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お泊まり温泉旅行 編
おなじ願い
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(えっ…?!…か、かっきーもお風呂に来ちゃった…!)
慌てて視線を夜空へ戻す。
部屋の明かりを消してあったので、いまベランダを照らしているのはほのかな月の光だけ。
この薄暗さでは、表情までは見えなかったけど。
(かっきー、裸…だよね…?)
一瞬だけしか見ていないけど、それだけはたしかだった。
さくら「ご、ごめんかっきー…!せっかく寝てたのに、起こしちゃったかな…?」
何か声をかけなきゃいけないと焦った私は、咄嗟に謝った。
本を読みながら寝てしまったかっきーを起こさないよう、音を立てずにベランダへ出てきたつもりだったけど。
私が出ていく気配で起こしちゃったのかもしれない。
かっきーは何も答えなかったけど、こちらへ歩いてくるのが足音と気配で分かる。
(え…?え……?)
湯舟のすぐ側までかっきーが来た。
遥香「……さくちゃん…私も、一緒に入っていい…?」
さくら「…う、うん……いいよ…」
私は、かっきーが入るスペースを空けるために右側へずれた。
遥香「ありがとう…」
ちゃぽ…
かっきーが、足の指先からお湯に入る。
そうして立ったかすかな波が、私の左肩のあたりを刺激する。
ほんのかすかな波だったけど、これがかっきーから伝わってくる刺激だと思うと肌が敏感になってしまう。
やがて、かっきーも肩まで浸かった。
遥香「あぁ~~~……目が覚めるぅ~…」
かっきーが気持ちよさそうな声を出していたけど、思ったよりも低い声で思わず笑ってしまう。
さくら「ふふっ…かっきー、なぁにその声…?」
遥香「え~?そんなに変だった~?」
まだ完全に目が覚めたわけじゃないのかな。
喋り方もどこかふわふわしていて、寝ぼけている時のかっきーに近い。
こんな時のかっきーも、私は大好きだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2人で夜空を眺めながら、温泉に浸かる。
遥香「さっき、私いつの間にか寝ちゃってたでしょ?」
さくら「うん。気持ちよさそうに眠ってたから、そのまま寝かせておこうって思って」
遥香「ふふ、ありがと。目が覚めたら部屋も暗くなっててさくちゃんもいなくてびっくりしたけど、カーテンが開いてたから……それで、ベランダに出ていくさくちゃんの姿が見えちゃったんだよね…」
……ベランダに出ていく姿を、見た…??
……と、いうことは……
さくら「えっ……かっきー、見ちゃった…の…?」
遥香「……うん…目が覚めたタイミングが、ちょうど良かった、みたいで……見ちゃいました…なんにも着ていないさくちゃん…」
さくら「え~~…恥ずかしいよぉ~……」
お湯の中に隠れたくなり、口元までお湯に浸かった。
もう暗くなっているからと開放的になってしまって、私はどこも隠さずにベランダへ出てしまったんだった。
遥香「で、でもねっ…!……その時のさくちゃんが、月の明かりにほんの少しだけ照らされてて…それで私、なんっっってきれいなんだろう、って思ったの…」
さくら「…ほんと……?」
遥香「うん…私まだ夢の中にいるんじゃないかって思うくらい……それくらい、さくちゃんが神秘的で、きれいだったよ…?」
さくら「うぅ~~……やっぱり恥ずかしいけど…でも、ありがと…♡」
遥香「ううん、こちらこそ、ありがとうっていうか……それでね…?…あんまりきれいだったのと寝起きだったからっていうので頭がぽーっとしてきちゃって……私もさくちゃんの所に行きたい、って思って、気付いたら全部脱いでベランダに出ちゃってた」
さくら「もぉ~…びっくりしたよ~…だって私たち、一緒にお風呂はまだ、だったから…」
遥香「うん…そうだよね……でも、私ね、今回の旅行で、さくちゃんと一緒に入りたいなってずっと思ってたんだ…なかなか言い出す勇気が出なかったけど…」
さくら「えっ…かっきーも、そうだったの…?」
遥香「え、じゃあさくちゃんも…?」
お互い同じ気持ちだったことに気付くと、2人で目を合わせて照れ笑いした。
部屋に初めて入った時、まずベランダに出てお風呂の大きさを確認して。
それで、かっきーと2人で入れそうだな、なんて考えてた私だけど。
実は、かっきーも似たようなことを考えていたらしい。
2人とも同じことを願っていて、同じように言い出せなかったのだ。
かっきーが居眠りしてしまったおかげで、案外あっけなく叶ってしまった2人の願い。
1人でお風呂に入っていた時よりも体は少しだけ窮屈だったけど、もやもやしていた私の心はすっかり解放されていた…
続く
慌てて視線を夜空へ戻す。
部屋の明かりを消してあったので、いまベランダを照らしているのはほのかな月の光だけ。
この薄暗さでは、表情までは見えなかったけど。
(かっきー、裸…だよね…?)
一瞬だけしか見ていないけど、それだけはたしかだった。
さくら「ご、ごめんかっきー…!せっかく寝てたのに、起こしちゃったかな…?」
何か声をかけなきゃいけないと焦った私は、咄嗟に謝った。
本を読みながら寝てしまったかっきーを起こさないよう、音を立てずにベランダへ出てきたつもりだったけど。
私が出ていく気配で起こしちゃったのかもしれない。
かっきーは何も答えなかったけど、こちらへ歩いてくるのが足音と気配で分かる。
(え…?え……?)
湯舟のすぐ側までかっきーが来た。
遥香「……さくちゃん…私も、一緒に入っていい…?」
さくら「…う、うん……いいよ…」
私は、かっきーが入るスペースを空けるために右側へずれた。
遥香「ありがとう…」
ちゃぽ…
かっきーが、足の指先からお湯に入る。
そうして立ったかすかな波が、私の左肩のあたりを刺激する。
ほんのかすかな波だったけど、これがかっきーから伝わってくる刺激だと思うと肌が敏感になってしまう。
やがて、かっきーも肩まで浸かった。
遥香「あぁ~~~……目が覚めるぅ~…」
かっきーが気持ちよさそうな声を出していたけど、思ったよりも低い声で思わず笑ってしまう。
さくら「ふふっ…かっきー、なぁにその声…?」
遥香「え~?そんなに変だった~?」
まだ完全に目が覚めたわけじゃないのかな。
喋り方もどこかふわふわしていて、寝ぼけている時のかっきーに近い。
こんな時のかっきーも、私は大好きだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2人で夜空を眺めながら、温泉に浸かる。
遥香「さっき、私いつの間にか寝ちゃってたでしょ?」
さくら「うん。気持ちよさそうに眠ってたから、そのまま寝かせておこうって思って」
遥香「ふふ、ありがと。目が覚めたら部屋も暗くなっててさくちゃんもいなくてびっくりしたけど、カーテンが開いてたから……それで、ベランダに出ていくさくちゃんの姿が見えちゃったんだよね…」
……ベランダに出ていく姿を、見た…??
……と、いうことは……
さくら「えっ……かっきー、見ちゃった…の…?」
遥香「……うん…目が覚めたタイミングが、ちょうど良かった、みたいで……見ちゃいました…なんにも着ていないさくちゃん…」
さくら「え~~…恥ずかしいよぉ~……」
お湯の中に隠れたくなり、口元までお湯に浸かった。
もう暗くなっているからと開放的になってしまって、私はどこも隠さずにベランダへ出てしまったんだった。
遥香「で、でもねっ…!……その時のさくちゃんが、月の明かりにほんの少しだけ照らされてて…それで私、なんっっってきれいなんだろう、って思ったの…」
さくら「…ほんと……?」
遥香「うん…私まだ夢の中にいるんじゃないかって思うくらい……それくらい、さくちゃんが神秘的で、きれいだったよ…?」
さくら「うぅ~~……やっぱり恥ずかしいけど…でも、ありがと…♡」
遥香「ううん、こちらこそ、ありがとうっていうか……それでね…?…あんまりきれいだったのと寝起きだったからっていうので頭がぽーっとしてきちゃって……私もさくちゃんの所に行きたい、って思って、気付いたら全部脱いでベランダに出ちゃってた」
さくら「もぉ~…びっくりしたよ~…だって私たち、一緒にお風呂はまだ、だったから…」
遥香「うん…そうだよね……でも、私ね、今回の旅行で、さくちゃんと一緒に入りたいなってずっと思ってたんだ…なかなか言い出す勇気が出なかったけど…」
さくら「えっ…かっきーも、そうだったの…?」
遥香「え、じゃあさくちゃんも…?」
お互い同じ気持ちだったことに気付くと、2人で目を合わせて照れ笑いした。
部屋に初めて入った時、まずベランダに出てお風呂の大きさを確認して。
それで、かっきーと2人で入れそうだな、なんて考えてた私だけど。
実は、かっきーも似たようなことを考えていたらしい。
2人とも同じことを願っていて、同じように言い出せなかったのだ。
かっきーが居眠りしてしまったおかげで、案外あっけなく叶ってしまった2人の願い。
1人でお風呂に入っていた時よりも体は少しだけ窮屈だったけど、もやもやしていた私の心はすっかり解放されていた…
続く
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