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MOMOSE side2
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亜夢の言葉に、俺は何だか凄く泣きそうになった。
こんなにも俺や荒木田家の事を考えてくれているなんてと。
そして、それはきっとこの場に居る誰もがそう感じたに違い無い。
「貴方のその言葉を聞いて、安心したわ。百瀬の事、よろしくね、亜夢ちゃん」
亜夢の返事を聞いた母さんは表情を緩め、亜夢に笑顔を向けてくれた。
「は、はい!」
母さんと亜夢のやり取りを見ていた俺たちは二人の距離が縮まった事に安堵し、場の空気も一気に和やかなものになっていった。
これで俺と亜夢の結婚は問題無く認められたので、早速次の話に移る事に。
「それで、事前に話したと思うけど、亜夢は家族と少し距離を置いてるんだ。ここに来るまでその事について話し合ったんだけど、亜夢は結婚について自分から家族に話しをするつもりは無い、今後も余程の事が無い限り家族とは関わりたくないって言ってるんだ。だから悪いけど両家の顔合わせはしない。出来れば式も俺ら二人だけでやりたいと思ってる」
亜夢は結婚について家族に自分から話しをする事は無い、今後はこれまで以上に関わらないようにする覚悟を決めていると言った。
それを踏まえて親父たちに自分たちの考えを告げると反対されるどころか、
「お前たちがやりたいようにやればいい。世間がどう言おうが構わないよ。なあ、皆?」
「そうね、親戚には、年始に顔を合わせた時にでも紹介すれば良いしね」
「そうだな、別に形式的な事をしなくても、問題無い」
「そうよ、式だって二人の思い出に残ればそれでいいものね」
俺たちの意見を尊重してくれたのだ。
「しかし百瀬、お前は結婚する事を世間に発表するつもりなんじゃ無かったのか? それだと亜夢さんの家族にも知れ渡る事になるが、いいのか?」
ここで親父は俺が以前話していた事の続きを聞いてきた。
「百瀬くん、どういう事?」
親父のその言葉に亜夢が不思議そうな顔をしながら問い掛けてくる。
そもそも亜夢に内緒にしてまで立てたこの計画は、全て、この時の為のモノ。
有紗に俺らを引き離す事を諦めさせるには世間を巻き込むしか無い、そう考えたんだ。
「亜夢が家族に結婚の話をしなくても、情報は必ず漏れる。それはわかるよね?」
「うん」
「特に妹は、俺らが結婚するとなれば必ず接触してくるだろうし、公表しなかったら、また裏で何かしてくるかもしれない。そうならない為にも、予め全国に俺と亜夢が結婚する事を公表しておきたいと思ってる」
「全国に、公表……?」
「荒木田の今後がニュースで流れた時みたく、俺たちの婚約もニュースに流してもらうんだ。亜夢にはリスクが増えると思うけど、何があっても、俺や荒木田家でサポートする、だから、何も心配はいらない。今まで散々辛い目に遭わされてきた分、今度は亜夢の方から、俺と亜夢の結婚という絶望を、妹に与えてやればいい」
「…………」
心優しい亜夢は、どんなに酷い事をされても相手を傷付けたくないと思ってる事は分かってる。
だけど、俺はもう我慢ならない。
亜夢を辛い目に遭わせて来た有紗には、『亜夢の最高の幸せ』という絶望を与えてやりたくて、この計画を立てたんだ。
「……でも、私……」
俺の言葉を聞いても尚、亜夢は有紗に復讐する事は一切考えていないようだ。
それが亜夢の優しい人柄で良いところではあるけど、やっぱりこのままじゃいけない。
「亜夢、優しさだけが人の為になる訳じゃない。時には厳しくする事も相手の為になると俺は思う。人を傷付けたく無い気持ちは分かるけど、これまで沢山酷い事をされてきたんだから、一度くらい、やり返してやろうって思ったっていいと思う。それであっちが何かして来ても俺が守るから、安心していいよ」
どうにかして亜夢に考えを改めて欲しくて説得していると、それを聞いていた親父が話に参加してくる。
「百瀬から、亜夢さんが妹さんにこれまでされて来た事を少しだけど聞いている。色々と辛い思いをして来たね。今回婚約を発表して、妹さんが何かをしてくるかもしれない、荒木田家に迷惑がかかるかもしれない事を心配しているなら、それには及ばない。亜夢さんが荒木田家の人間になるという事は、今後亜夢さんに何かしようものならそれは荒木田家を貶めようとしているのと同じ事。そうなると亜夢さん一人の問題でも無くなる訳だから、こちらとしても黙ってはいない。直接話し合う事を望むなら、こちらの人間を同席させた上で話し合いの場を設ければいい。とにかく、これからは亜夢さん一人が背負う事は無いんだよ。百瀬は勿論、私たち家族の事も頼ってくれると嬉しいと思っているよ」
「親父……」
「……すみません、ありがとうございます……」
親父の言葉を聞いた亜夢は何だか少し泣きそうだった。
そして、話を聞いた末に亜夢が出した結論は――
「……私の家族の事でご迷惑をお掛けしているのに、心配までして貰えて本当に有難いです。私自身が変わる為にも、きっと今回の事は必要なんだと思えました。百瀬くん、私……一度でいいからやり返したい……もう有紗に、好き勝手させたくない」
「うん、そうしよう」
有紗に制裁を与える事だった。
こんなにも俺や荒木田家の事を考えてくれているなんてと。
そして、それはきっとこの場に居る誰もがそう感じたに違い無い。
「貴方のその言葉を聞いて、安心したわ。百瀬の事、よろしくね、亜夢ちゃん」
亜夢の返事を聞いた母さんは表情を緩め、亜夢に笑顔を向けてくれた。
「は、はい!」
母さんと亜夢のやり取りを見ていた俺たちは二人の距離が縮まった事に安堵し、場の空気も一気に和やかなものになっていった。
これで俺と亜夢の結婚は問題無く認められたので、早速次の話に移る事に。
「それで、事前に話したと思うけど、亜夢は家族と少し距離を置いてるんだ。ここに来るまでその事について話し合ったんだけど、亜夢は結婚について自分から家族に話しをするつもりは無い、今後も余程の事が無い限り家族とは関わりたくないって言ってるんだ。だから悪いけど両家の顔合わせはしない。出来れば式も俺ら二人だけでやりたいと思ってる」
亜夢は結婚について家族に自分から話しをする事は無い、今後はこれまで以上に関わらないようにする覚悟を決めていると言った。
それを踏まえて親父たちに自分たちの考えを告げると反対されるどころか、
「お前たちがやりたいようにやればいい。世間がどう言おうが構わないよ。なあ、皆?」
「そうね、親戚には、年始に顔を合わせた時にでも紹介すれば良いしね」
「そうだな、別に形式的な事をしなくても、問題無い」
「そうよ、式だって二人の思い出に残ればそれでいいものね」
俺たちの意見を尊重してくれたのだ。
「しかし百瀬、お前は結婚する事を世間に発表するつもりなんじゃ無かったのか? それだと亜夢さんの家族にも知れ渡る事になるが、いいのか?」
ここで親父は俺が以前話していた事の続きを聞いてきた。
「百瀬くん、どういう事?」
親父のその言葉に亜夢が不思議そうな顔をしながら問い掛けてくる。
そもそも亜夢に内緒にしてまで立てたこの計画は、全て、この時の為のモノ。
有紗に俺らを引き離す事を諦めさせるには世間を巻き込むしか無い、そう考えたんだ。
「亜夢が家族に結婚の話をしなくても、情報は必ず漏れる。それはわかるよね?」
「うん」
「特に妹は、俺らが結婚するとなれば必ず接触してくるだろうし、公表しなかったら、また裏で何かしてくるかもしれない。そうならない為にも、予め全国に俺と亜夢が結婚する事を公表しておきたいと思ってる」
「全国に、公表……?」
「荒木田の今後がニュースで流れた時みたく、俺たちの婚約もニュースに流してもらうんだ。亜夢にはリスクが増えると思うけど、何があっても、俺や荒木田家でサポートする、だから、何も心配はいらない。今まで散々辛い目に遭わされてきた分、今度は亜夢の方から、俺と亜夢の結婚という絶望を、妹に与えてやればいい」
「…………」
心優しい亜夢は、どんなに酷い事をされても相手を傷付けたくないと思ってる事は分かってる。
だけど、俺はもう我慢ならない。
亜夢を辛い目に遭わせて来た有紗には、『亜夢の最高の幸せ』という絶望を与えてやりたくて、この計画を立てたんだ。
「……でも、私……」
俺の言葉を聞いても尚、亜夢は有紗に復讐する事は一切考えていないようだ。
それが亜夢の優しい人柄で良いところではあるけど、やっぱりこのままじゃいけない。
「亜夢、優しさだけが人の為になる訳じゃない。時には厳しくする事も相手の為になると俺は思う。人を傷付けたく無い気持ちは分かるけど、これまで沢山酷い事をされてきたんだから、一度くらい、やり返してやろうって思ったっていいと思う。それであっちが何かして来ても俺が守るから、安心していいよ」
どうにかして亜夢に考えを改めて欲しくて説得していると、それを聞いていた親父が話に参加してくる。
「百瀬から、亜夢さんが妹さんにこれまでされて来た事を少しだけど聞いている。色々と辛い思いをして来たね。今回婚約を発表して、妹さんが何かをしてくるかもしれない、荒木田家に迷惑がかかるかもしれない事を心配しているなら、それには及ばない。亜夢さんが荒木田家の人間になるという事は、今後亜夢さんに何かしようものならそれは荒木田家を貶めようとしているのと同じ事。そうなると亜夢さん一人の問題でも無くなる訳だから、こちらとしても黙ってはいない。直接話し合う事を望むなら、こちらの人間を同席させた上で話し合いの場を設ければいい。とにかく、これからは亜夢さん一人が背負う事は無いんだよ。百瀬は勿論、私たち家族の事も頼ってくれると嬉しいと思っているよ」
「親父……」
「……すみません、ありがとうございます……」
親父の言葉を聞いた亜夢は何だか少し泣きそうだった。
そして、話を聞いた末に亜夢が出した結論は――
「……私の家族の事でご迷惑をお掛けしているのに、心配までして貰えて本当に有難いです。私自身が変わる為にも、きっと今回の事は必要なんだと思えました。百瀬くん、私……一度でいいからやり返したい……もう有紗に、好き勝手させたくない」
「うん、そうしよう」
有紗に制裁を与える事だった。
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