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それからすぐに恭輔が郁斗の元へやって来た。
小竹と美澄は組員が病院へと連れて行き、郁斗は恭輔と共に詩歌を捜索している組員と連絡を取りながら自らも捜索し始める。
その時、樹奈から郁斗へ着信が入った。
「樹奈? お前今何処にいる?」
『……郁斗さん……』
電話に出ると樹奈は震えているようで、言葉は途切れ途切れで今にも泣きそうな声をしている。
「おい、今何処にいるんだ?」
『……分からない……けど、多分、繁華街のどこかの……ビルだと思う……』
「樹奈、周りに誰か居ないのか?」
『居ない……。今は、一人』
「そうか。分かった。心配するな、お前の捜索もこっちで手配するから、もう少し待っていてくれ」
『……郁斗さん、白雪ちゃんのこと、だけど……』
「居場所を知ってるのか?」
『ううん、でも、もしかしたら……『UTOPIA』っていうBARに居るかも……』
「『UTOPIA』? 分かった、調べてみる。樹奈.必ず助けるから心配しないで待ってろ」
『……うん、ありがとう…………郁斗さん…………ごめんね……』
それだけ言って電話を切った樹奈。
何故彼女は謝ったのか、それは、この電話が迅の指示によって掛けさせられたものだったから。
そうとは知らない郁斗は恭輔と共に『UTOPIA』へ向かって行くも、先程の樹奈からの電話が気になる恭輔は密かに誰かへメッセージを送っていた。
樹奈に教えられた『UTOPIA』というBARは、樹奈が泰典に連れて来られ迅と出逢った場所だった。
地下へ降りて行くと、暗闇から一転店の明かりが付いた事で一瞬目を眩ませる郁斗と恭輔。
そこへ、
「死ねー!」
鉄パイプやナイフを持った男たち複数人が一斉に郁斗たち目掛け襲い掛かって来る。
けれど暗闇に紛れて人が潜んでいた事を郁斗たちは既に察していたので瞬時に避ける事が出来た。
「テメェら、全員迅の差し金か? 今は遊んでる暇ねぇんだ。怪我したくなけりゃ詩歌の居場所を言え」
そんな男たちの中から一人、明らかに雰囲気の違う男が顔を出す。
「お前は、苑流のリーダーの鹿嶋だな?」
「ご名答。流石の情報網ですね、市来組若頭の巽さんと、その番犬……とでも言えばいいかな? 夜永くん」
「何とでも言えよ」
「女は何処だ? もう黛の手に渡っているのか?」
「いーや、まだだ。お姫様は何処かの城に幽閉されてるぜ」
「おい、詩歌の居場所を教えろ」
「君、面白いね。教えろと言われて素直に教える奴がいると思うのか?」
「うるせぇ! 言わねぇなら吐かせるだけの事だ」
そう言って郁斗は懐に忍ばせていた拳銃を取り出し、鹿嶋へ銃口を向けた。
「流石、番犬は血の気が多いな。おい、あの女連れて来い」
銃口を向けられても顔色一つ変えない鹿嶋は下っ端にそう声を掛けると、別の男が奥から誰かを連れて来る。
そして、その連れて来られた人物は鹿嶋に腕を掴まれ強引に引き寄せられると、
「……っ」
怯える彼女の首元にナイフを突き付けながら郁斗を見た。
「お前が引き金を引くのが早いか、俺がこの女の首を切るのが早いか、勝負しようか」
「テメェ、汚ぇぞ! そいつを離せ!」
「……郁斗……さん……」
鹿嶋によってナイフを突き付けられた女性は、先程電話を掛けてきた樹奈だった。
小竹と美澄は組員が病院へと連れて行き、郁斗は恭輔と共に詩歌を捜索している組員と連絡を取りながら自らも捜索し始める。
その時、樹奈から郁斗へ着信が入った。
「樹奈? お前今何処にいる?」
『……郁斗さん……』
電話に出ると樹奈は震えているようで、言葉は途切れ途切れで今にも泣きそうな声をしている。
「おい、今何処にいるんだ?」
『……分からない……けど、多分、繁華街のどこかの……ビルだと思う……』
「樹奈、周りに誰か居ないのか?」
『居ない……。今は、一人』
「そうか。分かった。心配するな、お前の捜索もこっちで手配するから、もう少し待っていてくれ」
『……郁斗さん、白雪ちゃんのこと、だけど……』
「居場所を知ってるのか?」
『ううん、でも、もしかしたら……『UTOPIA』っていうBARに居るかも……』
「『UTOPIA』? 分かった、調べてみる。樹奈.必ず助けるから心配しないで待ってろ」
『……うん、ありがとう…………郁斗さん…………ごめんね……』
それだけ言って電話を切った樹奈。
何故彼女は謝ったのか、それは、この電話が迅の指示によって掛けさせられたものだったから。
そうとは知らない郁斗は恭輔と共に『UTOPIA』へ向かって行くも、先程の樹奈からの電話が気になる恭輔は密かに誰かへメッセージを送っていた。
樹奈に教えられた『UTOPIA』というBARは、樹奈が泰典に連れて来られ迅と出逢った場所だった。
地下へ降りて行くと、暗闇から一転店の明かりが付いた事で一瞬目を眩ませる郁斗と恭輔。
そこへ、
「死ねー!」
鉄パイプやナイフを持った男たち複数人が一斉に郁斗たち目掛け襲い掛かって来る。
けれど暗闇に紛れて人が潜んでいた事を郁斗たちは既に察していたので瞬時に避ける事が出来た。
「テメェら、全員迅の差し金か? 今は遊んでる暇ねぇんだ。怪我したくなけりゃ詩歌の居場所を言え」
そんな男たちの中から一人、明らかに雰囲気の違う男が顔を出す。
「お前は、苑流のリーダーの鹿嶋だな?」
「ご名答。流石の情報網ですね、市来組若頭の巽さんと、その番犬……とでも言えばいいかな? 夜永くん」
「何とでも言えよ」
「女は何処だ? もう黛の手に渡っているのか?」
「いーや、まだだ。お姫様は何処かの城に幽閉されてるぜ」
「おい、詩歌の居場所を教えろ」
「君、面白いね。教えろと言われて素直に教える奴がいると思うのか?」
「うるせぇ! 言わねぇなら吐かせるだけの事だ」
そう言って郁斗は懐に忍ばせていた拳銃を取り出し、鹿嶋へ銃口を向けた。
「流石、番犬は血の気が多いな。おい、あの女連れて来い」
銃口を向けられても顔色一つ変えない鹿嶋は下っ端にそう声を掛けると、別の男が奥から誰かを連れて来る。
そして、その連れて来られた人物は鹿嶋に腕を掴まれ強引に引き寄せられると、
「……っ」
怯える彼女の首元にナイフを突き付けながら郁斗を見た。
「お前が引き金を引くのが早いか、俺がこの女の首を切るのが早いか、勝負しようか」
「テメェ、汚ぇぞ! そいつを離せ!」
「……郁斗……さん……」
鹿嶋によってナイフを突き付けられた女性は、先程電話を掛けてきた樹奈だった。
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