青光る、願いの果てに

秋澤えで

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 「どうした? 今日は随分と眠そうだなあ」
 「え、すみません! 昨日は星が綺麗だったので、つい」
 「意外にロマンチストだなあ。料理以外に興味なんてないみてえなのに」
 「失礼ですね。俺にだって美しいものを美しいと思う感性くらいありますよ」

 眠そう、と指摘され内心焦る。そんなに顔に出ていただろうか。
 今日だ。今日一日やり過ごせればいい。そうすればすべてが解決する。そう思うと、この厨房に出勤するのは今日で最後なのかと部屋の中を眺めた。いたって普通の厨房だ。何の感慨もわかなかった。
 



 夕方ごろ、敷地内の様子を再度確認していると、今ではすっかり顔見知りとなった警備員二人と出会った。これから仕事だろうに、なぜか二人は門に向かっている。

 「こんにちはー! どうしたんですか?」
 「おお、ベルシュタイン……」
 「どうしたもこうしたも、仕事を首になったんだ……」
 「……はあ!?」

 項垂れた二人につい素で大きな声が出てしまう。しかし二人はそれで勢いづいたように話し出した。

 「ひどい話だ! 急に首だなんて! まだ冬も寒いのに宿舎も追い出されて……」
 「金はもらったが、それでも次の仕事を探すまで持つかどうか……」
 「ど、どうして今……?」
 「最近居眠りしてるのが多いっていうのが上にばれて」

 一瞬、二人がじと目で俺を見た。

 「ち、違いますよ! 俺が喋ったとかじゃないですから! 俺は二人と仲良くなれて嬉しかったんですもん、二人が危なくなるようなこと話しません!」
 「だ、だよなあ。お前はすごいよくしてくれたし。むしろ居眠りしてるの起こしてくれたもんな……」

 二人を寝かせていたのは自分だが、二人は知らないところだ。そっと口を噤んでおく。
 首にさせてしまったのは申し訳ないが、それ以上今の計画が総崩れになる可能性が出てきた。二人がポンコツだからこそ連れ出すのは可能だったのだ。

 「じゃあ塔の警備員は今日誰がやるんです? 二人の仕事だったじゃないですか」
 「今日のところは伯爵の護衛がやるってよ。あいつは一人で良いんだって。俺らは二人でようやく一人前って、首切る間際にわざわざ言うか?」

 伯爵の護衛。
 嫌な予感がした。たしかペルラの涙が宝石に変わると話したのも伯爵の護衛のはずだ。
 ろくでもない、と内心で舌打ちする。
 だがその一方で一人だけなら何とかできるかもしれない、という思いもわいてきた。男爵に今から作戦の日程の変更を伝えるのは困難だ。間違いなく、男爵は今日この家の壁の傍に馬車を付けることになる。それをなんども行うことは現実的じゃない。
 路頭に迷う二人を心配そうな顔で見送りつつ、俺は手持ちの計画を練り直していた。



 18時を過ぎると日はとっぷりと暮れ、星が輝きを取り戻していた。今ばかりは薄らと明るく降り注ぐ星明りが憎らしかった。
 せめて曇っていれば、人相も何もわからないだろうに。ただ雨が降っていないことだけは安堵した。雨が降ってしまえば俺が必死に練り直した計画もおじゃんになってしまう。

 俺はこの街へ来てから、極力良き人であろうとした。もちろん、嘘は吐く。正直であればあるほど、俺そのものの無教養さが、モラルのなさが際立ってしまうから。それでも、人を傷つけず、だますことで誰かに損を与えることなく、生きてきた。
 この理不尽な世界で、俺は家族を奪われながらも地位を与えられた。働くすべを与えられた。だから与えられたもので、生きていくのに必要なものは賄えるようになった。俺は理不尽さを仕舞い込み、良識的な善人であろうとした。
 誰も傷つけず、奪わず。法に反するようなことは行わなかった。
 だが今日、俺は法を犯す。他人を傷つけるリスクのある方法をとる。
 今日だけは、無法者に、理不尽な者に戻ろう。

 「火事だ! 火が出たぞ!」

 凍てつくような夜に赤い火柱が立ち上る。

 「どこだ、どこから出火した!?」
 「ああ、納屋だ! 納屋から火が出た! 早く行ってくれ! 俺は人を呼んでくる」

 火事だ、火事だと叫びながら敷地中を走り回る。声に火の明かりに屋敷の者たちは騒然となった。近くにいる者は火を消そうと駆けだし、遠くにいる者は火の規模もわからず右往左往とする。
 俺は引っ掻き回すために声の限りに叫んだ。どこまでも駆けて人を呼び、塔の付近に人がいてもおかしくない状況を作る。

 「ああ警備員さん来てください! 納屋で火が出たんです! 火傷している人もいて」
 「俺の仕事は、」
 「お兄さんみたいな強そうな人じゃないと負傷者を運び出せません! 伯爵さまがお呼びなんです! なにしろ納屋に大切なものを隠しておいでだそうで……」
 「クソ爺め、次から次へと……!」

 盛大に舌打ちを一つして男は納屋の方へと走って行った。俺は他の人間を呼びかけるふりをしながら男がいなくなるのを確認すると、すぐに塔を駆け上った。

 時間がない。
 納屋に火をつけたのは俺だ。もちろん、誰かが巻き込まれことのないようあたりに人がいないのを確認した。だが今日は風が強いうえに乾燥している。火が燃え広がる条件はそろっている。怪我する人間もいるかもしれない。だが今の俺にはこれしか思いつかなかった。
 緊急事態は冷静さを失わせる。そして普段理不尽な上司からの指示、と言われてしまうと見ず知らずの人間からの言伝でも信用してしまうのだ。
 だがあの男が納屋まで辿り着いたらその瞬間俺の出まかせはばれる。
 火の気のないない納屋からなぜ火が出たのか。他の人間もいるのに、なぜ敷地の隅の塔まで来たのか。なぜ伯爵が呼んでいるなどと嘘をついたのか。
 そのことに気が付いた者が塔まで来るその時間。それがタイムリミットだ。
 全力で俺は足を動かした。


 「奥様! 奥様!」
 「どうしたの、ベルシュタイン。いつもより騒がしいわね」
 「敷地内で火事が起きました。屋敷の中は大わらわです!」
 「火事って……あなたここにいていいの?」
 「逃げるなら、今日しかありません」

 息を飲む音が聞こえた。とにかく今は時間が惜しい。けれどそれでも、何とかペルラから意志を聞きたかった。何もせずただ攫っては、きっとペルラを傷つける。この地獄のような暮らしでも、ペルラの意思なしに奪い去ってしまいたくはなかった。

 「今日が最後の日です。時間はありません……!」
 「……どうして? どうして見ず知らずの私のためにそこまでするの? あなたには今までよくしてもらったわ。でも私は、あなたのことを信用していいとは思えないの。あなたが何を考えているか、わからない。あなたについていったその先に、何があるのかわからないの」

 焦りと戸惑いが綯交ぜとなった、泣き出しそうな声でペルラは言った。
 数日に1度、俺はこの塔に通い続けた。ペルラに料理を与え、他愛もない会話をして、幸福かと問うた。
 けれど1度たりとも顔を合わせておらず、通う理由も俺は料理人としてなどと嘯いていた。

 「……奥様、俺は嘘つきです」
 「ベルシュタイン、」
 「俺はベルシュタイン・ディープなどという名前ではありません。ジェルマからの難民でもなければ、偶然伯爵家の料理人になったわけでもありません。俺はあなたが幸せかどうかだけを確認しに来たんです。そのために偽名を使い、経歴を偽り、料理人となってこの屋敷に潜り込んだ」
 「あなた何を、」
 「俺は嘘つきです。しかし今、容姿だけは特に嘘をついていません。ですので、どうか一度扉を開けていただけませんか。俺の姿が、俺の信用に足る理由になるかもしれません」

 迷うように、扉に手が掛けられた気配がした。震える声で問いかける。

 「あなたは、私と会ったことがあるの……?」
 「ええ、何度も。俺はあなたと会っています。……最も、顔も覚えていないと言われてしまえばそれまでですが」
 「……ねえ、一つだけ聞かせてくれる?」
 「ええ、俺に答えられることなら」

 落ち着かせるように、ペルラは一つ深呼吸をした。

 「ベルシュタイン、いえ、名前もわからない嘘つきなあなたの本当を教えて。あなたの幸福は、いったい何?」
 「俺の幸福は、ただ一人の家族、この命よりも大事な妹が、幸福に生きていること。ただそれだけです」

 そう答えた瞬間、勢いよく扉が開け放たれた。
 小さな宝石が俺の足元へ転がり落ちる。

 「お兄ちゃん……!」

 10年ぶりに見るペルラはすっかり大人の女性になっていた。背はすらりと伸びて、紅潮しがちな顔はほの白い。けれど泣きながら俺を見るその目が、俺の手を握ろうとするそのしぐさは、あの頃と何一つ変わってなかった。

 「さあ、最後の日だペルラ、答えてくれ! 俺の大事な大事な家族は、唯一の妹は今幸せか!? お前はここに残されるのが良いか!?」
 「いいわけ、いいわけない!」
 「じゃあ願え! ペルラお前はどうしたい! どこで生きたい、どこへ行きたい、どうやって暮らすのが、お前にとっての幸せだ!」
 「私はっ」

 細い指が、薄い手が俺の手を強く握りこんだ。

 「私は逃げたい! こんなところはもう嫌! アンブレと帰りたい! お兄ちゃんと一緒にいたい」
 「……最初からそう言えば良い!」

 俺はペルラを担ぎ上げて塔の階段を駆け下りた。



 塔を下り切り、外に出た途端、こちらへ走ってくる男の姿が見えた。

 「ペルラ、良いかこの塔の東に向かって走れ! そしてたら壁に人一人通り抜けられるくらいの穴がある。そこから壁の外へ出ろ! 壁の外に出たら何の印もついてない馬車が停まってる。御者に名前を言えばすぐにわかるはずだ。あとは御者の言う通りにしてれば男爵のところへ帰れる! 急げ!」
 「私ひとりで? お兄ちゃんは、お兄ちゃんはどうするの! 一緒に行こう!」
 「駄目だペルラ。俺はここで時間稼ぎする。その間に逃げるんだ」
 「でも、」

 言い淀むペルラの背中を押す。塔の警備をしていた男はもう表情がわかるほどに近づいていた。

 「いいかペルラ。俺たちは今日のために散々準備してきた。俺と男爵の目的はお前が幸せに暮らすこと。そのために俺たちは来た。……俺と男爵のために逃げろ。お前が逃げ切ることが、俺たちが一番願っていることなんだ」
 「お兄ちゃん、」
 「大丈夫だ。閉じ込められても鍵くらい開けられる。殴られるとも蹴られるのも慣れてる。……行け、ペルラ。自分の心配だけしてろ」

 ペルラは返事をしなかった。けれど俺を背を向けて走り出した。全力疾走するのは淑女にあるまじき行為だ。それでもその姿も俺の記憶の中にあるペルラで、なんとなく安心した。

 「てめえ、何してやがる!」
 「不幸せな第2夫人を逃がしたのさ」

 鬼の形相で走ってきた男の進行方向を塞ぐ。なんとしてもこの男に追わせてはならない。

 「伯爵ともあろうものが、妻をこんな非人道的な扱いをしているなんて、まったくお貴族様にはがっかりだ。伯爵家はもうだめだ。お前もとっとと見切りつけたほうが良い」
 「伯爵はどうでもいい! てめえあの女が何かも知らねえくせに!」
 「……お前か、彼女が金を生むガチョウだと伯爵に吹き込んだのは」

 今必要なのはあくまでも時間稼ぎだ。この場に怒りという感情は不要のはずだ。苛立ちながら男は言う。

 「てめえもあの化け物が欲しい口かよ。あの女がガキの頃に見たんだよ。小突き回したら泣き出してよ、泣いた端から宝石に変わんだ。最高だよなあ、泣かせれば泣かせるだけ儲かるんだから」
 「くたばれ屑野郎」

 こいつが誰だかわかった。ペルラが男爵と出会った日、ペルラを攫おうとした屑だ。それで偶然男爵家にいるペルラが10年前に見た子供だと気づき、伯爵に吹き込んだ。
 塔の入り口に立てかけられていた鍬を手に取り男に向かって振り下ろした。すんでのところで避けられ舌打ちをする。一撃で仕留められなかったことに冷汗が伝う。

 「殺す。てめえを殺してあの女を追う。もう伯爵のものじゃあねえならどこ行ったってわかんねえ。俺が持ってたっていいだろ」
 「死ね」
 「死ぬのはお前だ」

 剣の抜かれ振り下ろされるのを飛びのいて逃げる。
 俺は器用貧乏だ。大抵のことは人並み以上にできるし、経験を積んだものならその道の者と遜色ない。だがそれはあくまでも小手先の技術であったり立ち振る舞いや知識についてだ。

 俺は戦うことがとことん向いていない。
 使用人時代に庭の番や護衛兼付き人などをして、護衛や兵士と手合わせしてもらったこともあったが全く伸びなかった。それは幼いころから根付いた俺の鼠根性というべきか、とにかく正々堂々と勝気概というものにかけていた。最終的に勝てばいいと思っているし、最悪負けても命があればいいだとか、理不尽にはただ耐えればいいだとかそういう考えが抜けないため、いつまでたっても強くならない。

 つまり、チンピラ上がりでも暴力を売り物とするような輩とやり合って、不意打ち以外で勝てる算段がまるで付かなかった。そして不意打ちの一撃は避けられ、剣まで抜かれた。
 ここで耐える、という選択肢は使えない。剣で切りつけられたら簡単に死んでしまう。

 膨らんでいた怒りは水をかけられたように冷めていった。生きてここから出られるかすら怪しい。ただペルラを追うよりも俺を殺すことを優先することにした点については安堵していた。
  煽るだけ煽り、浮かべる表情は余裕綽々。

 「やれるもんならやってみろ屑」

 俺はもうどうやってこいつから逃げるかだけを考えていた。



 持っていた鍬は重く邪魔になるため早々に手放す。
 ぞっとするような音を立てて、男の剣が俺の真横に振り下ろされる。大抵は何とか避けることができているが手足には細かい切り傷ができているし、間一髪避けたときには髪の毛数房が犠牲になった。
 剣を振り回す男より、ただ避け続ける俺の方が大量の消耗が小さい。だがこのまま避け続けるのもじり貧だ。

 「いい加減っ死ねっ!」
 「いい加減お前も当ててみせろ」

 口だけで虚勢を張って地面を蹴る。逃げ足なら、何とか勝てるかもしれない。だが俺には逃げ込む当てがない。
 状況が状況のため、敷地から出たとしても男爵邸には逃げ込めない。俺は赤他人であり、善意の第3者だ、自宅へ逃げかえるのも難しい。あの男が追いかけてきても追い返すすべも耐え抜くすべも築40年のアパートにはない。
 まだ体力自体は残っている。だがこの後の展望のなさと武力の差が俺を追い詰め始めていた。
 芝生の方へと足を踏み入れた時、足が滑った。地面の中が湿っていたのだろう。葉を巻き込んで盛大に転ぶ。
 そしてそれを男が見逃すはずもない。

 「無様だな、死ね!」
 「死なねえ!」

 剣が振り下ろされそうになったところで、顔めがけて粉末化させた胡椒の子袋を投げつけた。

 「な、にしやがる!」

 香辛料の香りが広がり緊迫した空気がどこかまぬけになる。目つぶしになればいいと思っていたが、できれば調味料を使いたくはなかった。
 闇雲に剣を振り回す男から逃げながら立ち上がると、男の背中越しに何か細いものが見えた。

 「えええい!」

 先に逃げたはずのペルラがそこにいて、鍬や鋤の中に置いてあった棒を男の首に向けて大きく振りかぶった。
 不意打ちを受けた男はどう、と倒れこむ。恐る恐る近づくと動かない。呼吸はしているため生きてはいるらしいが、自分よりはるかに大きい男を一撃で昏倒させた妹の姿を見る。 

 「ペ、ペルラ……?」
 「敵をやるときは情け容赦なく! お養父様はその気概と棒術を教えてくださいました!」

 ふふん、と笑うペルラは泥だらけの俺の手を取った。

 「聞いてた!? 私はさっきお兄ちゃんと一緒にいたいって言ったの! 一人で逃げても意味なんかない! 私に願いを言わせたならちゃんと叶えてよ、お兄ちゃん!」

 持っていた棒を投げ出しペルラは俺の手を引いて走り出した。
 あんなに泣き虫だったのに。あんなに小さかったのに。いつも俺の後ろにいたのに、ペルラは俺の手を引いて前を走れるほど立派になった。

 「……強い大人になったな、ペルラ」
 「お養父さまがいたから私は強くなったの。棒術だって護身術だってできる。いろんな知識をもらって門の考え方も学んだわ。人として、強い人にしてもらった」

 ペルラを抱き上げて走り出す。流石に他の追っ手が来てもおかしくない時間だ。

 「お兄ちゃんがいたから私は強くなったの。お兄ちゃんを守るために、男爵様についていくって決断した。お兄ちゃんが言えって言ったから、私は逃げることを選べたの」
 「……俺は、何もできてないと思ってた」
 「お兄ちゃんはいてくれるだけで、私を強くしてくれるのよ」
 知らなかった?




 伯爵の用意していた馬車は約束通り壁沿いに停まっていて、俺たち二人が乗り込むと同時に御者は迷うことなく走り出した。馬車の床に二人して座り込む。ガタガタと揺れる音に、伯爵家の喧騒はあっという間に遠のいていった。

 「は、はははははっ!」

 疲れ切った身体から力が抜けると、唐突に笑いが込み上げてきた。何もかもが上手くいったわけじゃない。何か一つ間違っていたらきっと逃げ切ることはできなかった。
 すべてが終わったからこそ、このドタバタの活劇がまるで物語か何かのようだった笑えて来るのだ。

 「ふふふ、あははは」

 つられるようにペルラが笑いだす。
 お互い泥まみれに傷だらけ。物語を終えた主人公たちにしてはあまりにもみすぼらしかった。
 10年ぶりの再会はしんみりとした感動もなく、穏やかな回想もなかった。
 けれど最後にこれだけ笑えるなら、それで十分だと思えるんだ。

 笑いすぎて涙が目じりに溜まる。
 一つ、ころりと小さな石が床に転がって、俺の足にぶつかった。
 それは今まで見たものの中で一番美しい宝石だった。

 「ねえお兄ちゃん」
 「なんだ」
 「私たち、二人で生きていけると良いね」

 俺は笑った。

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