた人が何を言えるの!?
生きたい道ぐらい選ばせてよ」
「ならぬ! お前は隣の町の町長の息子との結婚が決まっておる。そうすれば、この町もより安泰となる。
分かってくれるな?」
「分かるわけないでしょ!」
なんだかいろいろと険悪な感じのところに来ちゃったかな。
にしても、この町長みたいな人はムカつくな。
「なぁ、さっきから気になってるんだが、この人はレイラの何なんだ?」
「祖父よ。町の長なの。私を政略結婚させようとしてるのよ」
「そういうことだ。部外者は黙っていて貰おうか」
「私の恩人になんーーー」
「まぁまぁ。俺は確かに部外者だ。けどな、俺の正体を知っても同じことが言えるかな?」
「何?」
「俺は魔王だ」
「魔王!? 何をバカな…いや、本物だ!!」
え? 何か確認する方法あるの? それ教えて欲しいんだけど。
『ステータス確認がこの世界の住人にはパッシブで付いています。
なので相手の職なども確認出来るのです』
なるほどね。なら、話は早いな。次の手はこうだな。
「俺の要求はただ一つ。贄としてこの女を貰い受けることだ」
「そ、そんな…。それは困ります!」
「なんだぁ? この町を滅ぼしてもいいんだぞ。それを女一人で済むなら安いだろ?
それにどこかの町の訳の分からないところにやるぐらいなら魔王と繋がりを持った方がいいと思うがねー?」
「…分かりました。レイラを生贄として捧げます」
町長何言ってんだー!って怒号が飛び交ってるなー。レイラも怒って俺を見てるし。仕方ないじゃん。こうするしか無かったんだから。
「それでは失礼する。俺が魔王の頂点に立った時は期待するといい」
レイラの手を引いてこの場を後にしようとする。レイラは最後に深々とお辞儀して立ち去った。
にしても、これからどうすればいいのよ。
その事実が世界を駆け巡るのに1週間も掛からなかった。長らく鎮座している魔王達も少しばかり興味を示す。
「どんな奴なんだ?」
「分からない。どの種族の魔王かも不明。世間では伝説の11人目の魔王が救世主だなんて言われてるわね」
「救世主? はっ! この世界がこうやってあるのも俺たちのお陰じゃねぇか。
だから人間は嫌いなんだよ」
「そう言うでない。人の寿命は短い。そして、伝承や史実は風化していくもの。
だが、人は忘れてはいないだろ? 我々魔王が畏怖される存在だということを」
「確かに。それで? 俺たちがこうやって集められた理由は何なんだ?
第一席魔王 ゼロ」
「魔王降臨の知らせと新たなる問題の知らせだ」
「新たなる問題? 何だそれ」
「魔王は10人によって成り立つもの。それ以上でもそれ以下でもダメだ。均衡が崩れてしまうからな。
だが、11人目が現れた。
均衡の崩れによってもたらされるのは、混沌だ。
近い将来、アレが復活する」
「やべぇじゃん」
「ああ。我々が危惧すべき存在、神の復活だ」
様々な姿をした人型の存在が6人、円卓を囲んでいる。
第一席 ゼロが話した存在の復活に一気に場の空気は変わる。
「まぁ、今更どうすることも出来まい。神が復活するのなら対抗するまで。
違うか?」
「確かにな! この世界を好きにはさせないぜ。
…なぁ、その新参者はどうしておくんだ?」
「今のところ、魔王という称号だけで強さは感じられない。敵にも味方にもなれぬ存在だ。
とりあえずは放っておいて問題無いだろ」
「了解っと。それじゃあ、帰るぜ」
話し合いが終わり、一人また一人と帰って行く。そして、残ったのはゼロともう一人の魔王だけになる。
「懐かしいか?」
「何がだ?」
「ふっ…お前が最初に魔王として来た瞬間のことは今でも覚えている」
「年寄りくさいことを言うなソウキ」
「ははは! もう年寄りだ。お前がこの世界に来てからもう何年も経ったのか。世界に平穏をもたらした異世界からの魔王。
だが、次は世界に混沌をもたらしてしまったな」
「まだ分からないさ。彼がどういった道に進むのか。
彼の選択を見てみようじゃないか。
世界を闇に染めるのか世界を混沌にするのか。彼はとても可哀想な転生魔王だよ」
「そう、だな」
2人は雷が鳴り響く空を見ながら未来を考える。
「本当にありがとうございました!」
「いいって。困った時はお互い様だろ」
「えっと…魔王…様なんですか?」
「そうみたいだなー。よく分かってないんだけど」
「あっ! もしかして、転生者さんですか?」
「転生者?」
「はい。異世界から転生してきた人のことを言います。この世界ではそんなに珍しくないんですよ」
「そうなのかー」
先ほどから会話している女性は魔物に襲われていた人。情報を知りたいのもあって会話してる。
この世界の言語なんて知らないのに理解出来るのか。
『システムガイドによって言語を変換しています。なので、理解可能なのです』
なるほど便利だなー。
「転生者…ってのだと思うんだけど、この世界について何も知らないんだ。町まで案内して貰うこと出来る?」
「もちろんです! 恩人の頼みを断ることなんて出来ません!」
「ありがとう。あと、敬語じゃなくていいから。俺と年齢も変わらないぐらいだろうし。タメ口で全然いいよ」
「あーっと…それじゃあ、改めてよろしく! 私の名前はレイラ」
「レイラ。よろしくな!」
レイラと握手を交わして友好を確かめる。にしても、美人だよなー。顔が整っていて、出るところは出てる魅力的な体型。俺の世界ならモデルになれるトップクラスの美人だ。
「あ! いやらしい目でジロジロ見ないで下さいよ。
…まぁ、助けてくれた時の姿はカッコよかったので今後次第では付き合ってもいいですよ」
「ははは、まさか初対面の女性から出た言葉がそうだと思わなかったよ。
そうだな。善処させてもらうよ」
他愛ない話をしていると町に着いた。素朴って言葉を使った方がいいんだろうな。簡素な木造りの家が建ち並んでる。
「田舎の町だから期待通りじゃなかったかな」
「うーん…まぁ、正直ね。けど、この感じの町は好きだな」
レイラが帰ってきたからと続々と人が集まってきた。
「レイラお帰り。無事だったかい?」
「うん。おばあちゃん大丈夫だよ」
「お! レイラなんだぁ? その男は彼氏なのか!?」
「ち、違うわよ!」
アハハハという笑い声が町中に響いてる。いい人達ばかりの町だな。
そして、杖をついた老人が群衆の中から現れる。
「どうだった? 魔法が使えるからと外の世界で何か出来たか?
出来ぬじゃろうて。大人しく町にいるのじゃ」
「嫌よ。決められた道しか行けないなんて私は認めない。可能性の数だけ道がある。だから、私はこの町を出るのよ」
「なぜじゃ!? この町に何の不満がある!」
「不満? 私の全てを決めてきた人が何を言えるの!?
生きたい道ぐらい選ばせてよ」
「ならぬ! お前は隣の町の町長の息子との結婚が決まっておる。そうすれば、この町もより安泰となる。
分かってくれるな?」
「分かるわけないでしょ!」
なんだかいろいろと険悪な感じのところに来ちゃったかな。
にしても、この町長みたいな人はムカつくな。
「なぁ、さっきから気になってるんだが、この人はレイラの何なんだ?」
「祖父よ。町の長なの。私を政略結婚させようとしてるのよ」
「そういうことだ。部外者は黙っていて貰おうか」
「私の恩人になんーーー」
「まぁまぁ。俺は確かに部外者だ。けどな、俺の正体を知っても同じことが言えるかな?」
「何?」
「俺は魔王だ」
「魔王!? 何をバカな…いや、本物だ!!」
え? 何か確認する方法あるの? それ教えて欲しいんだけど。
『ステータス確認がこの世界の住人にはパッシブで付いています。
なので相手の職なども確認出来るのです』
なるほどね。なら、話は早いな。次の手はこうだな。
「俺の要求はただ一つ。贄としてこの女を貰い受けることだ」
「そ、そんな…。それは困ります!」
「なんだぁ? この町を滅ぼしてもいいんだぞ。それを女一人で済むなら安いだろ?
それにどこかの町の訳の分からないところにやるぐらいなら魔王と繋がりを持った方がいいと思うがねー?」
「…分かりました。レイラを生贄として捧げます」
町長何言ってんだー!って怒号が飛び交ってるなー。レイラも怒って俺を見てるし。仕方ないじゃん。こうするしか無かったんだから。
「それでは失礼する。俺が魔王の頂点に立った時は期待するといい」
レイラの手を引いてこの場を後にしようとする。レイラは最後に深々とお辞儀して立ち去った。
にしても、これからどうすればいいのよ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる