1 / 21
さくちゃんのパジャマ
しおりを挟む
※さくちゃんとかっきーが付き合い始めてからのショートストーリーです。
※2人が付き合い始める物語は『さくらと遥香』46時間TV編でお楽しみください。
「かっきー、おつかれ~!」
「さくちゃーん、遅くまで待っててくれてありがとね~」
深夜1時までのラジオ生放送を終えたかっきーを、玄関で迎える。
今日お仕事のあったラジオ局からだと、かっきーの家よりも私のマンションのほうが近い。そんな事情もあって、仕事終わりに泊まりに来てくれたのだ。
「あれ?さくちゃん、そんなパジャマ持ってたっけ?」
「へへへ…買ってからほとんど着てなかったやつだけどね…今夜のラジオで私のパジャマの話出てたから、着てみちゃった♥️」
「そうなの~?ピンクの花柄で、さくちゃんにすっごく似合ってるよ!」
「ありがと~。せっかく買ったやつだから、かっきーに見てもらいたかったんだ…」
「かわいいなぁ…もーさくちゃんがかわいすぎて、お……」
「……"お"…?」
「お……おもいっきりハグしちゃう!」
「うん、ぎゅーってして♥️」
私より少しだけ背の高いかっきーに、おもいっきり抱きしめてもらう。
最高に幸せな瞬間。
「あ、やばっ……今日わたし、朝からずっと仕事だったから汗のにおいしちゃうかも……さくちゃん、シャワー借りるね!」
「う、うん……どうぞ!」
荷物を降ろすと、慌ててバスルームへ向かっていくかっきー。
(あーあ、全然ハグし足りないよぉ……お風呂上がりにまたハグしてもらお~っと。それに…)
直接は言えないけど、私には思うところがあった。
(かっきーの汗のにおいなら全然気にならない、っていうか、むしろ好きなんだけどなぁ……でも、そんなこと言ったらかっきーに引かれちゃうかな…)
・・・・・・・・・・・・・・・
その頃。
かっきーside。
脱衣所に入って一息つくと、ついさっきまで見ていたさくちゃんのパジャマ姿を思い出していた。
(ラジオでパジャマの話が出たからって、あんなかわいいパジャマ着て待っててくれるとか……さくちゃんかわいすぎだよ…!!)
それはそうと、私は自分の発言を後悔していた。
(あーあ、「おもいっきりハグしちゃう」なんて咄嗟にごまかしちゃったけど…あのままの勢いで「押し倒したくなる」って正直に言っちゃえばよかったかな…?でも、初めて"そういうこと"になるかもしれないのに汗くさいって思われたくないしなぁ…)
・・・・・・・・・・・・・・・
さくちゃんとかっきーが付き合い始めてもうすぐ4か月。
恋人としての最後の一線をなかなか超えられない、もどかしくて微笑ましい2人でした。
~おしまい~
※2人が付き合い始める物語は『さくらと遥香』46時間TV編でお楽しみください。
「かっきー、おつかれ~!」
「さくちゃーん、遅くまで待っててくれてありがとね~」
深夜1時までのラジオ生放送を終えたかっきーを、玄関で迎える。
今日お仕事のあったラジオ局からだと、かっきーの家よりも私のマンションのほうが近い。そんな事情もあって、仕事終わりに泊まりに来てくれたのだ。
「あれ?さくちゃん、そんなパジャマ持ってたっけ?」
「へへへ…買ってからほとんど着てなかったやつだけどね…今夜のラジオで私のパジャマの話出てたから、着てみちゃった♥️」
「そうなの~?ピンクの花柄で、さくちゃんにすっごく似合ってるよ!」
「ありがと~。せっかく買ったやつだから、かっきーに見てもらいたかったんだ…」
「かわいいなぁ…もーさくちゃんがかわいすぎて、お……」
「……"お"…?」
「お……おもいっきりハグしちゃう!」
「うん、ぎゅーってして♥️」
私より少しだけ背の高いかっきーに、おもいっきり抱きしめてもらう。
最高に幸せな瞬間。
「あ、やばっ……今日わたし、朝からずっと仕事だったから汗のにおいしちゃうかも……さくちゃん、シャワー借りるね!」
「う、うん……どうぞ!」
荷物を降ろすと、慌ててバスルームへ向かっていくかっきー。
(あーあ、全然ハグし足りないよぉ……お風呂上がりにまたハグしてもらお~っと。それに…)
直接は言えないけど、私には思うところがあった。
(かっきーの汗のにおいなら全然気にならない、っていうか、むしろ好きなんだけどなぁ……でも、そんなこと言ったらかっきーに引かれちゃうかな…)
・・・・・・・・・・・・・・・
その頃。
かっきーside。
脱衣所に入って一息つくと、ついさっきまで見ていたさくちゃんのパジャマ姿を思い出していた。
(ラジオでパジャマの話が出たからって、あんなかわいいパジャマ着て待っててくれるとか……さくちゃんかわいすぎだよ…!!)
それはそうと、私は自分の発言を後悔していた。
(あーあ、「おもいっきりハグしちゃう」なんて咄嗟にごまかしちゃったけど…あのままの勢いで「押し倒したくなる」って正直に言っちゃえばよかったかな…?でも、初めて"そういうこと"になるかもしれないのに汗くさいって思われたくないしなぁ…)
・・・・・・・・・・・・・・・
さくちゃんとかっきーが付き合い始めてもうすぐ4か月。
恋人としての最後の一線をなかなか超えられない、もどかしくて微笑ましい2人でした。
~おしまい~
21
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
さくらと遥香
youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。
さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。
◆あらすじ
さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。
さくらは"さくちゃん"、
遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。
同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。
ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。
同期、仲間、戦友、コンビ。
2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。
そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。
イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。
配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。
さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。
2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。
遥香の力になりたいさくらは、
「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」
と申し出る。
そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて…
◆章構成と主な展開
・46時間TV編[完結]
(初キス、告白、両想い)
・付き合い始めた2人編[完結]
(交際スタート、グループ内での距離感の変化)
・かっきー1st写真集編[完結]
(少し大人なキス、肌と肌の触れ合い)
・お泊まり温泉旅行編[完結]
(お風呂、もう少し大人な関係へ)
・かっきー2回目のセンター編[完結]
(かっきーの誕生日お祝い)
・飛鳥さん卒コン編[完結]
(大好きな先輩に2人の関係を伝える)
・さくら1st写真集編[完結]
(お風呂で♡♡)
・Wセンター編[不定期更新中]
※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる