32 / 91
Episode2
7
しおりを挟む
「百瀬くん……キス、して?」
「いいよ――」
「――ッん……」
私がキスを強請ると、顎を掬った百瀬くんは優しく唇を重ね、啄むようなキスを幾度となくしてくれる。
「……ッん、はぁ……っ」
そして、徐々に激しさを増しすキスをされると、合間に吐息混じりの声が漏れていく。
「……亜夢、ベッド行こっか?」
何度目かのキスの後、百瀬くんに問い掛けられた私は、
「……うん、行く……」
頷きながら、そう答えていた。
返事を聞いた百瀬くんは私の身体を軽々と抱き上げると、「亜夢、今日は妙に甘えたがりだよね?」なんて聞いてくるから、ちょっとだけ恥ずかしくなったけど百瀬くんに触れていると安心出来るの。
「……こういうの、嫌い?」
「ううん、寧ろ嬉しいよ? 今日はいっぱい、甘やかしてあげるからね」
百瀬くんはいつも甘やかしてくれるし、私をいっぱい愛してくれる。
そんな彼が私に隠し事をするなんて、やっぱり思えない。
ベッドに着いて優しく身体を下ろしてくれた百瀬くんは私の上に跨ると、再び唇を塞いでは貪るようなキスをする。
「……っん、はぁ……っ、んん、ッふぁ……」
キスをしながら頬や耳朶、首筋に指を這わせられると擽ったさと快楽で、身体がゾクリと震え出す。
そして、唇から舌を入れられ口内を探るように支配されると、私ももっと百瀬くんに触れていたいのに力が抜けてしまって触れる事すら出来なくなる。
「……も、もせ……くん……ッ」
「ん? 何?」
「……っ、もっと、……百瀬くんを、感じ、たい……」
もっと彼を感じて、何も考えられないくらい彼に溺れたくて私は、恥ずかしいけど、途切れ途切れに言葉を紡ぎ、百瀬くんを求めた。
互いに服を脱ぎ捨て、私から百瀬くんに触れると、彼も私に応えるように触れてくれる。
百瀬くんの指や舌が身体を這う度、私の身体は強く反応していく。
「――亜夢」
「……百瀬、くん……っ好き」
「俺も、好きだよ」
名前を呼び合い、好きだと伝え合う。
不安な気持ちもあるけど、彼に名前を呼ばれ、好きだと言われ、快楽を与えられると、次第に不安は和らいでいく。
(大丈夫……百瀬くんとの関係は、これまでのように駄目になったりしない……)
そう言い聞かせながら、私は彼と深く繋がり合った。
何度か繋がり合った後、そのまま眠ってしまった私がふと目を覚ますと、私の横でスマホを弄っている百瀬くん。
彼は私が目を覚ました事に気づいていないのか、どこか苦々しげにスマホの画面に視線を向け続けている。
(何か、あったのかな?)
そう気にはなったものの、まだ眠かった私は彼に声を掛ける事なく、再び眠りの世界へと落ちていった。
それから一週間程が経った休日の昼下がり、百瀬くんがどこかへ出掛けて行った事に気付いた私は、何となく嫌な予感がした。
だけど、別に今日は約束している訳じゃ無かったし、彼女だからって彼の行動を制限する権利も無い。
車で出掛けて行った百瀬くん。
もしかして、有紗に会いに行ったのでは……などと、根拠の無い仮説まで立て始めていた、その時、
「……有紗?」
何とも言えないタイミングで有紗から着信が来る。
「……もしもし?」
『あ、お姉ちゃん? 今暇?』
「まあ、暇だけど」
『そう。それじゃあちょっと、出て来れない? この前の話の続き、したいと思って』
「!!」
正直、有紗には会いたくない。
けど、この前の話というのは恐らく百瀬くん関連の事で、気になっていた私はそれがどうしても知りたくて、
「分かった、どこへ行けばいいの?」
有紗と会う事を決めて待ち合わせ場所へ向かう事にした。
「いいよ――」
「――ッん……」
私がキスを強請ると、顎を掬った百瀬くんは優しく唇を重ね、啄むようなキスを幾度となくしてくれる。
「……ッん、はぁ……っ」
そして、徐々に激しさを増しすキスをされると、合間に吐息混じりの声が漏れていく。
「……亜夢、ベッド行こっか?」
何度目かのキスの後、百瀬くんに問い掛けられた私は、
「……うん、行く……」
頷きながら、そう答えていた。
返事を聞いた百瀬くんは私の身体を軽々と抱き上げると、「亜夢、今日は妙に甘えたがりだよね?」なんて聞いてくるから、ちょっとだけ恥ずかしくなったけど百瀬くんに触れていると安心出来るの。
「……こういうの、嫌い?」
「ううん、寧ろ嬉しいよ? 今日はいっぱい、甘やかしてあげるからね」
百瀬くんはいつも甘やかしてくれるし、私をいっぱい愛してくれる。
そんな彼が私に隠し事をするなんて、やっぱり思えない。
ベッドに着いて優しく身体を下ろしてくれた百瀬くんは私の上に跨ると、再び唇を塞いでは貪るようなキスをする。
「……っん、はぁ……っ、んん、ッふぁ……」
キスをしながら頬や耳朶、首筋に指を這わせられると擽ったさと快楽で、身体がゾクリと震え出す。
そして、唇から舌を入れられ口内を探るように支配されると、私ももっと百瀬くんに触れていたいのに力が抜けてしまって触れる事すら出来なくなる。
「……も、もせ……くん……ッ」
「ん? 何?」
「……っ、もっと、……百瀬くんを、感じ、たい……」
もっと彼を感じて、何も考えられないくらい彼に溺れたくて私は、恥ずかしいけど、途切れ途切れに言葉を紡ぎ、百瀬くんを求めた。
互いに服を脱ぎ捨て、私から百瀬くんに触れると、彼も私に応えるように触れてくれる。
百瀬くんの指や舌が身体を這う度、私の身体は強く反応していく。
「――亜夢」
「……百瀬、くん……っ好き」
「俺も、好きだよ」
名前を呼び合い、好きだと伝え合う。
不安な気持ちもあるけど、彼に名前を呼ばれ、好きだと言われ、快楽を与えられると、次第に不安は和らいでいく。
(大丈夫……百瀬くんとの関係は、これまでのように駄目になったりしない……)
そう言い聞かせながら、私は彼と深く繋がり合った。
何度か繋がり合った後、そのまま眠ってしまった私がふと目を覚ますと、私の横でスマホを弄っている百瀬くん。
彼は私が目を覚ました事に気づいていないのか、どこか苦々しげにスマホの画面に視線を向け続けている。
(何か、あったのかな?)
そう気にはなったものの、まだ眠かった私は彼に声を掛ける事なく、再び眠りの世界へと落ちていった。
それから一週間程が経った休日の昼下がり、百瀬くんがどこかへ出掛けて行った事に気付いた私は、何となく嫌な予感がした。
だけど、別に今日は約束している訳じゃ無かったし、彼女だからって彼の行動を制限する権利も無い。
車で出掛けて行った百瀬くん。
もしかして、有紗に会いに行ったのでは……などと、根拠の無い仮説まで立て始めていた、その時、
「……有紗?」
何とも言えないタイミングで有紗から着信が来る。
「……もしもし?」
『あ、お姉ちゃん? 今暇?』
「まあ、暇だけど」
『そう。それじゃあちょっと、出て来れない? この前の話の続き、したいと思って』
「!!」
正直、有紗には会いたくない。
けど、この前の話というのは恐らく百瀬くん関連の事で、気になっていた私はそれがどうしても知りたくて、
「分かった、どこへ行けばいいの?」
有紗と会う事を決めて待ち合わせ場所へ向かう事にした。
0
お気に入りに追加
234
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる