19 / 90
STORY2
3
しおりを挟む
「……いくと、さん……」
「何?」
「あの、これは……」
「ん?」
「……も、しかして、酔って、ます?」
先程練習も兼ねていくつかお酒の作り方を教わった詩歌。作ったお酒は全て郁斗一人が飲んだ為、もしかしたら酔っているからこんな風にからかい出したのかもしれないと思い尋ねるも、
「酔ってなんかいないよ? 俺、酒は強い方でね、基本酔わないんだよ」
郁斗は全く酔っていないようで笑顔を浮かべながら詩歌を見下ろし続けている。
見つめられて恥ずかしくなった詩歌が顔を背けようとするも、
「逸らさないで、その可愛い顔、もっと良く見せてよ」
郁斗の骨ばった手が彼女の頬に触れて、邪魔をする。
触れらた頬が熱くなり、詩歌の体温がどんどん上昇していく。
見つめられて恥ずかしいのに逸らす事すら出来ず、触れている郁斗の指が頬から唇へ移動して行くのが擽ったかった詩歌は、
「……っ!」
思わず声を上げそうになるのを我慢する。
「擽ったかった? ごめんね。でも、声は我慢しなくていいんだよ? そんな風に我慢されると、もーっと虐めたくなっちゃうなぁ」
けれど、そんな彼女の反応を愉しむように悪戯な笑みを浮かべた郁斗は詩歌の唇を親指の先で撫でた。
「……ん、……はぁ……」
唇に触れる指先の動きにピクリと身体を震わせた詩歌。擽ったさとゾクリとした何とも言えぬ感覚に身を捩り、反射的に目を閉じるのと同時に、我慢が出来なかったのか、彼女の口から吐息の混じりの小さな声が漏れた。
そんな詩歌の表情はとても色っぽく、郁斗に限らず男ならば欲情してしまうだろう。
女性にあまり興味の無い郁斗ですら彼女の魅力に捕らわれたのか、もっと触れたい、今よりも強い刺激を与えたらどのような反応をするのだろうという好奇心が頭の中を駆け巡り、Tシャツの裾を掴んだ彼はそれを一気に捲りあげた。
「きゃっ!?」
それには流石に詩歌も驚き、悲鳴にも似た声を上げる。
「いや……」
Tシャツ一枚をワンピースとして着ていた詩歌はそれを捲り上げられてしまった今、彼女の白く細い華奢な身体が露わになってしまう。
捲り上げられた際、驚き反射的に両手で胸の辺りを隠した彼女だったのだが、郁斗が詩歌の腕を掴んでどけてしまった事によって、フリルとリボンの付いた水色のブラジャーによって隠されている少し小ぶりな胸が晒されてしまい、恥ずかしさが最高潮に達した詩歌は顔を背けて身体を震わせた。
そんな彼女を前にした郁斗は流石に少し虐めすぎたと反省したのか、
「ごめんごめん、ちょっとやりすぎちゃったね」と謝りながら捲り上げTシャツの裾を戻し、詩歌の身体を解放するとソファーから降りた。
「何?」
「あの、これは……」
「ん?」
「……も、しかして、酔って、ます?」
先程練習も兼ねていくつかお酒の作り方を教わった詩歌。作ったお酒は全て郁斗一人が飲んだ為、もしかしたら酔っているからこんな風にからかい出したのかもしれないと思い尋ねるも、
「酔ってなんかいないよ? 俺、酒は強い方でね、基本酔わないんだよ」
郁斗は全く酔っていないようで笑顔を浮かべながら詩歌を見下ろし続けている。
見つめられて恥ずかしくなった詩歌が顔を背けようとするも、
「逸らさないで、その可愛い顔、もっと良く見せてよ」
郁斗の骨ばった手が彼女の頬に触れて、邪魔をする。
触れらた頬が熱くなり、詩歌の体温がどんどん上昇していく。
見つめられて恥ずかしいのに逸らす事すら出来ず、触れている郁斗の指が頬から唇へ移動して行くのが擽ったかった詩歌は、
「……っ!」
思わず声を上げそうになるのを我慢する。
「擽ったかった? ごめんね。でも、声は我慢しなくていいんだよ? そんな風に我慢されると、もーっと虐めたくなっちゃうなぁ」
けれど、そんな彼女の反応を愉しむように悪戯な笑みを浮かべた郁斗は詩歌の唇を親指の先で撫でた。
「……ん、……はぁ……」
唇に触れる指先の動きにピクリと身体を震わせた詩歌。擽ったさとゾクリとした何とも言えぬ感覚に身を捩り、反射的に目を閉じるのと同時に、我慢が出来なかったのか、彼女の口から吐息の混じりの小さな声が漏れた。
そんな詩歌の表情はとても色っぽく、郁斗に限らず男ならば欲情してしまうだろう。
女性にあまり興味の無い郁斗ですら彼女の魅力に捕らわれたのか、もっと触れたい、今よりも強い刺激を与えたらどのような反応をするのだろうという好奇心が頭の中を駆け巡り、Tシャツの裾を掴んだ彼はそれを一気に捲りあげた。
「きゃっ!?」
それには流石に詩歌も驚き、悲鳴にも似た声を上げる。
「いや……」
Tシャツ一枚をワンピースとして着ていた詩歌はそれを捲り上げられてしまった今、彼女の白く細い華奢な身体が露わになってしまう。
捲り上げられた際、驚き反射的に両手で胸の辺りを隠した彼女だったのだが、郁斗が詩歌の腕を掴んでどけてしまった事によって、フリルとリボンの付いた水色のブラジャーによって隠されている少し小ぶりな胸が晒されてしまい、恥ずかしさが最高潮に達した詩歌は顔を背けて身体を震わせた。
そんな彼女を前にした郁斗は流石に少し虐めすぎたと反省したのか、
「ごめんごめん、ちょっとやりすぎちゃったね」と謝りながら捲り上げTシャツの裾を戻し、詩歌の身体を解放するとソファーから降りた。
1
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない
若松だんご
恋愛
――俺には、将来を誓った相手がいるんです。
お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。
――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。
ほげええっ!?
ちょっ、ちょっと待ってください、課長!
あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?
課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。
――俺のところに来い。
オオカミ課長に、強引に同居させられた。
――この方が、恋人らしいだろ。
うん。そうなんだけど。そうなんですけど。
気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。
イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。
(仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???
すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。


【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる