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本編
15 【悟史視点】森に還す
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気持ちが上がらない。
なかなか原稿が進まないのは二日酔いのせいだけじゃない。
スマホを手に取る。
待ち受け画面は3時20分を示している。
部活をしていないピヨ子は、そろそろ下校する時間だ。
「…………」
今まで、ピヨ子の日常を気にかけたことはなかった。
ピヨ子が小学校の頃を思い出す。
ピヨ子はずっと、俺が学校から帰ってくるのを家の前でひとり待っていた。
何度も友達と遊んで来いと言ったけど、ピヨ子が友達と遊んでいるところを見たことは、結局一度もなかったような気がする。
今はどうなんだろう。
気がつけば、俺はピヨ子の学校へと足を運んでいた。
ピヨ子はアパートに土日、平日もできる限り仕事を手伝いに来る。
部活はもちろん、放課後に友達と遊ぶ経験なんてしたことがないだろう。
あまりに頻繁に来るので、宿題や勉強が疎かになっていないかと小言を言ったが、休み時間に宿題は終えているし、成績は決して悪くないようなことを言っていた。
下校しようとしていた生徒に適当に声をかける。
「2年の愛里日菜子ってやつ、知らないか」
そう言って、俺はピヨ子のクラスも知らなかったことを後悔した。
それでも知っている人間に会えるまで、声をかけた。
ピヨ子がどんな風に学校で過ごしているのか知りたかった。
「愛里さん?」
声をかけた3人組の女子ひとりから反応があった。
運良くクラスメイトに巡り会えたらしい。
俺は心の中でガッツポーズをとった。
「うん。聞いたことある気がするねぇ。誰だっけそれ」
しかし、もう一人の少女の言葉で、途端に不安になる。
「ま……マナっち。それはヤバイっしょ、クラスメイトくらい覚えとけ」
「あ、あーあー」
マナと呼ばれた少女は、数秒思考を巡らせたのち、思い当たったらしい。
「だってあの人印象ないよぉ、というより、私があの人に認識されてない気がするんだけど」
「そうだねー。私もこないだ話したけど、知らない人を見るような目してたもんなぁ」
「…………」
ピヨ子の人間関係の希薄さは、子供の頃と何ひとつ変わっていないようだった。
「そういや鹿乃子、愛里さんとバトルになってたよね?」
「バトったっていうか」
鹿乃子と呼ばれた少女が初めて口を開いた。
ゆるい外跳ねの茶髪、長身で、さばさばした気の強そうな少女だ。
ピヨ子が誰かと揉めるとこなんて、正直想像できなかった。
「ちょっとからかったんだよね。先生に『成績良いのに大学行かないのかー』とか言われててさ。それだけでもムカついたけど、『漫画家の手伝いがしたいから進学はしません』とか寝ぼけたこと言うから。大学行く為に死ぬ気で勉強してる私から見たら良いご身分だなって思って」
一同も合わせてブーイングをしていたけど、俺の耳には入ってこなかった。
初めて聞いた。
ピヨ子が望むのなら、一生一緒に漫画を描きたい。
そう思う気持ちはあったけど、ピヨ子から具体的な話を直接聞いたことは一度も無かった。
『絵関係のお仕事、かな』
将来を問われ、そう答えたピヨ子は希望に満ちていただろうか。
果たして笑っていただろうか。
それは、どんな気持ちで自分に言った言葉だったのか。
「でもね。一応反省はしてるのよ。今となっては、だけどね。悪いことしたなって思ってるよ。愛里さんにめちゃめちゃ言い返されてムカついてその場では大喧嘩したんだけどさ。なんか言ってる言葉とは裏腹に、立ってるのが精一杯って気がした。あの人も色々抱えてんのかも。なんか痛々しかったよ」
そりゃ……そうか。
俺とピヨ子を繋ぐものなんて何も無い。
あの後は何事もなかったかのように、ふにゃふにゃ笑っていたけれど、ピヨ子は毎日焦り、不安で仕方がないんだろう。
「あ、で。愛里さんならまだ教室にいたかな……あれ。帰ってたかな」
「いたか、いなかったかわかんないねぇ」
「なんか、すいません。お役に立てなくて」
「いや、良いよ」
俺は短く礼を言い、3人を見送る。
そして、くるりと視線を校舎側に向け、制服の波にピヨ子を探す。
きっと埋もれて、自分と同じ場所にピヨ子もいる。
ぐるぐる迷走しながら、外の世界を知らないまま大人になろうとしている。
ピヨ子も自分とまったく同じ道を辿ろうとしている。
いや、彼女たちの反応を見る限り、状況は俺よりずっと悪いかもしれない。
気づいてやれなかったことに後悔した。
いや、本当は気づいていたのかもしれない。
ずっと自分から片時も離れようとしない、可愛いピヨ子を手離せなかった。
ピヨ子は大人になる。
ピヨ子の人生を歩んでいく。
好意に答えないのなら、本当はもうずっと昔に、本気で突き放さなければならなかった。
それなのに、ずっと曖昧な関係のまま、このまま一緒に漫画を描いていければそれで良いと思ってしまった。
もう少し、もう少しだけこのまま、を繰り返してきた。
『あんなに人生があんたで占めてて、あんたがそんなんで、あの子大丈夫なの?』
亜季に言われた言葉に、耳を塞いでしまいたかった。
技術的にも精神的にもピヨ子を手離せなかった。
自分の弱さが招いた結果だ。
ふいに、読者からの感想が頭をよぎった。
『フェイは明るくて前向きな女の子なのに、復讐のためとはいえ、なぜそこまでして戦おうとするのですか。私は、水谷先生のキャラクターにあまり感情移入ができません』
他人の考えや痛みに鈍感だった自分。
フェイはクルークの剣となり戦う。
今までフェイが傷つく素振りを見せなかったのは、クルークの願望を形にしていたから。
どんなに辛い戦いでも無敵であること。
生き生きと笑う明るいフェイの姿をクルークが望んだから。
無理を押しても、クルークが望んだ姿をフェイは具象化していたのだ。
それは、全て自分とピヨ子に当てはまった。
俺は小さく溜息をついた。
ずっと描いていて、そんなことも気づけないなんて。
フェイは妖精だ。
戦わなくても生きていける。
羽があるから飛んでいける。
自由になれる方法がわからないだけなんだ。
誰かに、もう戦わなくていいんだって言ってもらうのを待っている。
そうか。
それは明確な答えだった。
世界が暗闇に閉ざされたとき。
もう自分は駄目かもしれないと思ったとき。
隣にはピヨ子がいた。
誰も目もくれない作品をずっと好いてくれて。
もしかしたら誰よりも諦めていなかったのか。
悔しかったのか。
何が良くなかったのか一生懸命考えてくれた。
陽だまりのように笑って。
『サトちゃん、大丈夫だよ』
なんの確信も無い、だけど絶対的な自信をくれた。
隣でずっと支えてくれた。
背中を押してくれた。
見えないところでも。
ずっと。ずっと。ずっと。
それは続いていた。
自分はひとりで戦っていた、なんて。
おこがましいにも程がある。
降り注がれた無限の愛情。
もう十分。
十分だ。
ありがとうな、ピヨ子。
妖精が自由に羽ばたく姿が見たいと思った。
俺はピヨ子を自分の元から解放しようと思った。
なかなか原稿が進まないのは二日酔いのせいだけじゃない。
スマホを手に取る。
待ち受け画面は3時20分を示している。
部活をしていないピヨ子は、そろそろ下校する時間だ。
「…………」
今まで、ピヨ子の日常を気にかけたことはなかった。
ピヨ子が小学校の頃を思い出す。
ピヨ子はずっと、俺が学校から帰ってくるのを家の前でひとり待っていた。
何度も友達と遊んで来いと言ったけど、ピヨ子が友達と遊んでいるところを見たことは、結局一度もなかったような気がする。
今はどうなんだろう。
気がつけば、俺はピヨ子の学校へと足を運んでいた。
ピヨ子はアパートに土日、平日もできる限り仕事を手伝いに来る。
部活はもちろん、放課後に友達と遊ぶ経験なんてしたことがないだろう。
あまりに頻繁に来るので、宿題や勉強が疎かになっていないかと小言を言ったが、休み時間に宿題は終えているし、成績は決して悪くないようなことを言っていた。
下校しようとしていた生徒に適当に声をかける。
「2年の愛里日菜子ってやつ、知らないか」
そう言って、俺はピヨ子のクラスも知らなかったことを後悔した。
それでも知っている人間に会えるまで、声をかけた。
ピヨ子がどんな風に学校で過ごしているのか知りたかった。
「愛里さん?」
声をかけた3人組の女子ひとりから反応があった。
運良くクラスメイトに巡り会えたらしい。
俺は心の中でガッツポーズをとった。
「うん。聞いたことある気がするねぇ。誰だっけそれ」
しかし、もう一人の少女の言葉で、途端に不安になる。
「ま……マナっち。それはヤバイっしょ、クラスメイトくらい覚えとけ」
「あ、あーあー」
マナと呼ばれた少女は、数秒思考を巡らせたのち、思い当たったらしい。
「だってあの人印象ないよぉ、というより、私があの人に認識されてない気がするんだけど」
「そうだねー。私もこないだ話したけど、知らない人を見るような目してたもんなぁ」
「…………」
ピヨ子の人間関係の希薄さは、子供の頃と何ひとつ変わっていないようだった。
「そういや鹿乃子、愛里さんとバトルになってたよね?」
「バトったっていうか」
鹿乃子と呼ばれた少女が初めて口を開いた。
ゆるい外跳ねの茶髪、長身で、さばさばした気の強そうな少女だ。
ピヨ子が誰かと揉めるとこなんて、正直想像できなかった。
「ちょっとからかったんだよね。先生に『成績良いのに大学行かないのかー』とか言われててさ。それだけでもムカついたけど、『漫画家の手伝いがしたいから進学はしません』とか寝ぼけたこと言うから。大学行く為に死ぬ気で勉強してる私から見たら良いご身分だなって思って」
一同も合わせてブーイングをしていたけど、俺の耳には入ってこなかった。
初めて聞いた。
ピヨ子が望むのなら、一生一緒に漫画を描きたい。
そう思う気持ちはあったけど、ピヨ子から具体的な話を直接聞いたことは一度も無かった。
『絵関係のお仕事、かな』
将来を問われ、そう答えたピヨ子は希望に満ちていただろうか。
果たして笑っていただろうか。
それは、どんな気持ちで自分に言った言葉だったのか。
「でもね。一応反省はしてるのよ。今となっては、だけどね。悪いことしたなって思ってるよ。愛里さんにめちゃめちゃ言い返されてムカついてその場では大喧嘩したんだけどさ。なんか言ってる言葉とは裏腹に、立ってるのが精一杯って気がした。あの人も色々抱えてんのかも。なんか痛々しかったよ」
そりゃ……そうか。
俺とピヨ子を繋ぐものなんて何も無い。
あの後は何事もなかったかのように、ふにゃふにゃ笑っていたけれど、ピヨ子は毎日焦り、不安で仕方がないんだろう。
「あ、で。愛里さんならまだ教室にいたかな……あれ。帰ってたかな」
「いたか、いなかったかわかんないねぇ」
「なんか、すいません。お役に立てなくて」
「いや、良いよ」
俺は短く礼を言い、3人を見送る。
そして、くるりと視線を校舎側に向け、制服の波にピヨ子を探す。
きっと埋もれて、自分と同じ場所にピヨ子もいる。
ぐるぐる迷走しながら、外の世界を知らないまま大人になろうとしている。
ピヨ子も自分とまったく同じ道を辿ろうとしている。
いや、彼女たちの反応を見る限り、状況は俺よりずっと悪いかもしれない。
気づいてやれなかったことに後悔した。
いや、本当は気づいていたのかもしれない。
ずっと自分から片時も離れようとしない、可愛いピヨ子を手離せなかった。
ピヨ子は大人になる。
ピヨ子の人生を歩んでいく。
好意に答えないのなら、本当はもうずっと昔に、本気で突き放さなければならなかった。
それなのに、ずっと曖昧な関係のまま、このまま一緒に漫画を描いていければそれで良いと思ってしまった。
もう少し、もう少しだけこのまま、を繰り返してきた。
『あんなに人生があんたで占めてて、あんたがそんなんで、あの子大丈夫なの?』
亜季に言われた言葉に、耳を塞いでしまいたかった。
技術的にも精神的にもピヨ子を手離せなかった。
自分の弱さが招いた結果だ。
ふいに、読者からの感想が頭をよぎった。
『フェイは明るくて前向きな女の子なのに、復讐のためとはいえ、なぜそこまでして戦おうとするのですか。私は、水谷先生のキャラクターにあまり感情移入ができません』
他人の考えや痛みに鈍感だった自分。
フェイはクルークの剣となり戦う。
今までフェイが傷つく素振りを見せなかったのは、クルークの願望を形にしていたから。
どんなに辛い戦いでも無敵であること。
生き生きと笑う明るいフェイの姿をクルークが望んだから。
無理を押しても、クルークが望んだ姿をフェイは具象化していたのだ。
それは、全て自分とピヨ子に当てはまった。
俺は小さく溜息をついた。
ずっと描いていて、そんなことも気づけないなんて。
フェイは妖精だ。
戦わなくても生きていける。
羽があるから飛んでいける。
自由になれる方法がわからないだけなんだ。
誰かに、もう戦わなくていいんだって言ってもらうのを待っている。
そうか。
それは明確な答えだった。
世界が暗闇に閉ざされたとき。
もう自分は駄目かもしれないと思ったとき。
隣にはピヨ子がいた。
誰も目もくれない作品をずっと好いてくれて。
もしかしたら誰よりも諦めていなかったのか。
悔しかったのか。
何が良くなかったのか一生懸命考えてくれた。
陽だまりのように笑って。
『サトちゃん、大丈夫だよ』
なんの確信も無い、だけど絶対的な自信をくれた。
隣でずっと支えてくれた。
背中を押してくれた。
見えないところでも。
ずっと。ずっと。ずっと。
それは続いていた。
自分はひとりで戦っていた、なんて。
おこがましいにも程がある。
降り注がれた無限の愛情。
もう十分。
十分だ。
ありがとうな、ピヨ子。
妖精が自由に羽ばたく姿が見たいと思った。
俺はピヨ子を自分の元から解放しようと思った。
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