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「どこ行こっか?」
「うーん、どうしよう……」
いざ、二人で出掛けるとなると、どこへ行けばいいのか分からずに悩む私と竜之介くん。
凜が居ないのなんて保育園へ迎えに行く時か夜寝ている時くらいのものだから、こうして二人きりで出掛ける事自体初めてだし、何よりも、こんな風に異性と二人きりでデートをするなんて久しぶり過ぎて、何だか妙にドキドキしてしまう。
「とりあえず、市外まで行こうか。途中どこか寄ればいいし」
「うん、そうだね」
結局行き先がすぐに思いつかなかった私たちはひとまずドライブをする事になって、竜之介くんは市外へ向けて車を走らせて行った。
途中、カフェで飲み物をテイクアウトして、車は海の方へ。
平日だし、今はまだ夏より少し前だから海岸付近も空いていて、近くにある海浜公園の駐車場へ停めた私たちは車を降りると、園内を見る前にまずは海岸の方へ向かって歩いて行く。
手を繋ぎ、こうして二人だけで歩いていると、何だか付き合いたてのカップルみたいに感じて、少しだけ気恥ずかしくなる。
(何だか凄く新鮮だな……凜が居ると恋人同士って感じよりも、家族で居るみたいな感覚だし……)
竜之介くんに出逢うまでは『恋愛』や『トキメキ』なんて無かった私にとって、こうした二人きりのデートは久々過ぎてどうしていいか戸惑う部分も大きかったけど、そんなのは本当に初めだけで、暫くするとこの状況に慣れてくる。
特別何かする訳じゃないのだけど、手を繋いで歩いたり、同じ景色を見たり、こういう何気無い時間が凄く幸せだなって改めて感じていた。
「夏になったら凜も連れてまた来よう。凜、海は初めて?」
「うん。やっぱり子連れで海はちょっと怖かったから、来れてないの」
「まあそうだよね。人混みではぐれたり、目を離した隙に一人で海に入ったりしたら大変だもんね」
「うん」
「なら尚更、今度は凜も一緒にね」
「そうだね」
「それにさ、二人きりの時間も楽しいけど……やっぱり凜が居た方がもっと楽しいよなって思った」
「え……」
海岸近くのお店で少し遅めのお昼を食べ、海浜公園へ戻って来た私たちは観覧車に乗って景色を楽しみながら話をしていると、竜之介くんが急にそんなことを言い出す。
「まあ、凜が居ると思い通りにいかないことも多いけど、それはそれで楽しいし、何よりもみんな一緒が一番だよ」
竜之介くんのその言葉に私の胸はキュンと鳴る。
だって、自分の子供でもない凜が一緒の方が良いだなんて、そんな風に言える人は、あまりいないと思うから。
嬉しかった。
私にとって何よりも大切で愛おしい存在の凜を好きでいてくれる事が。
竜之介くんみたいな人には、きっともう出逢えない。
私にも凜にも竜之介くんが必要で、これから先もずっとずっと一緒がいい。
だから私は逃げないし、幸せな未来を夢見る事を諦めない。
竜之介くんが私たちを好きでいてくれるように私や凜も、竜之介くんが大好きだから――。
「うーん、どうしよう……」
いざ、二人で出掛けるとなると、どこへ行けばいいのか分からずに悩む私と竜之介くん。
凜が居ないのなんて保育園へ迎えに行く時か夜寝ている時くらいのものだから、こうして二人きりで出掛ける事自体初めてだし、何よりも、こんな風に異性と二人きりでデートをするなんて久しぶり過ぎて、何だか妙にドキドキしてしまう。
「とりあえず、市外まで行こうか。途中どこか寄ればいいし」
「うん、そうだね」
結局行き先がすぐに思いつかなかった私たちはひとまずドライブをする事になって、竜之介くんは市外へ向けて車を走らせて行った。
途中、カフェで飲み物をテイクアウトして、車は海の方へ。
平日だし、今はまだ夏より少し前だから海岸付近も空いていて、近くにある海浜公園の駐車場へ停めた私たちは車を降りると、園内を見る前にまずは海岸の方へ向かって歩いて行く。
手を繋ぎ、こうして二人だけで歩いていると、何だか付き合いたてのカップルみたいに感じて、少しだけ気恥ずかしくなる。
(何だか凄く新鮮だな……凜が居ると恋人同士って感じよりも、家族で居るみたいな感覚だし……)
竜之介くんに出逢うまでは『恋愛』や『トキメキ』なんて無かった私にとって、こうした二人きりのデートは久々過ぎてどうしていいか戸惑う部分も大きかったけど、そんなのは本当に初めだけで、暫くするとこの状況に慣れてくる。
特別何かする訳じゃないのだけど、手を繋いで歩いたり、同じ景色を見たり、こういう何気無い時間が凄く幸せだなって改めて感じていた。
「夏になったら凜も連れてまた来よう。凜、海は初めて?」
「うん。やっぱり子連れで海はちょっと怖かったから、来れてないの」
「まあそうだよね。人混みではぐれたり、目を離した隙に一人で海に入ったりしたら大変だもんね」
「うん」
「なら尚更、今度は凜も一緒にね」
「そうだね」
「それにさ、二人きりの時間も楽しいけど……やっぱり凜が居た方がもっと楽しいよなって思った」
「え……」
海岸近くのお店で少し遅めのお昼を食べ、海浜公園へ戻って来た私たちは観覧車に乗って景色を楽しみながら話をしていると、竜之介くんが急にそんなことを言い出す。
「まあ、凜が居ると思い通りにいかないことも多いけど、それはそれで楽しいし、何よりもみんな一緒が一番だよ」
竜之介くんのその言葉に私の胸はキュンと鳴る。
だって、自分の子供でもない凜が一緒の方が良いだなんて、そんな風に言える人は、あまりいないと思うから。
嬉しかった。
私にとって何よりも大切で愛おしい存在の凜を好きでいてくれる事が。
竜之介くんみたいな人には、きっともう出逢えない。
私にも凜にも竜之介くんが必要で、これから先もずっとずっと一緒がいい。
だから私は逃げないし、幸せな未来を夢見る事を諦めない。
竜之介くんが私たちを好きでいてくれるように私や凜も、竜之介くんが大好きだから――。
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