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新しいこと ※
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納期に間に合うように無事に仕事が片付いた週末、大木は円の家にやって来た。
「知成くん、今日はコレ着てシよう」
円が取り出したのは、グレーのベストに黒いタイトスカート、白いブラウスという、シンプルなデザインのOLの制服風衣装だった。
「……これ、どこで買って来たんですか?」
大木が驚いた顔で尋ねてくる。
「近くのディスカウントショップ。パーティー用っていうのかな、宴会の余興とかに使うようなヤツだよ」
「なんでわざわざこんなもんを…?」
「電子版のエロマンガでさ、いいカンジのヤツあったから、そういうのヤッてみたいなーと思って」
「そうですか…」
「主人公が女の社員に手を出すような悪い若手社長で、女子社員がちょっとでも抵抗すると、辞めさせるぞとか言って脅してセクハラするんだよ。スカートの中に手を突っ込んだり、後ろから抱きすくめてブラウス越しにおっぱい触ったり」
「酷い…」
大木が顔をしかめた。
「作り話だよ?それに、最終的には女子社員もノリノリになって感じちゃうの」
「はあ…」
大木はいまいちピンとこないといった様子だった。
「知成くん、そういうのは地雷?エロマンガとかAVとか、どういうの見るの?」
「どういうのって…普通ですよ」
「普通って、どんなの?」
「……まあ、いいじゃないですか、そんなこと。それより、早くシましょう」
「その前にさ、雰囲気づくりに知成くんもちょっとイメチェンしよっか」
大木は円に言われるままに洗面所に向かわされ、髪をセットさせられた。
いつも額に垂らした短い前髪を後ろに撫でつけて、きっちりオールバックにして、この上で伊達メガネもかける。
「うんうん、いいカンジ。いかにも遊んでそうな胡散臭い若社長ってカンジ」
円は上機嫌でイメージチェンジした大木を眺める。
「そうですか…」
「パンストは黒とベージュどっちが好き?」
どこで手に入れてきたのか、円は新品のストッキングを2つ手に持って、大木に見せてきた。
「どっちでもいいです…」
「どっちでもいいってのが一番困るんだけどなー」
唇を尖らせつつ、円はズボンを脱いでベージュのストッキングを履いた。
「ちょっ!円さん、それ…」
円はサイズの小さい総レースの白いパンツを履いていて、大木はそれに驚かされた。
「これはね、ストッキングと一緒にネットで買ったの。これ、安いヤツだから破いて挿れられるよ」
「はあ…」
大木は赤面しながら、曖昧な返事をした。
「こういうの、嫌?」
「嫌じゃない、です」
むしろ、恋人の大胆な姿を見られて、大木は喜ばしい気持ちにこそなったが、どこか複雑だっだ。
「これ、レディースのちょっと大きめのヤツなんだけど、入ったね」
制服風の衣装を着た円を、大木はなんともいえない心持ちで見つめた。
円は最近、憑き物が落ちたかのように大胆不敵になり、今まではどこか気づかわしげな態度だったのが、段々とわがままも言うようになった。
「あ、知成くん、コレだよコレ。ボクが読んでたマンガ」
円はスマートフォンを取り出し、このプレイを思いついたきっかけとなった成人向けマンガを大木に見せてきた。
その内容は、主人公は大企業の2代目で、親から莫大な財産を継ぐと、その権力を利用して、女子社員たちを次々と食い物にする、というものだった。
「ボク、このシチュエーションをヤリたいんだあ」
「知成くん、今日はコレ着てシよう」
円が取り出したのは、グレーのベストに黒いタイトスカート、白いブラウスという、シンプルなデザインのOLの制服風衣装だった。
「……これ、どこで買って来たんですか?」
大木が驚いた顔で尋ねてくる。
「近くのディスカウントショップ。パーティー用っていうのかな、宴会の余興とかに使うようなヤツだよ」
「なんでわざわざこんなもんを…?」
「電子版のエロマンガでさ、いいカンジのヤツあったから、そういうのヤッてみたいなーと思って」
「そうですか…」
「主人公が女の社員に手を出すような悪い若手社長で、女子社員がちょっとでも抵抗すると、辞めさせるぞとか言って脅してセクハラするんだよ。スカートの中に手を突っ込んだり、後ろから抱きすくめてブラウス越しにおっぱい触ったり」
「酷い…」
大木が顔をしかめた。
「作り話だよ?それに、最終的には女子社員もノリノリになって感じちゃうの」
「はあ…」
大木はいまいちピンとこないといった様子だった。
「知成くん、そういうのは地雷?エロマンガとかAVとか、どういうの見るの?」
「どういうのって…普通ですよ」
「普通って、どんなの?」
「……まあ、いいじゃないですか、そんなこと。それより、早くシましょう」
「その前にさ、雰囲気づくりに知成くんもちょっとイメチェンしよっか」
大木は円に言われるままに洗面所に向かわされ、髪をセットさせられた。
いつも額に垂らした短い前髪を後ろに撫でつけて、きっちりオールバックにして、この上で伊達メガネもかける。
「うんうん、いいカンジ。いかにも遊んでそうな胡散臭い若社長ってカンジ」
円は上機嫌でイメージチェンジした大木を眺める。
「そうですか…」
「パンストは黒とベージュどっちが好き?」
どこで手に入れてきたのか、円は新品のストッキングを2つ手に持って、大木に見せてきた。
「どっちでもいいです…」
「どっちでもいいってのが一番困るんだけどなー」
唇を尖らせつつ、円はズボンを脱いでベージュのストッキングを履いた。
「ちょっ!円さん、それ…」
円はサイズの小さい総レースの白いパンツを履いていて、大木はそれに驚かされた。
「これはね、ストッキングと一緒にネットで買ったの。これ、安いヤツだから破いて挿れられるよ」
「はあ…」
大木は赤面しながら、曖昧な返事をした。
「こういうの、嫌?」
「嫌じゃない、です」
むしろ、恋人の大胆な姿を見られて、大木は喜ばしい気持ちにこそなったが、どこか複雑だっだ。
「これ、レディースのちょっと大きめのヤツなんだけど、入ったね」
制服風の衣装を着た円を、大木はなんともいえない心持ちで見つめた。
円は最近、憑き物が落ちたかのように大胆不敵になり、今まではどこか気づかわしげな態度だったのが、段々とわがままも言うようになった。
「あ、知成くん、コレだよコレ。ボクが読んでたマンガ」
円はスマートフォンを取り出し、このプレイを思いついたきっかけとなった成人向けマンガを大木に見せてきた。
その内容は、主人公は大企業の2代目で、親から莫大な財産を継ぐと、その権力を利用して、女子社員たちを次々と食い物にする、というものだった。
「ボク、このシチュエーションをヤリたいんだあ」
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