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STORY7
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一方郁斗は、
「……何でお前が居るんだよ、迅」
指定されたマンションの一室にやって来ると、そこには黛ではなく迅が一人で待っていた。
「郁斗、お前もなかなかしぶとい奴だなぁ。撃たれて生きてるとかさぁ」
「そんな事どうでもいい。黛はどこだ?」
「ここには居ねぇよ。俺は金で雇われてここでお前を待ってた。今度こそ、勝負しようぜ?」
「悪いが今は受けられねぇ。負けるつもりはねぇが、万が一俺が死んだら、詩歌を助けられねぇからな。今は確実な方法を取りたいんだ」
「お前、変わったな? 女が出来るとそうも変わるもんかねぇ。面白味がねぇよ」
「何とでも言えよ。それより、黛に金で雇われたんだろ? いくらで雇われた? 俺ならその倍は出すから、俺に付かねぇか?」
「くく、お前、プライドねぇのかよ? いくら何でも必死過ぎ。そこまでするか? 花房 詩歌はお前の女って訳じゃねぇんだろ? もう放っておけばいいじゃねぇか」
「それは出来ない」
「惚れてるからか?」
「……まあな」
「そうか、惚れてんのか。けど、そんなお前に一つだけ教えてやるよ」
「何だ?」
「さっき黛から連絡があってさぁ、あの女、黛に犯されたぜ? 可愛げもねぇつまらねぇ女だってボヤいてた。しかも、処女だったんだろ? 残念だったなぁ、惚れてたんなら先にヤッとけば良かったのに」
迅のその言葉に一瞬郁斗の目の前は真っ白になった。
(……詩歌……悪い、また辛い思いさせちまったな……)
そして、自分が早くに助けてやれなかった事でまたしても悲しく辛い思いをさせた事を悔やみ項垂れるも、これ以上時間を掛けられないと思い直し、
「……頼む、迅。黛の居場所を教えてくれ。金なら、いくらでもやるから…………この通りだ」
何とかして黛の居場所を教えてもらおうと迅相手に土下座をしたのだった。
「はは、お前、正気か? 俺相手に土下座とか……。へぇ? そんなにあの女が大切なんだな。こりゃ面白ぇや。なぁ郁斗、どうしても、知りたいか?」
「……っ」
迅は土下座する郁斗の左肩を踏み付けるように足を乗せると力を込める。
その行為で苦痛に歪む郁斗の表情が嬉しいのか、更に力を加えていく。
「痛いか? けど、このくらいの痛みなんてどうって事無いだろ? あの女を助ける為には、俺に逆らえねぇもんなぁ」
「…………っ、頼む、居場所を、教えてくれ」
どんなに痛めつけても言い返す事すらしない郁斗にだんだん面白味を感じなくなった迅は、
「――仕方ねぇ、一千万」
「何?」
「一千万、現金で用意しろ。それが出来たら居場所を教えてやるよ。黛には五百万で、お前の殺しから遺体の処理まで任されて雇われてたからな。一千万用意出来るならお前に付いてやるよ。けど、あくまでも俺は居場所を教えるだけだ。その後の事は知らねぇよ」
そんな迅の提案に郁斗は、
「分かった。すぐに用意させる」
迷う事無く要求を飲むと、どこかに電話を掛け始めた。
『――郁斗か? どうした?』
「恭輔さん、黛が指定してきたマンションには、迅が居た」
『そうか……こちらは黛が所有する倉庫を徹底的に探してみたが、宛が外れたようだ』
「……そうですか。それで、その……迅は黛に金で雇われたらしく、俺が一千万出せば、黛と詩歌の居場所を教えてくれると言っています」
『……信用出来るのか?』
「金さえ渡せば、恐らくは」
『……そうか、分かった。至急用意させる。美澄と小竹に取りに来させてくれ』
「分かりました。ありがとうございます、恭輔さん。金は、後で必ず返しますから」
『ああ』
金の目処を付けた郁斗は次に、外で待機している美澄に連絡をする。
「……何でお前が居るんだよ、迅」
指定されたマンションの一室にやって来ると、そこには黛ではなく迅が一人で待っていた。
「郁斗、お前もなかなかしぶとい奴だなぁ。撃たれて生きてるとかさぁ」
「そんな事どうでもいい。黛はどこだ?」
「ここには居ねぇよ。俺は金で雇われてここでお前を待ってた。今度こそ、勝負しようぜ?」
「悪いが今は受けられねぇ。負けるつもりはねぇが、万が一俺が死んだら、詩歌を助けられねぇからな。今は確実な方法を取りたいんだ」
「お前、変わったな? 女が出来るとそうも変わるもんかねぇ。面白味がねぇよ」
「何とでも言えよ。それより、黛に金で雇われたんだろ? いくらで雇われた? 俺ならその倍は出すから、俺に付かねぇか?」
「くく、お前、プライドねぇのかよ? いくら何でも必死過ぎ。そこまでするか? 花房 詩歌はお前の女って訳じゃねぇんだろ? もう放っておけばいいじゃねぇか」
「それは出来ない」
「惚れてるからか?」
「……まあな」
「そうか、惚れてんのか。けど、そんなお前に一つだけ教えてやるよ」
「何だ?」
「さっき黛から連絡があってさぁ、あの女、黛に犯されたぜ? 可愛げもねぇつまらねぇ女だってボヤいてた。しかも、処女だったんだろ? 残念だったなぁ、惚れてたんなら先にヤッとけば良かったのに」
迅のその言葉に一瞬郁斗の目の前は真っ白になった。
(……詩歌……悪い、また辛い思いさせちまったな……)
そして、自分が早くに助けてやれなかった事でまたしても悲しく辛い思いをさせた事を悔やみ項垂れるも、これ以上時間を掛けられないと思い直し、
「……頼む、迅。黛の居場所を教えてくれ。金なら、いくらでもやるから…………この通りだ」
何とかして黛の居場所を教えてもらおうと迅相手に土下座をしたのだった。
「はは、お前、正気か? 俺相手に土下座とか……。へぇ? そんなにあの女が大切なんだな。こりゃ面白ぇや。なぁ郁斗、どうしても、知りたいか?」
「……っ」
迅は土下座する郁斗の左肩を踏み付けるように足を乗せると力を込める。
その行為で苦痛に歪む郁斗の表情が嬉しいのか、更に力を加えていく。
「痛いか? けど、このくらいの痛みなんてどうって事無いだろ? あの女を助ける為には、俺に逆らえねぇもんなぁ」
「…………っ、頼む、居場所を、教えてくれ」
どんなに痛めつけても言い返す事すらしない郁斗にだんだん面白味を感じなくなった迅は、
「――仕方ねぇ、一千万」
「何?」
「一千万、現金で用意しろ。それが出来たら居場所を教えてやるよ。黛には五百万で、お前の殺しから遺体の処理まで任されて雇われてたからな。一千万用意出来るならお前に付いてやるよ。けど、あくまでも俺は居場所を教えるだけだ。その後の事は知らねぇよ」
そんな迅の提案に郁斗は、
「分かった。すぐに用意させる」
迷う事無く要求を飲むと、どこかに電話を掛け始めた。
『――郁斗か? どうした?』
「恭輔さん、黛が指定してきたマンションには、迅が居た」
『そうか……こちらは黛が所有する倉庫を徹底的に探してみたが、宛が外れたようだ』
「……そうですか。それで、その……迅は黛に金で雇われたらしく、俺が一千万出せば、黛と詩歌の居場所を教えてくれると言っています」
『……信用出来るのか?』
「金さえ渡せば、恐らくは」
『……そうか、分かった。至急用意させる。美澄と小竹に取りに来させてくれ』
「分かりました。ありがとうございます、恭輔さん。金は、後で必ず返しますから」
『ああ』
金の目処を付けた郁斗は次に、外で待機している美澄に連絡をする。
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