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かっきー1st写真集 編
推しの幸せ
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私と美緒ちゃんの周りに他のメンバーはいないので、楽屋にいるメンバーに私たちの話は聞かれてないはずだ。
でも、たとえ美緒ちゃん1人だとしても、かっきーとの関係をメンバーに知られるのは…
秘密にしておこうってかっきーとも約束してるし…
さくら「好きな人…って……」
私は言葉に詰まった。
(メンバーみんなが好き。特に4期生のことはみんな好き)
そんな風に答えれば、ごまかすことも出来るかもしれない。
でも美緒ちゃんの表情を見れば、ごまかして良いような質問じゃないのが分かる。
さくら「…うん………いる」
私は、決心して答えた。
アイドルとしての立場を考えれば、なかなかの衝撃発言のはず。
でも、意外にも美緒ちゃんに驚いてる様子はなかった。
美緒「ありがとう…じゃあ…さくちゃんと、その好きな人は……両想い?」
(どうしよう…また難しい質問だな…)
私の気持ちを答えるのは、まだ良い。正直に答えればいいだけだから。
でも、かっきーの気持ちを私が代わりに答えることに躊躇してしまう。
自分が愛されてることを自分の口から伝えるのは、とても勇気がいることだ。
でも、もしここで片想いだと答えてしまったら。
かっきーが私に伝えてくれた気持ちが、無かったことになってしまう。
(それだけは、絶対に出来ない…かっきーのほうから先に気持ちを伝えてくれたのに…)
「……うん…両想い…だと思う…」
「そっか…よかった……じゃあ、最後にこれだけ教えてほしい……さくちゃんはいま、幸せ…?」
「うん…幸せ」
もう、迷わなかった。
「ありがとう…それが聞けて、私も本当に幸せ…」
「美緒ちゃん…」
「推しの幸せを喜ばないファンなんていないし…!さくちゃんの幸せは、そのまんま私の幸せになるから」
「ありがとう…」
美緒ちゃんには、私の好きな相手が誰かは言わなかった。
でも、言わなくても美緒ちゃんには完全に伝わっていた。
「さっきの収録の前に、さくちゃんが楽屋から出て行ったのを私が見つけたんだけど。さくちゃんの様子がなんかおかしかったってみんなに伝えた時…ね…?」
(紗耶が途中まで話してたやつだ…)
「うん…」
「あの時、かっきーは誰よりも早く立ち上がってさくちゃんを探しに行こうとしてたんだよ…?」
「そうなんだ…」
(かっきー、一瞬躊躇した自分が恥ずかしいってさっき話してたのに…全然そんなことなかったんだね…)
「それで、やんちゃんとかも一緒に探しに行こうとしてたんだけど、かっきーが『みんなは楽屋でさくちゃんを待っててあげて。私が探しに行くから』って出て行っちゃって…私、かっきーのあんな真剣な表情、初めて見た…」
美緒ちゃんの話でかっきーの言葉を知れて、嬉しかった。
美緒「かっきーのあの顔を見た時に…あぁ、そうか、って……なんか、分かっちゃった気がして。かっきーとさくちゃんはきっと、特別な関係なんだなって思った…」
もう、美緒ちゃんには隠したくなかった。
さくら「…うん……そう、なの…」
美緒「さくちゃん…私ね…本当に嬉しいんだ…同い年で同じグループに同期で入って、そんな相手と特別な関係になれるって、なんか、運命みたいだなって…本当に素敵なことだなって思った……だから、さくちゃん、本当におめでとう…」
さくら「美緒ちゃん…ありがとう…」
美緒「それと、さくちゃん……私これからも、さくちゃんのこと推し続けていい…?」
さくら「うん…!美緒ちゃんは私のいちばんのファンだから。それは、ずっと変わらないから。だから…」
私は、少し間を置いてから美緒ちゃんの目を見て言った。
さくら「推し変なんかしたら…やだよ…?」
美緒「くぅぅ~……あ、あざとい、、天然であざといさくちゃんもたまらん……」
さくら「えー?あざとくないし…ふふっ…」
私たちは頭をおでこをくっつけて、笑い合った。
私も美緒ちゃんも、ちょっと涙目だったかもしれない。
最後に私の手をぎゅって握ると、美緒ちゃんは自分の席へ戻っていった。
他のメンバーには秘密にしておいてほしい。
そんなことを言うのは野暮だと思った。
言うまでもなく、美緒ちゃんは秘密を守ってくれる。
(美緒ちゃん…ありがとね…美緒ちゃんには私の口からちゃんと伝えられて、よかった…)
~続く~
でも、たとえ美緒ちゃん1人だとしても、かっきーとの関係をメンバーに知られるのは…
秘密にしておこうってかっきーとも約束してるし…
さくら「好きな人…って……」
私は言葉に詰まった。
(メンバーみんなが好き。特に4期生のことはみんな好き)
そんな風に答えれば、ごまかすことも出来るかもしれない。
でも美緒ちゃんの表情を見れば、ごまかして良いような質問じゃないのが分かる。
さくら「…うん………いる」
私は、決心して答えた。
アイドルとしての立場を考えれば、なかなかの衝撃発言のはず。
でも、意外にも美緒ちゃんに驚いてる様子はなかった。
美緒「ありがとう…じゃあ…さくちゃんと、その好きな人は……両想い?」
(どうしよう…また難しい質問だな…)
私の気持ちを答えるのは、まだ良い。正直に答えればいいだけだから。
でも、かっきーの気持ちを私が代わりに答えることに躊躇してしまう。
自分が愛されてることを自分の口から伝えるのは、とても勇気がいることだ。
でも、もしここで片想いだと答えてしまったら。
かっきーが私に伝えてくれた気持ちが、無かったことになってしまう。
(それだけは、絶対に出来ない…かっきーのほうから先に気持ちを伝えてくれたのに…)
「……うん…両想い…だと思う…」
「そっか…よかった……じゃあ、最後にこれだけ教えてほしい……さくちゃんはいま、幸せ…?」
「うん…幸せ」
もう、迷わなかった。
「ありがとう…それが聞けて、私も本当に幸せ…」
「美緒ちゃん…」
「推しの幸せを喜ばないファンなんていないし…!さくちゃんの幸せは、そのまんま私の幸せになるから」
「ありがとう…」
美緒ちゃんには、私の好きな相手が誰かは言わなかった。
でも、言わなくても美緒ちゃんには完全に伝わっていた。
「さっきの収録の前に、さくちゃんが楽屋から出て行ったのを私が見つけたんだけど。さくちゃんの様子がなんかおかしかったってみんなに伝えた時…ね…?」
(紗耶が途中まで話してたやつだ…)
「うん…」
「あの時、かっきーは誰よりも早く立ち上がってさくちゃんを探しに行こうとしてたんだよ…?」
「そうなんだ…」
(かっきー、一瞬躊躇した自分が恥ずかしいってさっき話してたのに…全然そんなことなかったんだね…)
「それで、やんちゃんとかも一緒に探しに行こうとしてたんだけど、かっきーが『みんなは楽屋でさくちゃんを待っててあげて。私が探しに行くから』って出て行っちゃって…私、かっきーのあんな真剣な表情、初めて見た…」
美緒ちゃんの話でかっきーの言葉を知れて、嬉しかった。
美緒「かっきーのあの顔を見た時に…あぁ、そうか、って……なんか、分かっちゃった気がして。かっきーとさくちゃんはきっと、特別な関係なんだなって思った…」
もう、美緒ちゃんには隠したくなかった。
さくら「…うん……そう、なの…」
美緒「さくちゃん…私ね…本当に嬉しいんだ…同い年で同じグループに同期で入って、そんな相手と特別な関係になれるって、なんか、運命みたいだなって…本当に素敵なことだなって思った……だから、さくちゃん、本当におめでとう…」
さくら「美緒ちゃん…ありがとう…」
美緒「それと、さくちゃん……私これからも、さくちゃんのこと推し続けていい…?」
さくら「うん…!美緒ちゃんは私のいちばんのファンだから。それは、ずっと変わらないから。だから…」
私は、少し間を置いてから美緒ちゃんの目を見て言った。
さくら「推し変なんかしたら…やだよ…?」
美緒「くぅぅ~……あ、あざとい、、天然であざといさくちゃんもたまらん……」
さくら「えー?あざとくないし…ふふっ…」
私たちは頭をおでこをくっつけて、笑い合った。
私も美緒ちゃんも、ちょっと涙目だったかもしれない。
最後に私の手をぎゅって握ると、美緒ちゃんは自分の席へ戻っていった。
他のメンバーには秘密にしておいてほしい。
そんなことを言うのは野暮だと思った。
言うまでもなく、美緒ちゃんは秘密を守ってくれる。
(美緒ちゃん…ありがとね…美緒ちゃんには私の口からちゃんと伝えられて、よかった…)
~続く~
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