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Episode1
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「あ、亜夢。おはよ」
「お、はよ……」
呆気に取られる私をよそに、まるで何事も無いかのように挨拶をする百瀬くん。
「あの……」
私が何を言いたいかが分かったらしい彼は、
「ああ、これ? ほら俺、身バレしたくないって話したでしょ? 職場では荒木田の人間だってバレないようにしてるからまあ、変装って感じかな? 出勤する時だけはスプレーで黒髪にしてる。眼鏡は伊達だしね」
髪と眼鏡を指差して説明してくれる。
確かに、これなら普段の百瀬くんとは別人に見えるから納得だ。
「そっか。何かあまりに別人に見えたから驚いちゃった」
そう私が口にすると、鍵を閉めた百瀬くんはフッと口角を上げて悪戯っぽい笑みを浮かべながら近付いて来て、
「ふーん? もしかして、いつもと違う俺の姿にときめいたりしてくれてる?」
私を玄関のドアに追い詰めて手を付くと、鼻先が触れるギリギリの距離まで顔を近付けて問い掛けてきた。
百瀬くんのその言動に私の胸は高鳴り、頬は一気に熱を帯びていく。
黒髪眼鏡でスーツ姿という、いつもと違う初めて見る百瀬くんに驚いたのは勿論だけど、ときめきもあったのは事実。
「……うん」
小さい声で返した私に彼は、「そういう素直なとこ、可愛いよ」と言いながら、ちゅっと音を立てて軽く唇を重ね合わせてきた。
こんな玄関先でキスなんてという恥ずかしさはあるものの、百瀬くんとのキスが嬉しいのと出掛ける前に会えた喜びの方が大きくて、すぐに唇を離してしまった彼に「……もう一度、して?」と強請ってしまう。
「そんな風にお願いされたら、キス以上の事、したくなっちゃうんだけど」
「――ッん……」
百瀬くんは少し困ったような表情を浮かべると私の顎を掬い上げ、今度は強引に口付けてきた。
口内に百瀬くんの舌が侵入してくると、そのまま戸惑い気味の私の舌が絡め取られる。
柔らかな舌の感触と、クチュクチュという厭らしい水音に私の意識は持っていかれ、いつになく強引なキスが気持ち良くて、子宮は疼き、膝がガクガクと小刻みに震えてしまう。
「……キスだけで感じてるんだ? その顔、エロいなぁ」
私が感じている事に気付いた百瀬くんが一旦唇を離すと、唾液が糸を引いて互いの唇の隙間から垂れていく。
その光景が互いの欲情を掻き立てるけど、
「本当、このまま抱きたいくらいだけど、仕事行かなきゃね。続きは夜、しよっか。それまで待てる?」
これから仕事に行かなければならないので、百瀬くんは自身の口元を拭った後、私の唇から垂れる唾液を指で拭い取りながらそう問い掛けてきた。
そんな風に聞かれたら、答えなんて一つしかないに決まってる。
「……うん……待てる……」
恥じらいつつも私がそう答えると、
「本当、可愛過ぎ。それじゃ、夜を楽しみに今日の仕事、頑張るとするかな」
「……ッ」
頬にチュッと口付けてきた。
「それはそうと亜夢、もうだいぶ時間ヤバいんじゃない? 俺まだ少し時間に余裕あるから、近くまで乗せてくよ」
「え? でも、百瀬くんの職場と私の職場じゃ方向違うし……」
確かに私はもうだいぶヤバくて、このままだと恐らく遅刻になるかもしれないけど、いくら時間に余裕があると言っても別方向に職場がある百瀬くんに送って貰うのも申し訳ないから断ろうとするけど、
「いいの。俺がそうしたいんだし、それに、そんな艶っぽい表情の亜夢を一人にするとか絶対無理だから。ほら、行こう」
言って指を絡ませてきた百瀬くんは私の手を取ると、そのまま廊下を歩き出した。
「お、はよ……」
呆気に取られる私をよそに、まるで何事も無いかのように挨拶をする百瀬くん。
「あの……」
私が何を言いたいかが分かったらしい彼は、
「ああ、これ? ほら俺、身バレしたくないって話したでしょ? 職場では荒木田の人間だってバレないようにしてるからまあ、変装って感じかな? 出勤する時だけはスプレーで黒髪にしてる。眼鏡は伊達だしね」
髪と眼鏡を指差して説明してくれる。
確かに、これなら普段の百瀬くんとは別人に見えるから納得だ。
「そっか。何かあまりに別人に見えたから驚いちゃった」
そう私が口にすると、鍵を閉めた百瀬くんはフッと口角を上げて悪戯っぽい笑みを浮かべながら近付いて来て、
「ふーん? もしかして、いつもと違う俺の姿にときめいたりしてくれてる?」
私を玄関のドアに追い詰めて手を付くと、鼻先が触れるギリギリの距離まで顔を近付けて問い掛けてきた。
百瀬くんのその言動に私の胸は高鳴り、頬は一気に熱を帯びていく。
黒髪眼鏡でスーツ姿という、いつもと違う初めて見る百瀬くんに驚いたのは勿論だけど、ときめきもあったのは事実。
「……うん」
小さい声で返した私に彼は、「そういう素直なとこ、可愛いよ」と言いながら、ちゅっと音を立てて軽く唇を重ね合わせてきた。
こんな玄関先でキスなんてという恥ずかしさはあるものの、百瀬くんとのキスが嬉しいのと出掛ける前に会えた喜びの方が大きくて、すぐに唇を離してしまった彼に「……もう一度、して?」と強請ってしまう。
「そんな風にお願いされたら、キス以上の事、したくなっちゃうんだけど」
「――ッん……」
百瀬くんは少し困ったような表情を浮かべると私の顎を掬い上げ、今度は強引に口付けてきた。
口内に百瀬くんの舌が侵入してくると、そのまま戸惑い気味の私の舌が絡め取られる。
柔らかな舌の感触と、クチュクチュという厭らしい水音に私の意識は持っていかれ、いつになく強引なキスが気持ち良くて、子宮は疼き、膝がガクガクと小刻みに震えてしまう。
「……キスだけで感じてるんだ? その顔、エロいなぁ」
私が感じている事に気付いた百瀬くんが一旦唇を離すと、唾液が糸を引いて互いの唇の隙間から垂れていく。
その光景が互いの欲情を掻き立てるけど、
「本当、このまま抱きたいくらいだけど、仕事行かなきゃね。続きは夜、しよっか。それまで待てる?」
これから仕事に行かなければならないので、百瀬くんは自身の口元を拭った後、私の唇から垂れる唾液を指で拭い取りながらそう問い掛けてきた。
そんな風に聞かれたら、答えなんて一つしかないに決まってる。
「……うん……待てる……」
恥じらいつつも私がそう答えると、
「本当、可愛過ぎ。それじゃ、夜を楽しみに今日の仕事、頑張るとするかな」
「……ッ」
頬にチュッと口付けてきた。
「それはそうと亜夢、もうだいぶ時間ヤバいんじゃない? 俺まだ少し時間に余裕あるから、近くまで乗せてくよ」
「え? でも、百瀬くんの職場と私の職場じゃ方向違うし……」
確かに私はもうだいぶヤバくて、このままだと恐らく遅刻になるかもしれないけど、いくら時間に余裕があると言っても別方向に職場がある百瀬くんに送って貰うのも申し訳ないから断ろうとするけど、
「いいの。俺がそうしたいんだし、それに、そんな艶っぽい表情の亜夢を一人にするとか絶対無理だから。ほら、行こう」
言って指を絡ませてきた百瀬くんは私の手を取ると、そのまま廊下を歩き出した。
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