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番外編 突然のセクハラ攻撃
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久しぶりの休日。
円が知成の家にやってきた。
「ねえ知成くん、これ履いてくれない?」
部屋に入るなり、円がトートバッグから何か取り出してきた。
「えーと…それは?」
円が手にしているそれを見て、知成は顔が引き攣った。
「メンズのビキニパンツ」
円は大木に見せつけるように、それを両手で広げて見せてきた。
黒一色のサテン生地で作られたビキニパンツの光沢が、知成の目をほんのり眩ませてくる。
「いきなり何なんですか⁈」
恋人の突拍子もない要求に、大木は思わず大きな声を出した。
「最近太ったんだよ。本社の仕事さ、存外デスクワークの方が多いんだよね」
「はあ…」
それは大木も知っている。
本社での仕事について、円からはよく話を聞いていた。
でもそれだけだと、まだ話が見えない。
「それで、ちゃんと運動しようと思って、こないだスポーツジムに見学しに行ったんだよ」
「なるほどなるほど?」
やはり、話はまだ見えてこない。
「で、運動するならスイミングにしようと思ったんだよ。普段動いてない人がいきなり激しい運動すると、関節痛めるって聞くし。それで、ジムの人に案内してもらったの。で、プールサイドで見学してたら、パーソナルスイミングっていうのをやってたんだ。若い男のコーチがジムの会員さんたちに水泳の指導してたんだよ。ただ、その男のコーチがさ、亀甲がはみ出さんばかりのすっごい際どいブーメランパンツ履いてたの」
「そうですか」
ここで大木は、だんだん話が見えてきた気がした。
「その股間のもっこり具合を見てたら、なんだかムラムラしちゃって…」
「わけがわからないですよ!」
大木はまたしても大きな声を出した。
「え?でも、ああいうのって嫌でも目についたりするでしょ?知成くんだって、ミニスカートの女の子が目の前を歩いてたら、いやらしい気持ちとかなくても、なんとなくお尻とか股のほうに視線が動いたりしない?」
「いや、しますよ?でも、さすがにムラムラはしないです!」
「これ履くの、どうしても嫌?」
知成の抗議などほとんど無視して、円がねだるような視線で見つめてくる。
「……べつにいいですけど」
大木は渋々ながら了承して、円から黒曜石のように光り輝くビキニパンツを受け取った。
抵抗はあるけれど、あの目に見つめられるとどうにも弱い。
惚れた弱みである。
「じゃあ、お風呂場に行こうか!」
「なんでですか?」
突然の円の提案に、大木は戸惑うことしかできなかった。
「お風呂場ならヤッた後で体を洗えるから効率的かなーって」
「なるほど…」
やはりするのか、と大木は察した。
最近ご無沙汰だったので、こうなることは予測できていたが、まさかピタピタのビキニパンツを履かされることになろうとは。
そんな円のワガママにはちょっと困ってしまうのだけど、求められるのは悪くない。
そんなわけで、大木は円と2人で風呂場に直行すると、生まれたままの姿になり、渡されたビキニパンツを履いた。
「知成くん、それ、よく似合ってるね…」
その間、円が淫靡な目つきで見つめてくるものだから、大木はまったく落ち着けなかった。
「知成くん、ここ脚開いて座って」
風呂場に入るなり、円がバスタブの縁を指差す。
大木は言われたとおりに、バスタブの縁に脚を開いて腰掛けた。
「いい眺めだね」
円は恍惚の表情で大きな股間を見つめた。
「あんまり見ないでください…」
円にまじまじと見つめられて、大木はなんだか恥ずかしくなった。
もうすることはした仲なのに、こんな格好をさせられてこんなふうにジッと見つめられると、感じたことのない羞恥心が芽生えてくる。
「えっちなにおいがする…」
円がしゃがみ込んで、大木の股に頭を割り入れてきたかと思うと、ビキニパンツ越しに大木の股の臭いを嗅いできた。
「ちょっと、円さん!」
円が知成の家にやってきた。
「ねえ知成くん、これ履いてくれない?」
部屋に入るなり、円がトートバッグから何か取り出してきた。
「えーと…それは?」
円が手にしているそれを見て、知成は顔が引き攣った。
「メンズのビキニパンツ」
円は大木に見せつけるように、それを両手で広げて見せてきた。
黒一色のサテン生地で作られたビキニパンツの光沢が、知成の目をほんのり眩ませてくる。
「いきなり何なんですか⁈」
恋人の突拍子もない要求に、大木は思わず大きな声を出した。
「最近太ったんだよ。本社の仕事さ、存外デスクワークの方が多いんだよね」
「はあ…」
それは大木も知っている。
本社での仕事について、円からはよく話を聞いていた。
でもそれだけだと、まだ話が見えない。
「それで、ちゃんと運動しようと思って、こないだスポーツジムに見学しに行ったんだよ」
「なるほどなるほど?」
やはり、話はまだ見えてこない。
「で、運動するならスイミングにしようと思ったんだよ。普段動いてない人がいきなり激しい運動すると、関節痛めるって聞くし。それで、ジムの人に案内してもらったの。で、プールサイドで見学してたら、パーソナルスイミングっていうのをやってたんだ。若い男のコーチがジムの会員さんたちに水泳の指導してたんだよ。ただ、その男のコーチがさ、亀甲がはみ出さんばかりのすっごい際どいブーメランパンツ履いてたの」
「そうですか」
ここで大木は、だんだん話が見えてきた気がした。
「その股間のもっこり具合を見てたら、なんだかムラムラしちゃって…」
「わけがわからないですよ!」
大木はまたしても大きな声を出した。
「え?でも、ああいうのって嫌でも目についたりするでしょ?知成くんだって、ミニスカートの女の子が目の前を歩いてたら、いやらしい気持ちとかなくても、なんとなくお尻とか股のほうに視線が動いたりしない?」
「いや、しますよ?でも、さすがにムラムラはしないです!」
「これ履くの、どうしても嫌?」
知成の抗議などほとんど無視して、円がねだるような視線で見つめてくる。
「……べつにいいですけど」
大木は渋々ながら了承して、円から黒曜石のように光り輝くビキニパンツを受け取った。
抵抗はあるけれど、あの目に見つめられるとどうにも弱い。
惚れた弱みである。
「じゃあ、お風呂場に行こうか!」
「なんでですか?」
突然の円の提案に、大木は戸惑うことしかできなかった。
「お風呂場ならヤッた後で体を洗えるから効率的かなーって」
「なるほど…」
やはりするのか、と大木は察した。
最近ご無沙汰だったので、こうなることは予測できていたが、まさかピタピタのビキニパンツを履かされることになろうとは。
そんな円のワガママにはちょっと困ってしまうのだけど、求められるのは悪くない。
そんなわけで、大木は円と2人で風呂場に直行すると、生まれたままの姿になり、渡されたビキニパンツを履いた。
「知成くん、それ、よく似合ってるね…」
その間、円が淫靡な目つきで見つめてくるものだから、大木はまったく落ち着けなかった。
「知成くん、ここ脚開いて座って」
風呂場に入るなり、円がバスタブの縁を指差す。
大木は言われたとおりに、バスタブの縁に脚を開いて腰掛けた。
「いい眺めだね」
円は恍惚の表情で大きな股間を見つめた。
「あんまり見ないでください…」
円にまじまじと見つめられて、大木はなんだか恥ずかしくなった。
もうすることはした仲なのに、こんな格好をさせられてこんなふうにジッと見つめられると、感じたことのない羞恥心が芽生えてくる。
「えっちなにおいがする…」
円がしゃがみ込んで、大木の股に頭を割り入れてきたかと思うと、ビキニパンツ越しに大木の股の臭いを嗅いできた。
「ちょっと、円さん!」
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