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MOMOSE side2
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亜夢が決断をしてくれたら、後は準備に取り掛かるだけ。
「それじゃあ、二人の婚約発表は早急にメディアにお願いして取り上げてもらうよう、すぐに各所に手配するとしよう。恐らく数日中には準備が整うだろう。それまでに、亜夢さん、今の生活に区切りを付けられるよう、準備しておいて貰えるかな? メディアに出れば色々と大変になるだろうからその前に片付けられる事は片付けておいた方がいい」
「はい、分かりました」
「それから百瀬」
「はい」
「お前は短期間で良くやった。俺たちが出した条件もきちんとこなした。まあ、度々亜夢さんに会いに行っていた事は、大目に見ていたがね」
「……やっぱりバレてたか……。大目に見てくれてありがとう」
「そこで、婚約発表までの数日間、お前には休暇をやろう。亜夢さんの力になってやりなさい」
「親父……ありがとう!」
こうして俺たちは実家を後にした。
そして、二人になった帰りの車の中で亜夢は俺の家族についての感想を話すと共に、自信が持てないのか自分を卑下する発言をした。
「百瀬くんの御家族は、本当に良い方たちね。私の事まで心配してくださって、申し訳ないくらい……」
「それは亜夢の人柄があっての事だよ。うちの家族はただ人が良い訳じゃない。きちんと人を見るよ。特にじいちゃんや親父は経営者だからね、人を見る目はある。そんな二人が亜夢を認めたんだから、凄い事なんだよ」
「そんな……私なんて……」
亜夢は本当に、自分を分かってない。亜夢以上によく出来た人間はそうそういないと思う。
これも全て、過ごしてきた環境に問題があったんだと思うと悲しくなる。
「亜夢は謙遜し過ぎ。もう少し自分を認めて褒める事も大切だよ。亜夢は俺がこれまで出逢った中で、一番素敵な女性だよ。亜夢以上の人はいないと思ってる。自信持ってよ、ね?」
「……百瀬くん……ありがとう……」
これからは、これまで以上に俺が沢山亜夢を甘やかして、愛していこう。
少しでも自信が持てるように、亜夢の良いところを沢山言葉にしよう。
「亜夢」
「何?」
「帰ったら……抱いていい?」
「え……?」
「俺、ずっと亜夢に触れたかった。もういい加減、我慢の限界なんだ」
「…………うん、私も、ずっと、淋しかったから……」
「亜夢」
亜夢が可愛くて、ついつい口にした言葉。
こんなところで言ったのは失敗だと思った。
照れながら返事をくれた亜夢を見たら、今すぐに抱きたいと思ってしまったから。
今すぐに抱きたい気持ちを抑えて何とかマンションまで辿り着き、エレベーターで部屋のある階までやって来ると、急いで鍵を開けて中へと入る。
「――ッんん」
そして、これ以上は待てなくて玄関先で亜夢の頬を両手で包み込むようにして強引に唇を奪っていく。
何度も唇を貪るように奪いながら、頬に当てていた手を首筋へと滑らせていくと、擽ったさに亜夢の身体がピクリと反応する。
「……も、もせ……くん……っ」
「ごめん……、我慢、出来なくて……つい……」
このまま抱きたい気持ちを抑え、もう一度触れるだけのキスを落とした俺は亜夢の手を引いて寝室へと向かう。
「……百瀬くん、ま、待って……」
「無理、待てない――」
『待って』と口にした亜夢をベッドに押し倒した俺は、彼女の上に跨ると再び唇を奪い、何度も何度も角度を変えながらキスをする。
「……ッん、……はぁ、んっ」
時折漏れ出る亜夢の吐息混じりの嬌声に煽られ、更に欲情していくと当然キスだけでは物足りなくなっていくけど、亜夢は表情を蕩けさせながら俺の首に手を回し、『もっと』と強請るように見つめながら、唇を重ね合わせてくる。
そんな可愛い事されたら、それに応えるしかない。
「――ッんん……っ、ふぁ、……ん、」
頬や耳朶に触れながらキスを続け、息継ぎをしようとした亜夢の唇を軽く甘噛みをする。
そしてそっと唇の内側へ舌を入れていくと、亜夢は少し遠慮がちに俺の舌に自身の舌を絡ませてきた。
それがまた可愛くて、俺は亜夢の髪を撫でながら彼女のペースに合わせて舌を絡ませていく。
ゆっくりとお互いに探り合いながらのキスは、じわじわと感情が高ぶっていくからか激しいだけのキスよりも興奮する気がした。
勿論これも好きだし、一生懸命な亜夢も可愛いけど、俺はもう結構我慢の限界を迎えていて、
「ッん、ぁ……っん、」
これ以上は待てないとキスを続けながら亜夢が着ているブラウスの上から胸を弄っていくと、気持ちよさそうな声を漏らしてくる。
「それじゃあ、二人の婚約発表は早急にメディアにお願いして取り上げてもらうよう、すぐに各所に手配するとしよう。恐らく数日中には準備が整うだろう。それまでに、亜夢さん、今の生活に区切りを付けられるよう、準備しておいて貰えるかな? メディアに出れば色々と大変になるだろうからその前に片付けられる事は片付けておいた方がいい」
「はい、分かりました」
「それから百瀬」
「はい」
「お前は短期間で良くやった。俺たちが出した条件もきちんとこなした。まあ、度々亜夢さんに会いに行っていた事は、大目に見ていたがね」
「……やっぱりバレてたか……。大目に見てくれてありがとう」
「そこで、婚約発表までの数日間、お前には休暇をやろう。亜夢さんの力になってやりなさい」
「親父……ありがとう!」
こうして俺たちは実家を後にした。
そして、二人になった帰りの車の中で亜夢は俺の家族についての感想を話すと共に、自信が持てないのか自分を卑下する発言をした。
「百瀬くんの御家族は、本当に良い方たちね。私の事まで心配してくださって、申し訳ないくらい……」
「それは亜夢の人柄があっての事だよ。うちの家族はただ人が良い訳じゃない。きちんと人を見るよ。特にじいちゃんや親父は経営者だからね、人を見る目はある。そんな二人が亜夢を認めたんだから、凄い事なんだよ」
「そんな……私なんて……」
亜夢は本当に、自分を分かってない。亜夢以上によく出来た人間はそうそういないと思う。
これも全て、過ごしてきた環境に問題があったんだと思うと悲しくなる。
「亜夢は謙遜し過ぎ。もう少し自分を認めて褒める事も大切だよ。亜夢は俺がこれまで出逢った中で、一番素敵な女性だよ。亜夢以上の人はいないと思ってる。自信持ってよ、ね?」
「……百瀬くん……ありがとう……」
これからは、これまで以上に俺が沢山亜夢を甘やかして、愛していこう。
少しでも自信が持てるように、亜夢の良いところを沢山言葉にしよう。
「亜夢」
「何?」
「帰ったら……抱いていい?」
「え……?」
「俺、ずっと亜夢に触れたかった。もういい加減、我慢の限界なんだ」
「…………うん、私も、ずっと、淋しかったから……」
「亜夢」
亜夢が可愛くて、ついつい口にした言葉。
こんなところで言ったのは失敗だと思った。
照れながら返事をくれた亜夢を見たら、今すぐに抱きたいと思ってしまったから。
今すぐに抱きたい気持ちを抑えて何とかマンションまで辿り着き、エレベーターで部屋のある階までやって来ると、急いで鍵を開けて中へと入る。
「――ッんん」
そして、これ以上は待てなくて玄関先で亜夢の頬を両手で包み込むようにして強引に唇を奪っていく。
何度も唇を貪るように奪いながら、頬に当てていた手を首筋へと滑らせていくと、擽ったさに亜夢の身体がピクリと反応する。
「……も、もせ……くん……っ」
「ごめん……、我慢、出来なくて……つい……」
このまま抱きたい気持ちを抑え、もう一度触れるだけのキスを落とした俺は亜夢の手を引いて寝室へと向かう。
「……百瀬くん、ま、待って……」
「無理、待てない――」
『待って』と口にした亜夢をベッドに押し倒した俺は、彼女の上に跨ると再び唇を奪い、何度も何度も角度を変えながらキスをする。
「……ッん、……はぁ、んっ」
時折漏れ出る亜夢の吐息混じりの嬌声に煽られ、更に欲情していくと当然キスだけでは物足りなくなっていくけど、亜夢は表情を蕩けさせながら俺の首に手を回し、『もっと』と強請るように見つめながら、唇を重ね合わせてくる。
そんな可愛い事されたら、それに応えるしかない。
「――ッんん……っ、ふぁ、……ん、」
頬や耳朶に触れながらキスを続け、息継ぎをしようとした亜夢の唇を軽く甘噛みをする。
そしてそっと唇の内側へ舌を入れていくと、亜夢は少し遠慮がちに俺の舌に自身の舌を絡ませてきた。
それがまた可愛くて、俺は亜夢の髪を撫でながら彼女のペースに合わせて舌を絡ませていく。
ゆっくりとお互いに探り合いながらのキスは、じわじわと感情が高ぶっていくからか激しいだけのキスよりも興奮する気がした。
勿論これも好きだし、一生懸命な亜夢も可愛いけど、俺はもう結構我慢の限界を迎えていて、
「ッん、ぁ……っん、」
これ以上は待てないとキスを続けながら亜夢が着ているブラウスの上から胸を弄っていくと、気持ちよさそうな声を漏らしてくる。
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